「案件を選べます」と書くSES企業は増えました。ただ、その中身まで書いてある求人はあまり見かけません。何件から選べるのか、何を基準に候補が決まるのか、選べなかったらどうなるのか。
ミラスタの案件選択制度は社内ルールとして文書化されています。今回はその中身を、ルールの記述に沿ってお話しします。
何を見せているか
営業がエンジニアに提示するのは、次の3つです。
ひとつ、提案対象の案件を全件共有すること。可能な範囲で単価と条件も含めます。「良さそうなものだけ見せる」ということをしません。
ふたつ、その中で確度の高い複数案件を明示すること。全件を出されても、どれが現実的なのかが分からなければ選べません。
みっつ、常時複数件から選べる状態にすること。目安は数件から十数件です。
どう評価しているか
案件は4つの軸で評価されます。
・収益性:単価、利益率、契約期間
・成長性:新しい技術に触れられるか、上流工程にどこまで関われるか
・安定性:プロジェクトの継続性、クライアントの信頼性
・働きやすさ:勤務地とリモート可否、残業時間
それぞれに重みを決めて点数をつけ、合計が基準を超えたものを優先候補にしています。
ここで大事なのは、単価の高さだけでは優先候補にならないということです。成長性が同じくらい重く見られているので、単価が高くても学べるものが少ない案件は上がってきません。逆に、合計点が基準に届かなくても、成長性が極めて高い案件は本人のキャリア方針次第で候補にすることがあります。
誰が何を決めるか
役割は分かれています。
営業は、案件情報を整理してスコアリングのたたき台を作り、候補を提示して相談に乗ります。エンジニア本人は、自分のキャリア志向と希望条件を整理して伝え、候補の中から希望を選びます。事業部長とマネージャーは、事業全体のバランスを見て、必要に応じて最終判断をします。
起点は本人の意思です。ただし「本人が選べば必ずその通りになる」とは書いていません。そこは正直に書いておきます。
選べないときのこと
制度を作っても、そのタイミングに希望の領域の案件があるとは限りません。市場に出ている案件は、こちらの都合では決まらないからです。
その場合は、なぜ今この案件なのか、それが本人のキャリアにどうつながるのかを説明したうえで入ってもらいます。つながらないなら「つながらない」と言い、どのくらいの期間で次を探すかを区切ります。
聞いておいて通さないのは、最初から聞かないより悪い。選べる制度を成立させているのは、希望を聞くことよりも、通らなかったときに説明することのほうだと考えています。
基準は見直します
スコアリングの基準は、事業環境や案件構成に応じて年1回を目安に見直すことにしています。軸の重みづけも、固定ではありません。
制度は作って終わりではなく、動かしながら直すものだと思っています。
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