「好きなものは何ですか?」そう聞かれたとき、どんな風に答えますか?思わず熱くなって早口になったり、丁寧に言葉を選んでゆっくりと話したり——答える内容だけでなく、その語り方にも人となりが見えてきます。
このインタビューシリーズでは、2つの「好き」を通じて、NONAME Produce(以下、n2p)のメンバーの人となりやキャラクターを知っていただきたいと思っています。
記念すべき第1回は、ディレクターの三澤さん。彼女を形作る2つの「好き」は、「旅」と「ダンス」です。それではどうぞ最後までお付き合いください。
好きと仕事がつながる瞬間
ーまずは一つ目の好き、「旅」についてから聞いていこうと思います。 早速ですが思い出深い旅についてのお話を聞かせてください。
去年の9月に行った函館ですね。その当時、担当していた案件が函館に関する内容だったのですが、仕事と趣味が繋がる瞬間を味わえたのが初めてだったんですよ。
キャンペーン自体は10月開始だったから、まだ始まっていなくて、生でポスターが貼ってあるところを見る、みたいなことはなかったんですけど、自分が今やっている仕事の舞台がここかと。そういった意味で結構思い出深かったです。
あと函館山の夜景がすごく綺麗だったっていうのは一番覚えていていますね。ただ、帰りのロープウェイが1時間待ちで、9月とはいえ山頂はめちゃくちゃ寒くて……。秋の連休は避けた方がいいかもしれません。(笑)
―どんな旅をするのが好きですか?
基本的には、まずはザ・観光地に行きます。やっぱりその土地を代表するところって他にはない魅力が詰まっていると思うんですよね。それで、2回目、3回目に同じ場所を訪れるときは、その土地のマニアックなところを探していきます。
たとえば、祖母が下関に住んでいるんですよ。下関って唐戸市場とか有名なスポットがいっぱいあって、もちろんその辺りは行ったことがあるんですけど、最近は地元の人しか知らないようなローカルな居酒屋に入ったりします。地元訛りのお客さんとお話ししながらご飯を食べたりするのが好きですね。
―お店とかってどういうふうに探しますか?
結構、その辺にいる人に話しかけちゃいます。道に迷った時とかもそうですけど、おすすめのお店をホテルの人とか、お店の人に聞いちゃってます。自分で調べても出てこないようなところに行きたいから、現地の人に聞いちゃおうって感じです。
―他に印象に残っている旅ってありますか?
小学2年生の時に行ったオーストリアですかね。父の仕事の関係で、両親が住んでたんですよ。それでどんなところに住んでいたかみてみようってことで家族で行きました。ちょうどクリスマスの時期でマーケットとか別世界で、住んでいる人も建築も日本ではみたことがないものばかりでした。その時に味わったヨーロッパの雰囲気に惹かれて大学ではドイツ語圏文化学科を選びました。その後、前職の旅行会社に入ることになるんですよね。この経験が今の旅好きにつながっているのかなって。
旅の思い出は形に残すようにしていますフォトブックを作ったり、パズルで旅の余韻を楽しんだり。
この踊っている時間があればもう充分
―もう一つの「好き」、ダンスについても聞かせてください。ダンスはいつ頃から始めたんですか?
小学校1年生からですね。もともと幼馴染がダンスをやりたいって言い出して、一緒に体験に行ったのがきっかけです。本当に軽い気持ちで行ったんけど、体験が終わった瞬間に「習いたい!」って言ったらしくて。そこからずっと続けています。
そのスタジオはオーディションとかがなくて、本当に和やかにダンスを楽しめる教室でしたね。地元の区民館や桜祭りで踊ったりと、地元特化型みたいな感じでした。
―ダンスのジャンルについて教えてください。
大学生になるとメインのジャンルを選ぶんです。そこでハウスダンスを選んだんですよね。踊っていて一番楽しかったので。それで、その延長でn2pに入ったんですよね。共通の知り合いのダンサーさんのステージに参加した時に、センザキさん(元n2pデザイナー)に出会ったんですよ。ちょうど前職でコロナ禍で人生に悩んでいた時で、ウェブ業界への転職を考えていた時にセンザキさんのnoteを見つけたんですよね。あ、今、一緒に出てる人だって。それで、「記事読みました」って話しかけたところ、センザキさんから「ちょうど人を募集してるから入ってみない?」って感じで。
―そんな縁があったんですね。今でもダンスは続けてるんですか?
去年は大学のOB,OG公演とか大きなイベントがあったんですけど、今年はそういうのがないので友達誘って好きな曲を使って好きなフリを作って踊ってます。友達も同じサークルじゃなくて、大学時代にいろんなダンスを通じて出会った友達とずっと繋がってて、ハウスをやりたい時はハウサーの友達を誘うし、この曲で踊りたいなっていうのがあったら同じような音楽が好きな友達を誘ってやったりしてます。イベントでショーケースをやるっていうよりかは、友達と一緒にスタジオで踊る方が楽しいですね。もうそれで充分に気持ちいいというか…この踊っている時間があればもう充分。
マイナスは繋げないけど、プラスは繋げていく
―旅もダンスも楽しむための時間ってどうやって作ってますか?
仕事終わりにスタジオっていうこともあるんですけど、平日は遅くなってしまうことも多いので、大体は土日にぎゅっとまとめてしまうことが多いですね。仕事と趣味は気持ちをしっかり切り替えたいと思っているので。ただ、平日ちゃんと休めなくて、次の日の仕事のパフォーマンスが落ちちゃったら意味ないので、区切りの良いところでしっかり切り上げる努力をすることも意識しています。そうしないと全てが中途半端になって、趣味も仕事も楽しめなくなっちゃうって思うから。
けど仕事とプライベートを完全に分けないように意識はしてて、ネガティブな気持ちをプライベートに持ち越さないようにして、プラスになる部分、たとえば日常生活の中で見つけた面白いプロモーションとかクリエイティブみたいなものはいつも気にしてますね。
結局、仕事も楽しめた方が人生は楽しいのでそこは繋げるようにしてたりとか、うまくいえないけどマイナスな気持ちは繋げないけどプラスの方は繋げていくみたいなのがいいかなって。
それぞれが独立した「好き」。だけど、結果的にすべてが三澤さんに繋がっている。そんな彼女の旅とダンスの話を聞いて、みなさんも何か「好き」を思い出したのではないでしょうか?みなさんの「好き」も意外なところに繋がっているかもしれませんね。「〇〇と〇〇とn2pと」の第一弾はディレクターの三澤さんでした。次回もどうぞお楽しみに!
執筆 松村 広則 / 撮影 西脇 和馬