菅原真美『独白』
【序章】
「<見た目はほんわか秋田小町、でもハートは熱く煮えたぎるキリタンポ鍋! 秋田からやってきたマミタンこと菅原真美です>って、社員紹介記事の冒頭にどや?」という冗談半分のネタ振りにも「いいですね!」と、決して否定的なことは口にしない。どんなことでも、まずは一旦受け入れた上で、相手のことを第一に考えて判断する。以下は、そんな菅原真美の職業観に関する独り語りである。
【第1章】教師への憧れ
憧れの形っていろいろありますよね?
高校時代に大好きな先生がいたんです。社会科の男性の先生で。あ、でも、好きと言っても、LOVEやLIKEなんかじゃなくて。完全なるリスペスト。生徒をやる気にさせる教え方とか、わかりやすく工夫された授業とか、そういったことに感化されたんです。「人に何かを教える仕事ってすごいな」って。それが「教師」という仕事に憧れたきっかけでした。
憧れの先生と同じく、高校の社会科教師になるために、大学時代は教職課程を取って、4年生の春には教育実習にも行きました。でも、そこで教壇に立ってみて、私は初めて気づいたんです。生徒と向き合うことに喜びを見出せない自分に。
私はあくまで、教師という仕事を尊敬し、学校の先生という存在に憧れていたんです。自分が先生になりたいわけじゃなかった。それで急遽、4年生の6月から就職活動を始めました。どうせなら「学校の先生とかかわりのある仕事がしたい」と考え、頭に浮かんだのは教科書の出版会社や様々な教育系の教材を扱う会社など。それで他にも何かあるかなと探しているときに出会ったのがモノリスジャパンでした。学校に対して「広告」を売る仕事。学校の先生とのかかわりも深そうだと感じて、すごく興味を持ちました。
内定の連絡が届いたときは、学校の先生とかかわれる仕事ができることに喜びを感じました。これは楽しい社会人生活になりそうだとワクワクしていたんです。そのときは。
【第2章】理想と現実
明けない夜はないって言いますよね?
今でこそ「うちの広報を手伝ってください」と、学校の方からお声がけいただくこともありますが、私が入社した当時は、「まずはパンフレットのプレゼンに参加だけでもさせてください」という営業スタイルが中心。とにかく学校市場に入り込むきっかけを作ることに必死でした。4月に入社してから10月までに、3件程プレゼンに参加するチャンスがありましたが、なかなか結果には結びつかず。気がつくと、社会人生活がスタートして半年間は受注ゼロ。1円も稼ぐことができないまま過ぎていました。
もちろん営業トークも拙く、広告に関する知識も浅く、力不足なのは自分でも理解していました。それでもまったく会社の戦力になれていない自分が不甲斐なく、ただただ会社のみなさんに迷惑をかけているだけの自分の存在を悔しく思う日々。半年経ったのに一人前どころか半人前、いいえ、社会人にさえなれていないのかもしれない。このままで大丈夫だろうか。自信を失いつつありました。そんなとき、一筋の光が見えたのです。
▲コンペ受注の記念撮影
【第3章】営業に目覚めた瞬間
タイミングって大切ですよね?
私の初受注は、東京の郊外にある学校のパンフレットでした。しかもプレゼンを通すことのない随意契約。自分以上に社長をはじめ、会社の上司や先輩方がすごく喜んでくれて、半年間の苦労が吹き飛んだ思いでした。ちょっと偉そうに「これが営業の醍醐味か」なんてことを考えたりもしました。ふふ。
後日訪問したときに、仕事をいただけた理由を担当の先生にあらためてお聞きしました。まだ頼りない営業であることは自覚していたので、「一生懸命さが伝わった」とか、「新人らしい初々しさが良かった」とか、自分でもそういった答えを想定していました。でも返ってきた答えは予想外にシンプルで、「ああ、タイミングが良かっただけです笑」。
この答えだけを聞くと、拍子抜けしたように感じるかもしれませんね。でも実は、この一言で目から鱗というのか、私自身、すごく救われたんです。この半年間ずっと、売りたい、売りたいと会社のことや広告のことを必死で先方に説明してきたわけじゃないですか。でもそれって、要は自分本位だったんですよね。先方の立場や状況を十分に考えていなかった。いくら素敵な商品であっても、相手が必要じゃなければ売れるわけがありません。そう、タイミングなんです。営業とは、相手のことをしっかり知って、相手が求めているものを求めているタイミングで売ること。初歩的で当たり前のことかもしれませんが、身をもって学んだ瞬間でした。
その広報担当の方は、今は別の部署に移られましたが、時々お会いすると変わりなく気さくに話してくださいます。モノリスジャパンで無事に入社7年目を迎えられているのも、あの経験があったからかもしれません。私の“恩師”のひとりです。
【第4章】新しい挑戦
成長し続けるって必要ですよね?
営業として6年間働いて、自分なりにクライアントのお役に立てたと思える経験もさせていただけるようになりました。ただ、ここ数年はコロナ禍の影響もあり「デジタル」に関する悩み事をお聞きする機会が増えて、自分の知識だけでは解決できないもどかしさを感じていたんです。
そんな中、今年の4月からモノリスジャパンに新しい部署が生まれました。「デジタル推進室」といって、デジタル全盛の世の中に、デジタルという切り口でお客様の要望に応えたり、ご提案を届けたりすることを目指す部署です。実は私も志願して「デジ推」のメンバーの一員に加えてもらいました。
私自身どちらかと言えばアナログ思考の人間なので、これからDX化していきたいと困っている学校の先生の視点で、いろいろと一緒に悩めるんじゃないか。アナログな私だからこそお力になれる、提案できることがあるのではないかと思うんです。
とはいえ、まだまだ試行錯誤の毎日。私たちがまだ持ち合わせていない「DX化に関する知識」を備えた方にデジタル推進室の仲間に加わっていただけると心強いです。学校市場って「真のDX化」はこれからなので、まだ私たちも、学校も、もっと言えば世の中も気づいていない「DX化の道」があるのかもしれません。『鬼滅の刃』や『進撃の巨人』も紙だけではここまでブームが拡大しなかった作品だと思いますが、私たちがサポートさせていただく学校市場にも、ひとつの形に捉われなければ、強い拡散力のあるコンテンツがたくさん眠っているはずです。そんな新しいことに私たちと一緒にチャレンジしてくれる「デジタルのプロ」と出会えるのを楽しみにしています。
【終章】
「<見た目はほんわか秋田小町、でもハートは熱く煮えたぎるキリタンポ鍋! 秋田からやってきたマミタンこと菅原真美です>って、社員紹介記事の冒頭にどや?」なんて、いきなり米田さんに聞かれて困ったけど、ここで反論すると後で話がややこしくなるので「いいですね!」と返しておいた。秋田小町だ、キリタンポだって秋田のイメージが短絡的過ぎませんかね。どうせなら秋田美人も入れてくれればいいのに。あっ、でも「見た目はほんわかだけど、ハートは熱い」っていうのは、意外と当たっているのかもしれない。ふふ。
▲最近実家から届いた秋田の食材(キリタンポは入っていませんでした)