商品開発を通じた環境貢献
福井:昨年は当社グループで初めてとなるCSRレポートを発行するなど、様々なCSR活動に取り組みましたが、振り返って みてどう思われますか。
山本:昨年のCSR活動で印象深かったことといえば、私は開発技術担当なので攻めのCSRに掲げている「環境重視の商品創出」ですね。今年も、そこに注力しています。2025年にグループの出荷ベースで75%以上を環境配慮商品にしようという目標を掲げ、昨年73%まで到達したので目標達成に向け順調に推移していると考えています。具体的な商品カテゴリでいうと、バイオペイントが挙げられます。現在、研究開発に取り組んでいる微細藻類由来のバイオ ペイントを、2025年の大阪万博で展示品に塗装しています。パートナー企業の方々の協力を得て、一昨年あたりから始めた取り組みが、ようやく形になってきたと思っています。
福井:藻を絞って出てくる油の量がまだ少ないので量産化には 課題がありますが、楽しみですよね。製品としての形が徐々にできつつあるので、微細藻類由来のバイオペイントへの取り組みは今後も引き続き継続していきたいと思っています。
山本:環境配慮商品で最も実績があるのは中国です。中国はものづくりが盛んで、特にコンシューマーエレクトロニクス関係で当社グループの水系塗料に高評価をいただいています。当社は元々ソフトフィールコーティングで好評をいただいていましたが、水系のソフトフィールコーティングでも従来の溶剤系製品と同じ触感、同じ性能が出ることを示すことができ、お客様より高評価をいただきました。そして環境配慮商品で当社グループのパーパスである「色と機能で世界を豊かに」をどう実現するかを考えると、原材料メー カーの方々の協力も必要となります。調達、環境管理、開発の3部門から、当社グループの環境に対する方針やそれぞれの 部門方針をお伝えし、賛同していただくことから始めました。
技術力と人材育成で切り拓く海外展開
山本:現在、グループ全体の売上の約75% は海外拠点による ものです。日本のお客様が海外に進出される際は、当社グルー プもお客様に追随して現地生産を図っています。コストや供給 面から現地で生産を行う場合は、現地の原材料を採用することも開始しており、これは各国・地域のお客様が望むリージョン開発にもつながります。
福井:現地の原材料を採用する際には、普段当たり前にやっ ていることの継続、つまり、品質管理、安全性確保、化学物 質管理など、守りのCSRも大事になってきますね。
山本:はい。当社グループのグリーン調達基準や、海外各国の法令に適合するかをきちんと確認してから原材料登録をする ルールになっています。お客様のご期待に応えるために一つ一 つ丁寧にやっていくことが大切と考えています。商品開発といえば攻めのCSRのイメージがありますが、攻めも守りも両方考えないといけないと思っています。 そのうえで、環境問題の改善に寄与できる商品を増やします。 地球温暖化でいえば、カーボンニュートラルを考えたバイオペ イント、省エネルギーではUV硬化型塗料が対応しています。今は2液硬化型塗料が一般的で80℃、30分程度の乾燥が必要ですが、UV硬化型塗料は60℃、5分程度の乾燥とUV照射で塗膜が形成されます。乾燥工程の使用電力がCO2の排出に影響することから、UV硬化型塗料の開発を強化していきたいと考えています。一方、工場設備の観点から、当社グループ が最も多く消費しているエネルギーは電力です。インド拠点では昨年、ソーラーパネルの設置を完了しました。今後も段階的に化石燃料由来の電力使用比率を削減し、CO2排出量を減らしていく予定です。
福井 : 今後の成果が出ることを楽しみにしています。環境重視の商品を創出するまでには技術的にも多くの課題をクリアする必要があり決して簡単なことではありません。 しかし、山本さんをはじめとする一流の技術者たちがその実現に向けて強い意志や情熱を持ち、やりきる姿勢には本当に感銘を受けています。
山本 : ありがとうございます。塗料は塗装工程を経て塗膜となるため、塗料の塗り方次第で仕上がりに大きな違いが出ます。そのため、全拠点においてテクニカルサポート基準を満たしたローカル社員を配置する取り組みを、技術人材の育成の一環として進めています。お客様が求めるリージョン開発の強化、ローカル開発者の育成にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。これには日本人にこだわらず、当社グループの経営理念に共感いただける方を採用することが重要だと思います。 当社グループには海外で活躍できるチャンスが多くあるので、 そのあたりも魅力を感じていただける方に仲間になっていただきたいですね。
世の中に何ができるかを行動とセットで伝えていく
福井:そもそも事業は何のためにやるのかを考えると、「社会がより良くなるため」以外に企業活動を行う理由はないと私は思っています。私たちは「塗料」という化学品として毒にもなるし良薬にもなる商品を扱いますよね。サステナブル経営を行っていく際には、まず永続するために何をすべきか、何をしてはいけないかを明確にして “ サステナブル ” という言葉の解像度を上げ、いかに現場に落とし込むかが重要だと考えてい ます。社内に武蔵アカデミーという学校をつくったり、経営理念を手帳にして普段から見てもらったり、考え方を形にして伝えたりもしていますが、コミュニケーションを深めて理解してもらうことも大切だと思います。
山本:『musashi color』の手帳ですね。導入が最も早かった日本ではもう特別なものではなくなっていて、『musashi color』の中にあるフレーズを普段の会話で使うこともあります。海外拠点でもだいぶ浸透していると感じています。
福井:評価制度にも入れているし、『musashi color』を軸に話ができるので、具体的にとるべき行動もわかりやすくなりますよね。『musashi color』という考え方があって、日々の仕事の中での行動を各拠点や部門の責任者が『musashi color』とセットで説明してくれるので、かなり浸透している感じがします。
山本:行動ということでは、全社で取り組んだ WORLD CLEANUP DAY の活動も印象深いです。国際 デーの存在と趣旨だけを説明して、 「各拠点でできることをやろう」と ちょっと号令をかけただけで、あれだけたくさんの拠点で清掃活動をしたというのは『musashi color』 の考えが浸透しているからこそだと思います。
福井:もともと、理念に共感してくれる人たちが集まっているということもあるかもしれません。考え方として、世の中や困っている人のために何かをしようと思っているかどうかは、当社グループではとても大事なところだと思います。 それと同時に、今サプライヤーとして私たちがお客様から監査を受ける際にも、CSRやサステナビリティに基づくものが多くなっています。コンプライアンスやサステナブルに関するルー ルを守って企業活動を行うというのは、取引先との信頼関係を構築するうえでもより重要になってきています。
塗料の可能性を信じて一緒に楽しむ仲間をつくる
山本:我々開発技術部門は、お客様が望んでいるものはその先の社会が望んでいるものだと考えています。普段から、「今どういう社会課題があって、それを塗料でどう改善していけるのかを考えながら、目の前の課題に対して一つ一つ丁寧に取り組むこと、そしてその積み重ねが未来の創造につながるのではないか」と、現場でもよく話しています。
福井:塗料はとにかく何にでも塗ることができます。そして、人はその色によって幸せを感じたり、元気になったり、逆に暗い気持ちになったりもします。塗料を塗り直すことで物の様子が変わり、それが課題解決につながることもあります。だから、その技術を保持していくことは、ある意味とてもサステナブル なことだと思います。色を変えれば良いことにみんなが気づいて、無駄なものをつくらなくなったり、廃棄しなくなったりすると、もっと良い世の中になるだろうと強く感じています。
山本:課題解決のために、これまでの枠組みを超えたところでもすでに活動を開始しています。大学と連携して研究開発に取り組んだり、塗装設備メーカーの方と組んで環境問題の解決や新たな価値創造に取り組んだり、徐々に実績が出つつあるので今後も継続していきたいです。
福井:商品開発だけでなく、各国にある工場設備、会社の資本力、社員の能力を会社の資産と考えて、最大限に活用したいと思っています。例えば、海外の工場を他社と共有する取り 組みを進めたり、工場の整理整頓などの5S活動をオンラインで他社の工場に伝えたりする取り組みも始めています。また、 タイでは不動産を買い取り、税務や法務をはじめとする全機能を提供するシェアオフィス事業を展開しています。外国で会社を立ち上げ、自前ですべての機能を持つことは大変なので、当社社員の持つノウハウを活用してもらい、「日本国内だけではなく世界に通用する製品を販売してみませんか」という形で、日本の企業や他国の企業の仲間を増やしていく活動をしています。
山本:面白いですね。そのような取り組みの中で新たな出会いが生まれ、新しい発見があり、仲間が増えると心強いです よね。困ったときも「その人たちに聞いてみよう」となりますし、とても素晴らしいことだと思います。
福井:そうですね。それはすごく楽しいし、外から違うものが入ってくると私たちも考え方に広がりが出てきますよね。
山本:社外の方とのつながりはとても大事だと思います。そして我々に協力いただくことになったときには、当社がどういう会社か、伝えることが必要ですね。社内外で行っている取り組 みを発信し、広めていくことが重要だと思います。
福井:そのためには、まずは社内の人たちに、自分たちの会社がどんな取り組みをしているのかをわかってもらいたいですね。 理解したうえで言語化するのが難しい部分はCSRレポートなどを使いながら、「うちの会社はこういう会社だよ」と言えるようになって、行動に移していけると良いと思います。
“ やってみる ” を大事にチャレンジし続ける企業へ
福井:サステナブル経営をめざすにあたり、 まずは安心してチャレンジできる会社をつくることが重要だと考えています。部下がスキルを高め、多様なことに取り組めるようにするためには、上に立つ人が覚悟を持ち、良い仲間と目的に向かってコミットすることが大切です。その結果、安心して業務に取り組める環境が生まれるはずです。また、経験を広げて新しいことに挑戦できるようになることが、個々の自信に つながっていくと考えています。だからこそ、全員に積極的にチャレンジしてもらいたいと思います。
山本:それが社長の思う“サステナブル経営 ”なのですね。今年のスローガンに込めた思いも、そのような背景からなのですか。
福井:そうですね。誰かがやらないといつまでも実現できないから、どんどんやっていこうということですね。とりあえず、やらないと始まらないということで、今年私たちの会社のスローガンは「Just do it」です。よほどのことがない限り、様々なことに挑戦するのが良いと思っています。
山本:チャレンジするうえで大事なのは、やはり社員教育ですね。武蔵アカデミーで様々な部署の人が教育を行っていますが、テクニカルスキルの向上だけでなくヒューマンスキルを向上させることでチャレンジする意欲が大きく高まるように感じ ます。未経験のことに挑戦する際には、周囲の助けを借りたり、 自分で新しい考えを持ったりすることで、自分自身が磨かれていくのだと思います。
福井:社内でもチャレンジしていく人がだいぶ増えてきました ね。未来の正解なんて現時点では誰にもわかりません。だから、「まず行動することが正解だよ」という考え方を、どのように社内に根付かせるかが課題です。法令順守や規定をしっかり守りながら、とにかくチャレンジしていきたいと思っています。 そして、お客様やステークホルダーの皆様には、「本当にうちの会社は良い会社なので、一緒に仕事をすると楽しいですよ」とお伝えしたいです。ぜひ私たちと一緒に、これからもチャレンジを続けていきましょう。
武蔵塗料グループの強みと海外展開
私たちはお客様のご期待に100%お応えし、120%のご満足を提供し続けます
1. 最先端の開発技術力
60年以上にわたる実績と知見をもとに、市場ニーズを的確に捉え、独自のアイ デアと技術で革新的な商品を生み出し続けています。
2. グローバルネットワーク
20年以上前からグローバル展開を進め、アジアを起点に欧州・北米へと生産・ 販売体制を拡充。グループ全体の強固な連携により、世界中のお客様へ同一で、高品質な塗料を安定的に供給しています。
3. サステナブルなビジネス展開
確固たる経営理念のもと、環境に配慮した商品開発と環境負荷の低減に真摯に取り組み、社会貢献を通じて持続可能な社会の実現をめざしています。
4. 顧客志向のカスタマイズと課題解決力
完全オーダーメイドのアプローチでお客様に寄り添い、多様なニーズに柔軟かつ的確に対応。豊富な経験と専門性を生かし、課題の本質を見極めた最適なソリューションを提供しています。
特集1 藻類を活用した塗料の未来を描く
新たなバイオペイント 〜 知られざる革新者たち 〜
藻類、そして微細藻類とは?
藻類(そうるい)、なかでも微細藻類(びさいそうるい)という言葉に、まだ馴染みのない方も多いことでしょう。近年、 この「微細藻類」は、地球環境への負荷を軽減する次世代の持続可能な資源として、世界的に注目を集めています。石油や天然ガスなどの化石資源に代わる新たな素材として、その可能性に期待が高まっているのです。
なぜ微細藻類なのか?
化石資源の代替として、トウモロコシやサトウキビといった植物も候補に挙げられています。これらはすでにバイオ ケミカル分野で研究開発が進み、多方面で実用化されています。当社でも植物由来の原料を活用したバイオペイントを開発し、すでに製品化を果たしています。
藻類には植物にはない特長があります。光合成によってCO2削減に貢献できるだけでなく、砂漠や荒地のような農業には適さない環境でも培養が可能で、資源としての有効性が非常に高いのです。また、陸上植物と比べて圧倒的なバイオマス生産効率を誇り、少量の水で培養できるうえ、食糧資源と競合せず、非可食であることも大きな利点です。こうした特性から、持続可能な社会を支える重要な資源として期待されています。藻類は一般的に「微細藻類(Microalgae)」と「大型藻類(Macroalgae)」に分類されます。特に、「微細藻類」は高密度での培養が可能で、成長が早く、脂質を多く含むため、バイオ燃料としての利用価値が高いとされています。そのため、藻類の中でも「微細藻類」への期待が高まっています。
武蔵塗料グループのバイオペイントの軌跡
当社グループは、2011年に植物由来原料を活用したバイオペイントを開発し、当時、携帯電話市場で世界的に高シェアを誇っていた欧州の企業向けに提供しました。しかし、同社が対象事業を他社に売却したことにより需要が低下し、バイオペイントの開発は一時休止していました。
その後、サステナビリティ意識の高まりを受け、当社ではバイオペイントの開発にあらためて本格的に取り組んでいます。自動車内装や家電・電子機器といった高性能が求められる工業用塗料においても、当社のバイオペイントは従来品と同等以上の品質を確保し、持続可能性と機能性の両立を実現しています。また、木材用塗料にも展開しており、幅広い用途において、塗膜中の植物由来成分は約40%に達しています。さらに、植物由来成分を約70%まで高めることも可能であり、これは業界内でも非常に高い水準といえます。今後は、高い性能と意匠性を維持しながら、塗膜中の植物由来成分を100%にすることをめざし、開発を一層加速してまいります。
武蔵塗料の想い
当社グループは、「色と機能で世界を豊かに」というパーパスのもと、持続可能な経営を推進しています。バイオペイントのニーズは現時点ではまだ一部にとどまっていますが、グループ代表・福井裕美子は、「誰かがリスクを取ってやらなければ、変化は訪れない」という強い信念を持ち、当社は微細藻類由来原料を活用したバイオペイントの開発にも積極的に取り組んでいます。私たちの使命の一つは、環境配 慮商品を積極的に開発し、普及させることです。全社員がその役割を果たし、地球環境保護に貢献することで、持続可能な社会の実現に寄与していきます。
ちとせグループとの強力なパートナーシップ 〜 革新的バイオペイントの完成〜
微細藻類由来原料を活用したバイオペイントの開発は、ちとせグルー プとの強い連携なくして成し遂げられません。当社は、ちとせグルー プが主導するMATSURI PROJECTに初期から参画しており、2025年4月現在、MATSURIには約100の機関が参加し、藻類産業の創出に向けて協力しています。2025年初め、当社は、ちとせグループが開発した世界初*の微細藻類由来樹脂を活用したバイオペイントの開発に成功しました。*ちとせグループ調べ
微細藻類 / ちとせグループ / 武蔵塗料の挑戦
〜 2025 大阪・関西万博(日本館)への出展〜
2025年4月13日から10月13日まで開催される大阪・関西万博(日本館)において当社グループはMATSURIの一員として参画しています。微細藻類由来樹脂を活用したバイオペイントを用い、当社が手がけた展示作品をご紹介しております。ぜひ、私たちと仲間たちが力を結集して創り上げた革新的な取り組みをご覧ください。
微細藻類を活用したバイオペイントの今後の課題は、より優れた性能を実現し、当社の現行工業用塗料を完全に代替できるレベルにまで到達させることです。また、塗膜成分に占める微細藻類由来の原料比率を100%に引き上げることをめざしています。これまで植物由来原料を用いたバイオペイントの開発で培ってきた当社の配合技術は、これらの課題の解決に大きく貢献すると考えています。
そして、「微細藻類」「ちとせグループ」「武蔵塗料グループ」が広く認知されるような社会であれば、それは今よりも確実により良い社会であると確信しています。私たちは、多くの仲間とともにその実現に 向けて挑戦し続けます。
2025 大阪・関西万博(日本館)への出展 作品名:「PAINTOMO」PAINT(塗料/coating)TOMO(友/friend)「PAINT(塗料)」と「TOMO(友)」を組み合わせた造語。仲間とともに創り上げる未来の塗料を意味します。
特集2 WORLD CLEANUP DAY
「世界中で一斉に地球を清掃する日 」への参加
WORLD CLEANUP DAY とは?
WORLD CLEANUP DAYは、「世界中で一斉に地球を清掃する日」です。2023年の国連総会にて、毎年9月20日が国連の定める国際デーとして登録されました。2008年、エストニアの若者 9人が呼びかけた市民運動は、現在では合計191の国と地域から、2,300万人以上が参加するイベントとなりました。この活動は、ゴミ問題への意識を高め、環境保全と持続可能な未来のための行動を促進する重要な機会であり、環境保全活動に取り組む当社グループも、この活動の趣旨に賛同し、2024年にこのグローバルな環境対策アクションに初参加しました。
創業時から受け継がれる思い
創業者の思いは、「musashi color」(経営理念や社是、社訓などを掲載した冊子)に込められて、今もなお受け継がれています。その中では、地域社会に貢献することや環境に配慮することの大切さが語られています。
現在、当社グループでは、経営理念の浸透を目的とした全拠点横断のプロジェクト「NIJI project」を展開しており、日々、理念浸透のためにできることを考え、実行しています。今回の活動は国際デーとなっていることもあり、「全拠点で一丸となって取り組めるのではないか?」と考え、全拠点のNIJI Project のメンバーが立ち上がりました。
地域社会への貢献としてオフィスや工場周辺の清掃活動をしたり、現地で開催されたイベントに企業として参加して他企業と協力して清掃活動をしたり、さらに、塗料会社ならではの技術を生かし、横断歩道の標識の塗り替えやトンネル内の落書きを消したりと、その地域の状況に合わせて、「私たちにできることは何だろう?」と各拠点が考え、それぞれが活動に取り組みました。
グローバルネットワーク賞を受賞
その結果、NPO法人 WORLD CLEANUP DAY JAPAN様より、グローバルネットワーク賞(日本を越えて海外の方々も WORLD CLEANUP DAY に巻き込んだことを称える賞)をいただきました。それぞれの拠点での活動は小さな活動だったかもしれませんが、当社グループのネットワークを生かして、大きな活動にできたこと、そして私たちのチームワークを評価していただいたと感じ、大変光栄に思います。
一人ひとりができること、一拠点でできることは小さな活動かもしれません。しかし、その思いが周りに伝わり、仲間と一緒に取り組めば大きな活動になります。当社グループでは、これからも世界中の同じ意識を持つ仲間とともに課題解決に向けて取り組んでいきます。
武蔵塗料グループの経営理念とCSR設計
当社グループには創業者が「ありたい姿」を示した経営理念があり、全従業員はこの考えを大切に日々の業務に取り組んでいます。一方、企業は社会を構成する一員であり、当社グループもまた社会においてその責務を果たさなければなりません。当社グループのCSRは経営理念に基づき、企業として果たすべき責務に取り組んでいます。
経営理念
経営理念とは、創業者や経営者の思いを込めた、自社の企業活動の基盤となる方針です。また、経営理念は自社がめざす“ありたい姿 ”でもあります。それぞれ従事している業務内容が異なっても、すべての従業員が同じベクトルに向かって力を結集することで会社は成長していくものと確信しています。このため、当社グループは“ 理念経営 ”を推進しています。
■当社グループのCSR活動の設計図
当社グループは 2023年1月にCSR推進室を立ち上げ、CSRの取り組みを開始しました。それまでも環境や品質(化学物質管理を含む)、労働安全衛生、さらに地域社会貢献に取り組んでいましたが、これらは単独での取り組みであり、幅広いステークホルダーに対応した形ではありませんでした。
このため左下の図(上図)に示したように、“企業の社会的責任”の観点から公的機関が発信する「企業のあるべき姿」とお客様よりいただいたCSR調査票に記載の 「企業パートナーとしてのあるべき姿」 より、社会課題の解決に参画し、社会とwin-winの関係を構築する社会にポジティブインパクトを与える攻めのCSR活動 3 項目、および社会にネガティブインパクトを発生させない守りのCSR活動 7 項目を当社グループがCSR活動を進めていくうえでの重要な課題と決定して活動を行っています。
設定した活動項目とESG/SDGsとの関連は以下の表の通りです。なお、当社グループの“CSR方針”については、昨年発行しました「Musashi Paint Report 2024」のP.14(CSR活動への取り組み)に記載していますので、ご参照ください。
■当社のCSR活動項目とESGおよびSDGsとの関連付け
CSRの取り組みでめざす目標と手段
当社グループは、CSRの取り組みにおいて、以下の事項が活動の成否を左右する重要な要素であると認識しています。
・全従業員がCSR全体やそれぞれの活動項目に取り組む意義を理解している
・グループ全体で何に向かって活動に取り組むかの目標を明確にしている
そのため、各活動項目でめざす目標と手段を設定して取り組んでいます。
当社グループでは、CSRの取り組み成果がより効果的に、かつ大きな成果が得られるように、CSR活動項
目に対するグループ共通の目標を、P.14(当社のCSR活動項目とESGおよびSDGsとの関連付け)で掲げた攻めのCSR活動3項目、守りのCSR活動7項目に対してそれぞれ設定しています。ただし、設定しただけでは十分とはいえません。それぞれの目標に対してなぜそこに向かうのかを理解したうえで、各拠点の状況に合わせた手段を講じていくこともまた重要であると考えています。
頭で理解できていても具体的な事例がないと進めることが難しいため、2024年度は全拠点のベンチマークとなることをめざし、まずは日本拠点において目標達成に向けた手段を講じ、活動を進めました。同時に手段の進捗状況を測る指標や2024 年末の到達目標も合わせて設定し、定期的に進捗管理も実施しました。活動の内容や結果は右の表の通りです。当社グループは目標達成に向けた手段は一つだけとは考えていません。より目標に近づけるため、今後も鋭意検討を続け、引き続き目標達成に向けて活動を行っていきます。
2025年は当社グループに新しく発足したCSR推進委員会を活用し、日本拠点の結果を全拠点に展開して、拠点独自の目標達成に向けた手段設定と活動にも取り組んでいきます。
■当社グループのCSR
■CSR活動の目標(ゴール)と達成に向けた日本拠点の手段、年度到達目標および進捗状況
サステナビリティ推進に向けて
現代社会は、環境面や社会面で多くの課題を抱えており、2025年時点の終末時計は 「残り89秒」 と発表されています。社会が大きくサステナビリティに舵を切っていく中で、当社グループもまた現在のCSR活動の基盤の上に、サステナビリティを意識した経営に取り組んでいきます。
■当社グループの次のステップであるサステナビリティ構想
■ESGを切り口としたサステナビリティに関連する6つの資本と当社グループCSR重要課題との関係
当社グループは企業活動の社会への情報発信の変化を鑑み、CSRの次のステップとしてサステナビリティ推進に取り組んでいきたいと考えています。
私たちは、当社グループの“ ありたい姿” は経営理念の実現であると考えています。当社グループが掲げる経営理念自体にゴールはなく、理念に一歩でも近づけることが私たちの使命と思っています。このためにはサステナビリティ推進の取り組みが必要であり、価値を創造し続けることが重要です。
サステナビリティ推進の取り組みは ESG(環境・社会・ガバナンス)戦略が主体となりますが、同時にサステナビリティは「6 つの資本」の概念と密接に関係しています。これら6つの資本を統合的に管理・向上させ、ESG 戦略に組み込むことで、当社グループの長期的な価値創造や競争力向上につなげていきたいと考えています。そのため、今後は6 つの資本それぞれのありたい姿を設定し、現状とのギャップを分析して課題を明確にして取り組んでいきます。
一方、当社グループは、2023年1月よりCSRの取り組みを進めてきましたが、左図(上図)のようにこれらの活動はすでに6 つの資本と連携しています。したがって、全く新しいことに取り組むのではなく、現状のCSRの視点を変えて取り組むことで、より強固な経営の推進に努めていきます。
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