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人生の最後の時間、印象に残る薬剤師。在宅訪問を行う中川先生の仕事の流儀とは?

株式会社メディカルリンクは日常の調剤投薬業務・在宅活動と並行してさまざまなヘルスケア事業に取り組んでいます。地域に密着した薬局の強みを活かし、ICT技術を背景にした新しいサービスを展開している会社です。

今回はメディカルリンクで在宅の先生といえばこの方!中川歩先生にインタビューを行いました。

教員になりたかった学生時代

それでは、自己紹介をお願いいたします!

はい!中川歩です。高校を卒業後、神戸薬科大学に進学し、その後薬剤師になりました。最初の3年間は総合病院前でバリバリ働いて、その後も何社か経験しました。子供ができたことをきっかけに小さな薬局に転職し、三重に帰ってきました。その後、メディカルリンクへ入社したという経緯です。現在はメディカルリンクで6~7年働いています。

高校生の時は、自分が薬剤師になるとは思ってもいませんでした。数学や物理といった理系科目が得意だったので、高校三年生の夏までは高校の先生になるつもりだったんです。それが、三者面談の際に、「薬学部入ったら?」と母から薦められて(笑)薬学部に入ることになりました。

卒業して働き始めた店舗は、処方箋が一日に500枚も600枚も来るようなところでした。だから、一日一日を乗り越えるのが精いっぱいで……でも、勉強よりずっと楽しかったですね。特に患者さんやドクターの方々とお話しするのが楽しくて、人と接することが好きな自分に気が付きました。
先輩方にも恵まれました。困ったことがあって、なかなか言い出せなかったときにも「どうしたん?」って聞いてもらえるし、厳しく注意してくださることもありました。私の良さを伸ばしてくれる先輩方でしたね。だから、自分が先輩になってからも、「どうしたの?」「大丈夫?」という風に声をかけたり、注意した後にフォローしたりということを心がけています。


今に生かされているんですね!在宅は最初から志望されていたのですか?

いえ、実はそうではありませんでした。子供が小さいということもあり、在宅には自分の時間を削る場面が多い印象があったので……(笑)

きっかけは、営業部長から、在宅の補佐をやってくれないかと声をかけられたことでした。補佐ならいいかな、とおもって受けたのですが、いつの間にかメイン業務になっていましたね。


そうだったんですね!現在はどのようなお仕事をされているんですか?

現在のお仕事は、メインは末期がんなどで平均余命が1か月くらいの方のおうちの訪問やメンタルケアです。ほかに、介護施設に出向いておじいちゃんおばあちゃん、介護士の方と会話をして、お薬について共有したり……。いろいろな職種の方と連携しながら仕事をしています。



コミュニケーションをとり、深く関わっていく仕事

今、在宅医療というものが注目を受けていると思うのですが、それはなぜだと思われますか?

タイムリーな理由として、新型コロナウイルスの影響も大きいと思います。病院で過ごしていると、家族が訪問できないので、最後の時間を家族と過ごすという意味でお家に帰ってこられる方が多いですね。

家に帰って家の空気を吸うこと、家族と同じ空気を吸って楽しく過ごすことが一番のお薬になることもありますね。気持ちが上がって、状態が良くなるというケースも見てきました。救急車の中で、いつ亡くなってもおかしくないかも……という状態だった方が、在宅に戻られた後1年半生きられた例もあります。


それは本当にうれしいですね!在宅のやりがいは、ほかにはどういった時に感じますか?

ご家族と患者さんの最後の大事な時間に、少しでもかかわれるというところがうれしいですね。
外来の薬剤師に比べて、患者様お一人お一人に深く入り込んでいく場面が多いです。

例えばコミュニケーションをとるときも、お薬の話だけではなくて、雑談から信頼関係を築いていきます。お家に上がらせていただいたときに目に入ったもの、釣り道具やお孫さんの写真などから話を広げていくんです。場を和ませながら、何でも話せる関係性を作っていきます。
生活の話をして、テレビの話をしているうちに、「最近寝れんのよ」とか、「ご飯がおいしくなくて」「調子が悪い時があって……」という風に、体の調子について話してくださることもあります。


たわいもない話から、体の大事なサインについてのお話になることもあるんですね。

そうですね。あとは、ご家族の方のフォローも行います。とっても頑張って介護していらっしゃる方々なので、できるだけ安心していただけるように、「一緒に頑張りましょう」という声掛けをしています。

いつのまにか、お友達みたいな感じで仲良くなることもありますね。何でも相談できる何でも屋みたいな……(笑)とても信頼されている証拠なので、ありがたいなと思います。


患者さんの生活に深く入り込んでいくというところで、自分の時間を削る場面も多いと思うのですが、どういったところにモチベーションを持っておられるのでしょうか?

私は祖母をがんで亡くしたんです。緩和ケア病棟で、薬もたくさん飲んで苦しそうで……。看取れなかったので、その後悔もあるんです。だから、家族の方にあれもやってあげたらよかった、これもやってあげたらよかった……という後悔をしてほしくないと思っています。自分が走ることでその後悔をなくせるのであれば、走りたいですね。


なるほど……!並々ならぬ思いを持っておられるんですね。


メディカルリンクの働き方

たくさんの患者さんを担当されてきたと思うのですが、忘れられないエピソードはありますか?

一番最初に担当させていただいた在宅の患者さんは忘れられない方の一人です。一人暮らしの男性高齢者で、週に一度の私の訪問をとても楽しみにしてくださっていたんです。コーヒーを豆からひいて、ホームベーカリーでパンを焼いてくださって。その方が、一週間も生きられないかもといわれていたのに、一年半を過ごされた方なのですが(笑)

でも、最後のほうはやっぱり弱っていってしまって……。ご飯も食べられなくなって。
その時にはもう毎日出勤前に訪問していたのですが、ある夜にケアマネージャーさんがお薬のサポートをした後、次の朝にはもう亡くなっていて……。ケアマネージャーさんとヘルパーさんと大泣きしました。

独居で在宅で最期を迎えるというと、寂しいイメージがあると思います。でも、そうではなくてたくさんコミュニケーションをとらせていただいたので、その方の最後の記憶に残れてよかったと思います。


その方の人生の最後に花を添えられるお仕事というのは、素敵ですよね。

ほかに、赤飯がとても好きな患者さんがおられて、食欲が落ちてきているときに、赤飯を食べさせてあげたいねという話になって。どうしたら柔らかくておいしい赤飯が作れるか、レシピを作ったりしていました。とても楽しかったですね(笑)


楽しそう!絶対喜んでいただけますよね。メディカルリンクさんは、そうやってお仕事を楽しんでおられる方が多い印象なのですが、いかがですか?

そうですね!メディカルリンクは変わった会社だと思います(笑)人が思いつかないことをやり始めたりとか。冒険心があって、やってみようかな~と思ったことをちょっというと、やりなよ!という感じで背中を押してくれる会社です。


それでは最後に、メッセージをお願いします!

仕事を楽しむことにおいて、あんなことをやってみたい、こんなことをやってみたいというアイデアをずっと大事にしてほしいと思います。そして、疑問や好奇心を持つことを大事にしてほしいなと思います。

たくさんアイデアが出る方、在宅患者さんや働くスタッフを巻き込んで楽しい雰囲気を作っていきたい方、ぜひ一緒に働きたいと思います!

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