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ITも製造もデジタル化全盛の今、昔ながらのアナログな染め方に投資する理由

こんにちは、採用担当 兼 工場責任者の前田健太郎です。

ITも製造もデジタル化の動きがどんどん進んでいる世の中ですが、前田染工は今年の6月、昔ながらのアナログな染め方に投資をします。

(もちろん前田染工でもGoogle WorkspaceやNotionなどのITツールや、布をプリントする最新のインクジェットプリンターを導入しており、デジタルへの投資は年々増えてきています)

京友禅京小紋生産量調査報告書によると、京友禅の令和5年(2023年)の総生産量は245,081反とのことで、ピークの昭和46年(1971年)の16,524,684反と比べると1.48%に落ち込んでいます。

京都だけでなく横浜や大阪など他の染めの産地でも同じようなことが起きており、付き合いのあった染工場が廃業したので代わりに染めてくれないか?という話が最近よく来ます。

元々の大きな要因はアパレルなど他の産業と同じく製造の海外シフトです。
一度海外シフトしてしまった産業は国内の職人の技術を次の世代に伝えることが出来ず、基本的には崩壊へ向かいます。

直近150円を超える円安で海外製品が高くなったので国内で製造を考えたいという方や、日本製をアピールする商品を作りたいという方も増えてきていますが、国内工場が少なくなっているのでなかなか良い生産拠点が見つからないようです。

そんな中、手捺染(ハンドスクリーンプリント)で使う捺染台を数千万円程度かけて更新するのは時代に逆行するようなことかもしれませんが、品質の維持・向上、そして伝統を後世に伝えるという意味でも設備の更新は必須と考えました。

幸い当社は30~40代の若い人材が染めの仕事に従事しており、他の染工場でよくみられる経営者・職人の高齢化による廃業にはなりません。

前田染工は和雑貨メーカーとして企画・デザイン提案を行う業態にシフトしたことで、結果的に染工場を今まで維持することが出来ています。

工場からメーカーにシフトしたとはいえ、特に手捺染は当社の重要なアイデンティティであり、捺染台を入れ替えることは今後また数十年間手捺染の仕事をやるよ!という覚悟の表れです。

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