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本日よりスタートするネイキッド先輩社員インタビュー企画。第一弾は、ネイキッドを代表するアートディレクターの衞藤一郎さんにお話を伺いしました。
- 早速ですが、どんな学生時代でしたか。
九州産業大学のデザイン学科で、グラフィックデザインを学んでいました。学校ではプロダクトデザインなどもやっていたので、大学の同級生は自動車メーカーなどでモデラーとして働いている人が多いです。
ただ、僕は就職活動を全然しないまま卒業を迎えてしまって。慌ててポートフォリオを作って、就職活動を始めました。もともと映画が好きでポスターデザインなどをやりたいと思っていたので、映画関係の仕事を探していて見つけたのがネイキッドでした。
- 入社後はどんな仕事をされていたんでしょうか。
最初はデザイナーということで入社したのですが、当時、ネイキッドはショートフィルムに力を入れていたので、自分も映像をやることになりました。でも映像制作なんてやったこともないし、基礎知識もないし、みんなが何を言っているかもわからない。「使えないやつ」と思われていたんじゃないかなと思います。After Effects(映像制作・合成ソフトウェア、以下「AE」)を触るのも怖くて、AEの作業を振られないように避けていました。現場はきついし、自分がやりたいことと違うし、3日目で辞めようと思ったほどです。
- でも、辞めなかった。それはなぜですか?
それまでの人生の中で、自分が「できない」という体験があまりなかったんです。だからこんなに「できない」ということがとても悔しくて、なんとか一番になれるように頑張ろうと思いました。
- 今の一郎さんからは想像できないです。変わったきっかけは何だったんでしょうか?
先輩アートディレクターの影響ですね。入社して2年目か3年目だったと思うんですが、ネイキッドに新卒第1号として入社した先輩と一緒に仕事をすることになりました。その頃には僕もだいぶAEを触れるようになり、自信がついて仕事も楽しくなってきていました。
ですが、自分で「100%自信作だ!」「これ以上のものはできない!」と思った作品をその先輩に出しても、なかなか一発OKがもらえない。毎回、「もっとこうしてみたら」と言われるんです。そこで実際にその通りに直してみると、本当に良くなる。クオリティの出し方であるとか、視点の持ち方であるとか、自分にはないものを持っている先輩だったので、本当に勉強になりました。
そのうちに、自分で作業して、先輩にチェックしてもらって、いいものができることによってまた次の仕事をもらえるようになって、と言うサイクルができてきました。「自分が作ったものが世の中に出て行くんだな」という達成感ややりがいも感じられるようになり、仕事に対するスタンスも変わったと思います。
- 今はチームリーダーとしての役割もありますが、大変なところはありますか。
若手の頃は全部自分でやっていたので、自分のことだけ考えておけばいいし、作業も自分のペースでできるし、他人に「こういうことをやってほしい」と言うコミュニケーションもいりませんでした。ですが、徐々に仕事が増えてきたり規模が大きくなってきたりして、「個人でやることには限界があるな」「みんなで作っていける状態を作る必要があるな」と感じました。
僕はみんなで何かをやると言うことが大好きなので、チームで一つのことを作り上げていくこと自体は、楽しみながらできます。ただ、リーダーとしての立場で言うと、自分が持っている想いやアイディアをメンバーに伝えたり、逆にメンバーから引き出したりということに苦労しています。特に、クリエイターとしては世の中にない新たな価値を作っていくことが大切です。自分自身の中にすら明確な答えがない状態なのに、それを自分以外の人も巻き込んでやっていかなければならないのは難しいですね。
- それは、まさにこの夏に開催した「TOKYO ART CITY by NAKED(以下、「TAC」)」でも経験されたことじゃないでしょうか。東京ドームシティで開催されたこのイベントに一郎さんはアートディレクターとして
参画されていましたが、いかがでしたか。
TACというイベントで難しかったのは、作業量の多さもそうなのですが、一番はコンセプトが複雑だったこと。「東京」を表現するといっても、東京はいろんな文化を受け入れ、整理をしないままカオスな状態で変化しているような街です。ただ演出や見せ方を決めればいいということだけではなく、「東京らしさ」をどう可視化するか、という難しさがありました。
さらにLDHさんとのコラボレーションもあったので、パフォーマーとの兼ね合いなども考えなければいけませんでした。
- そんな一郎さんが日頃から意識していることはありますか。
僕は、いまでも「自分はまだまだ新人だ」という気持ちがあります。どこまでいっても「スキルが足りない」「まだまだやれることがある」という感覚です。だからどんなに忙しくても色々な情報や作品に触れてインプットする時間を必ず取るようにしていますし、新しいことにトライできる環境を作るようにしています。例えば特定のアプリケーションに縛られるようなことはしないし、必要だと思えばプログラミングをやったりもします。
ネイキッドという会社は常に新しいことをやり続ける、あるいは発信できる環境があるので、自分もどんどん挑戦し続けていきたい。そして、クリエイティブによって発信できる、世の中を動かせるクリエイターでありたいですね。どんなにクオリティが優れた作品であっても、演出だったり、アイディアだったり、とにかく核になる価値がないと意味がありません。それができるのがクリエイティブの力だと思います。
- では最後に、一郎さんが一緒に働きたい人、ネイキッドで活躍できる人はどんな人だと思いますか。
新しい価値を生み続けられる人、形も答えも前例もないところから作品だったり仕組みだったりを作っていける人ですね。それはつまり社会に対する価値を生み続けるということであり、常に挑戦し続けるということでもあります。
そして、なんでも自分ごとにできる人。ど真ん中で考えて本気でやると、見えるものも得られるものも全く違います。そういう人たちはみんなとてもハングリーだし、どんな時も自分の価値や存在意義を出そうと前のめりになっている。本当のトップでやりたい人、やれる人っていうのはそういう人だと思います。
■ 衞藤 一郎
九州産業大学卒業後、デザイナーとしてネイキッドに入社。映像制作を経て、現在はアートディレクターとして活躍。主な作品は「TOKYO ART CITY」など。11月からは、株式会社コルク、エイベックス・エン タテインメント株式会社企画協力のもと、マンガ×現代のアートで新た なマンガ表現の楽しみ方を日本から世界に発信するプロジェクト「マンガマッピン!」がスタート。