~マーケティング・広告とは~
マーケティングとは
マーケティングの仕事をしていたので、マーケティングや広告とは何かについて考える機会は多くありました。
そんな中、今自分が思うマーケティングとは何か、それはやはり商売だなということですね。
マーケティングの中でもコミュニケーション寄りの話をする機会が多いんですが、
基本的にマーケティングは商売だと思っているので、そんなに小難しい話じゃないと思うんです。
極端に言うとみんなやらなきゃいけないことだし、みんなできることだなと思っています。
でもそれだけ幅の広い話なので、マーケティングの中でも特にデジタルの強い人もいれば、テレビCMを作るのがうまい人もいたり、専門性のある人はかなり多くいます。それぐらい幅の広い領域なんだなっていうのは痛感しています。
マーケティング・広告がうまくできると物が売れ、会社としての事業の目的が達成されるので、ここに向き合わない会社は基本的にありません。
色々難しい話や専門的な話はたくさんありますが、結局のところ一番最初に話した世界のCMフェスティバルでどうしたら商品の良さが伝わるのかにまっすぐ向き合ってるのがいいって言ってた頃の感覚と変わらないなと思います。
目の前にいる人に対して対話をして、その人に対して伝えたいことがちゃんと伝えられたら大体うまくいくのが本当のマーケティングの本質だなと思っています。
形を変えても画面を変えても、まっすぐ向き合うことを意識し続けるっている事が大事だなと思います。
広告は作品なのか
広告っていうのは、マーケティングの中の手段でしかないんですけど、電通やその他の広告会社を受ける方がもしいれば、
「広告って作品だと思います?」って意地悪な質問をされることがあるかもしれません。
実は、広告は作品といえる部分もあるんです。
もちろん、本質的には作品ではなく、伝えたいメッセージを伝えるための手段であり、それより優先されることはありません。
高尚な話をする必要もなければ、別にきれいな映像じゃなくてもいいわけです。
スライドで作ったような映像であっても伝えたいメッセージが伝われば目的が果たされるので、芸術性などは二の次になります。
でも、多くの人の目に触れ、多くの人が自由に意見を投げるもの、そういう意味では
広告にも、作品的な部分が求められるとも言えます。
いろんな人が自由に意見を言えるということは、制作の過程において多面的な見方が必要になります。この点も広告の難しくも面白い部分です。
~スタートアップと大企業~
「スタートアップと大企業の違い」この部分は、ミツモアという会社に入ってスタートアップの会社に所属させていただいているので、結構意識します。私が感じている部分でいうと、スタートアップは志を持った人の集まりである確率がきわめて高いです。
社会的には、スタートアップってやりたいことやって、若い会社というイメージだと思いますが、大きく社会の構造を見た時に、スタートアップがどんな役割を求められるかというと、具体的に社会にある問題を解決することなんです。
大企業って、どうしても変化が難しいし、何か特別なところにフォーカスする時にそんなに自分たちの労力をかけられないことが多いのが現実です。
スタートアップという、身軽で、志を持ってまっすぐ向っていける人たちっていうのは、
そういう社会的な課題にむきあって解決していくことが、社会的に求められると思います。
会社規模も小さいし、大企業よりも資金がないという制約もあったりはしますが、
志を持った人たちの中で、色々と感じられる部分がある場所や会社なのかなとも思います。
~就職活動/卒業後に大事なこと~
OB/OG訪問とか受けてて、いつも言ってることって結構一緒だったりするんです。
就職活動のまっただ中に入ってくると、受けている会社に合わせにいこうとしてしまうことがよくあります。
でもそれは本当によくないなと思っていて、
内定をとることも大事は大事ですけど、一番は自分の感じることに嘘をつかないこと。そこはほんとにぶらさないで就活をしていってもらいたいです。行きたいと思って受けたけど、なんかちょっと違うなと思ったら、その感覚を大事にしてもらいたいんです。
その納得感の積み上げっていうのがあると、継続して自分が頑張れるし、自分の決断に自身をもって次に向えるし、極端な話内定が一個もなかったとしても自分が感じた思った通りの行動の結果だから、それでいいって思えて次に迎えるってことがあります。そういうことが一番大事じゃないかなと思っています。
言葉にすると簡単ですけど、納得するためにはある程度努力は必要になります。
自分の納得する職場を探すためには、色々な人に会ってみるのはやっぱりオススメです。大学生だから会ってくれるのは本当に事実なので、大学生という立場は、是非活用していただきたいなと思っています。
また、今後も判断は続くことは、ある意味で覚悟してほしいです。
大学に入ったら終わりじゃないのと一緒で、社会に入ってどこかに就職したら終わりということは全くありません。
転職しなかったとしても、その会社の中での判断はずっと続いていきますし、
自分の人生にとって何がいいのかという判断はずっと続いていくので、ずっと決断し続けるんだっていうところは、ある意味で覚悟をもっていただく方がいいのかなと思っています。
日々の決断を納得してできるようになるために、常日頃意識していただきたいなと私が思っていることが、自分の言葉でしゃべることです。これがほんとに一番。
そのためには、実際に経験してみて、実際に気を付けたりとか、自分が何が面白いんだろうとか、何がいいんだろうと思う感性をちゃんと明確にする必要があります。
人から借りた言葉や、なんかみんなが言ってるからとかではなくて、自分が感じたことをどれだけたくさん言えるかが、実際に大事になってくると思います。
それをいっぱい積み重ねていくと、いい大学生活だったなって思えるんじゃないかなって思っています。
~Q&A~
Q1.一番やりがいを感じられた仕事の内容を可能な範囲で教えていただけますか?
A.結構ずっとやりがいを感じてはいました。やりがいをどう言い換えるかによって答えも変わりますが、「これ俺がやんないといけないな」と思えていたことが、ずっと走ってこれた理由です。
こう思えるかどうかがやりがいを感じるかどうかにおいては一番大きな要素になります。
仕事の規模の大小とか、世の中に対する目立ち方とかよりも、この仕事をできるのが自分だけだとか、この仕事をすると世の中にどんな影響がでるのか等の部分を肌で感じられるとやりがいが強くなるんです。
先程お話しした仕事の例の中でいうと、そういう意味で私が一番やりがいを感じられたのが、スマートフォンのお仕事です。
当時のスマートフォンの仕事は、あまり世の中的にフューチャーされるような仕事ではありませんでした。
依頼を受けた台湾の会社は、日本では知られてないけどすごいいい商品を持っている会社でした。
会って初めてお話しさせていただいたとき、当時技術力は世界1位と業界では言われてたくらいなので、実際すごくいい商品だと感じました。
でも、当たり前に日本の人たちには馴染みのいい会社の商品が他にたくさんあります。
その中でも、この商品の良さを手に取って感じてもらって、何か皆さんの生活がちょっと良くなるみたいなことが果たせたら、それはすごいことなんじゃないのかなって思ったんです。
最終的に日本に根付くってとこまでは行かなかったんですけど、多少なりとも日本の人たちに商品を手に取って良さを感じてもらうという部分では、実際に実現できたので、すごくやりがいを感じられたのかなという風には思ってます。
この部分は電通という会社にいても感じ方は人それぞれで、有名な芸能人と一緒に仕事できたから楽しかった、みたいな人もいますし、
別にそれは否定するものじゃなくて、日とぞれぞれのやりがいで、それで仕事がちゃんとできてたらいいと思います。
私にとっては、自分にしか出来ない仕事であることや、仕事におけるインパクトが自分の心に響くポイントだったなって思っています。
Q2.「社会的インパクト」をキーワードとして重要視して選択されてきたんだなと感じました。今まで、ビジネスマンにしろスポーツ選手にしろ社会的インパクトを残してきた方たちはたくさんいると思います。
そのたくさんの方たちに何か共通していることといいますか、底で通じ合っていることが何かあるのかなというのを、「社会的インパクト」を重要視されてきた高井さんの視点からお聞かせいただきたいです。
A.いろんな社会的インパクトの出し方があって、特異性があるので、答えはこれ一つではないです。ただし一つこれはそうだなと思うのは、自分の言葉で、なおかつ自分の言葉のオリジナリティがある人っていうのはやっぱり社会的インパクトを残せるような人だということです。
さっき私、自分の言葉でしゃべるのが、大切なので学生ながらにも意識してほしいって話をさせていただいたんですけどその理由はここにもあります。
自分の言葉にオリジナリティがあるって、ユニークだとか変なことを言うとかではなくて、迫力をもって仕事をしてきたり、何かに向き合ってきたりした人だからつむげる言葉みたいのが多分あってそういう意味でのオリジナリティがあると思っています。
それが長い良い文章を言ってるとかではなくて、一言同じことを言っててもその人が言うと重みが違う、みたいなことに現れたりするかもしれません。
自分の言葉のパワーとオリジナリティがある人っていうのは、やっぱり大成するというか、逆かな、大成してる人だからそういう言葉が出るのかもしれないですけど、そこが共通点かなと思ってます。
余談ですけど、スポーツの仕事をしていたので、仕事柄いろんな有名な人にお会いする機会がありました。
その中で一番オーラを感じて足が震えそうになったのは、サッカーのジダンさんです。本当に何か取ってあげて、「ありがとう」って言われただけなんですけど、めちゃくちゃかっこよく聞こえて、ずるいと思いましたね。
俺も「それやりたい」ってなりました。
~最後に~
大学生活に新型コロナウイルスの感染拡大の時期が重なるということは、面白くない部分やしんどい部分もたくさんあると思います。でも、今日みたいに周りの人たちから色々な話を聞ける環境にいるというのは、すごくうらやましいなと思う部分でもあります。
その時期に合わせた特性を活かして、振り返った時に満足できる学生生活を送っていただきたいなと思いますし、応援しています!
講演会の内容は以上になります。
参加してくださった慶應義塾大学の学生の皆さま、
こちらで載せきれないほどたくさんご質問をいただき、本当にありがとうございました。
ご参加いただいた皆さま、そして素敵な機会をくださった慶應マーケティング研究会関係者の方々に
この場を借りてお礼を申し上げます。
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