【M3DC動画制作プロデューサーインタビュー】「なぜ、あえて医療なのか」医療に特化するからこそ感じる意義とやりがい。
「一本の動画の先に、誰かの健やかな毎日がある。」
医療に特化した動画制作を通して、人々の健康を支える。そんな確かな手応えのある仕事に挑んでいるのが、M3DCの動画ユニットです。
「医療動画」と聞くと少し堅いイメージがあるかもしれませんが、実はそこはクリエイティビティの見せ所。決められた制約の中で、いかに正しく、そして面白く伝えるか。そんな「正解のない問い」を楽しみながら、プロジェクトを形にしていくのがプロデューサーの役割です。
今回は、2025年5月に入社したH.A.さんにインタビュー。多様なキャリアを経て、なぜ「医療」という専門領域を選んだのか。その理由と、この仕事ならではの醍醐味に迫ります。
【プロフィール】
H.Aさん
制作会社でのプロダクションマネージャー(PM)を経て、2025年5月にM3DCへ入社。テレビ局のプロモーションから商業施設のデジタルコンテンツまで、幅広い制作を経験。現在は「動画ユニット」のプロデューサーとして、医療業界に特化したソリューション提案から制作進行までを牽引している。
「ものづくり」の原点は小学生時代から。多様な制作経験を経て、医療分野へ
原点は「疑似番組づくり」。小学生時代から培われた「ものづくり」への興味
ーそもそも、H.Aさんが動画制作に興味を持ったきっかけは何でしたか?
もともと小学生の頃からものづくりに興味があり、1人で好きなラジオ番組やテレビ番組を参考に疑似番組を作って遊んでいました。
ー小学生でラジオ番組の疑似番組づくり、まさにクリエイティブの原点ですね!これまでのキャリアでは、どのような映像に関わってこられたのですか?
大学時代に映画や映像制作の奥深さに強く惹かれ、この世界へ足を踏み入れました。キャリアを歩む中では、制作会社にてBS放送局のオンエアプロモーション映像を週に10本以上担当したり、ドラマのメイキングや出演者インタビューの撮影に携わったり、実践を通じて映像制作の基礎を一つひとつ積み上げてきました。
その後は企業VPや商業施設におけるデジタルサイネージのコンテンツなど、多岐にわたるコンテンツ制作を経験しています。PM(プロダクションマネージャー)として予算や品質を管理するだけでなく、アシスタントプロデューサーとして、デジタルコンテンツを組み合わせた企画提案やプレゼンにも深く関わってきました。
「制約」が挑戦を生む。人の行動を変え、健やかな人生を守るダイレクトな社会貢献
ー多種多様な業界を経験した中で、あえて「医療」という専門領域を選ばれたのはなぜでしょうか?
初めて医師のインタビュー動画を担当したとき、医療業界特有の「プロモーションコード(表現のルール)」に触れました。ルールが非常に厳格で、一見すると自由度が低いように見えますが、「制約がある中で、どれだけユニークでオリジナリティのある作品を作るか」を考えるのが、すごく面白いと感じたんです。
ー決められた枠組みの中で、表現の質をどこまで研ぎ澄ませられるか。その挑戦こそが、奥深さなのですね。
そうなんです。それに、医療動画には明確な「目的」があります。視聴者(医師や患者さん)は、何かを知りたいという強い目的意識を持って動画を見ます。
私たちが作る動画によって、医師の治療方針が変わるかもしれない。患者さんが生活習慣を見直すきっかけになるかもしれない。「誰かの行動を変え、健やかな人生を守る」というダイレクトな社会貢献性に、制作側の人間として大きな価値を感じました。
だからこそ、動画制作に特化して、より深く医療領域に専念したいと思い、2025年にM3DCに入社しました。1次面接でお会いしたグループリーダーの伊東さん・ディレクターの安江さんの医療系動画制作に対する思いに強く共感し、M3DCであれば同じ想いを持った人とはたらけると感じ、入社を決めました。
提案から納品まで一気通貫。M3DC動画制作プロデューサーの仕事
「営業のパートナー」として。具体的な提案段階から納品まで、一気通貫で対応
ーあらためて、現在の業務内容について詳しく教えていただけますか。
制作については、どこから受注するかによって関わる人や提案の仕方が変わってきます。
製薬企業様から直接制作業務を受注する場合は、クライアント企業がどのような事業課題やマーケティング課題を感じられているのか、まず営業ユニットが深くヒアリングしてとりまとめ、動画ユニットに相談してくれます。
その課題を解決するために、動画で何ができるのかを見極め提案し、見積もりを作成、必要があれば営業担当と一緒に商談にも参加します。受注後はスタッフのアサインからスケジュール管理まで、プロジェクト全体をマネジメントします。
ー制作の過程では、どのような点にこだわっていますか?
制作過程では中間の制作物が随時上がってきます。M3DCには、メディカルライターという専門職の方がいて、制作物がプロモーションコードを守ったものになっているか、といった点について、細かく確認をしてくれます。一方、内容やデザイン、トンマナがクライアント要望とあっているかという点は、プロデューサーとして細かく確認をするようにしていますね。
あとは、エムスリーグループ企業と協業して制作物を納品することも多いです。その場合は、どんなコンテンツをつくるのか、ブレストから入ったり、デザイン提案から入ったり、どのフェーズからM3DCが入るかはケースによって異なります。
ーコンテンツ制作に関して、具体的な提案段階から納品まで、一気通貫で対応されているんですね!デザイン提案って、センスが問われて難しい印象があるのですが、どのようにセンスを磨かれているのでしょうか。
正直、センスを問われる部分は難しいです。だからこそ、とにかく世の中のあらゆる映像や広告をリファレンスとして見るようにしています。日頃から引き出しを増やしていくことで、ロジカルにデザインを提案する努力をしていますね。
ーセンスが問われる部分も、毎日の積み重ねの結晶なんですね。
多様な関係者との連携。「正しく伝える努力」を積み重ねる
ー1つの案件では、どれくらいの方と関わるのでしょうか。
案件によって数名から十数名まで規模は異なります。チーム編成も案件ごとに最適化されます。私のようなプロデューサーをはじめ、案件の性質に応じて、演出や撮影を統括するディレクター、コンテに沿って映像編集やアニメーションを手がけるエディター、デザイナー、メディカルライター、校正者など、各分野の専門家が柔軟に連携する体制をとっています。 また、グループ会社との協業の場合は、先方のプロデューサーとも協力してプロジェクトを進めていきます。
ー関係者が多いと、コミュニケーションの難しさもありそうですね。工夫されている点はありますか?
私は、「コミュニケーションの頻度と速度」を一番に意識しています。 まだ入社して半年ということもあり、「細かすぎる」と思われるくらい頻繁に確認をとるようにしていますね。リモート勤務だからこそ、自分のレスポンスが止まると全体の遅延に直結してしまいます。とにかく「即レス」も意識を徹底しています。
ー正しく伝えるために、言葉以外で工夫されていることは何かありますか?
作品のトーンなどについて話をするときには、資料などのビジュアルを用意するように心がけています。頭で想像していることがすべて言葉で伝えられるわけではないので、使えるものはすべて使って「正しく伝える努力」は忘れないようにしています。
ー普段のコミュニケーションでも、「正しく伝える努力」を積み重ねることで、正しく伝わる動画が作られていくのですね!
「医療業界だからこそ」制作において気を付けられている点などはありますか。
動画に出演される医師の方は、通常の診療を終えた後の時間に撮影に参加されることになるので、スムーズにストレスなく進行できるように事前準備を徹底しています。クライアントが同席してくださることも多いので、クライアントや医師の方がご覧になる資料に不備がないか、など、案件に関わる複数メンバーと一緒にチェックをしあって、準備万端な状態で収録に臨むようにしています。
ー撮影の成功は、準備が9割なんですね。
柔軟な働き方とチームで課題解決に向かう組織文化
自らの努力で、働き方をプランニングすることが可能な環境
ー先ほどリモート勤務のお話も出ましたが、普段はどのようなスタイルで働いていますか?
自身の体調やライフスタイルに合わせて柔軟に働いています。基本は在宅でのデスクワークがメインで、Slackやメールをフル活用しています。
撮影がない日は、10時ごろ始業して、案件の進行管理や予算管理、スケジュール作成、一緒に動いてくださるディレクターやエディターの方との連携、動画のチェック、社内プロジェクトの推進などをしています。
出張や撮影がある日には、大体前日の内に撮影現場に必要な原稿や資料の印刷等の準備をして、進行スケジュールを確認して当日に備えます。
ー出張先は固定されず、いろいろなところにいかれるのですか。
そうですね。撮影は先生がいらっしゃる病院の近くで行うことが多いので、全国各地へ出張します。私は2ヶ月に1回程度ですが、多い人だと月2回ほど遠方へ行くケースもあります。撮影後は、出張先で現地の美味しいものを食べたりしています。こういったことも楽しみの一つになっています。
ー出張ならではの魅力ですね!オフィスへの出社頻度はどのくらいですか。
ユニット全体では、週1回程度の人が多い印象です。裁量労働制なので、時間の調整もしやすいですね。実際、お子さんがいるプロデューサーは、夕方に一度家庭の対応で中抜けし、夜に業務に戻るなど対応されています。もちろん納期や品質への責任は大きいですが、そこさえ守れば、自由度の高い環境です。
ー納期が重なるときは忙しそうですが、一定制約はありつつ、自分自身で働き方をプランニングすることが可能な環境ということですね!
「仕組みから変える」。コミュニケーションがとりやすい、穏やかでフェアなユニットの雰囲気
ー動画ユニットの雰囲気はいかがですか。
動画ユニットは、一人ひとりの個性が活きていて、かつ非常に穏やかです。先輩方もフェアに接してくださるので、「年上だから言いづらい」といった壁は一切ありません。
ー「フェアネス」は、M3DCが、一番大切にしているバリューですよね。ユニット内のコミュニケーションは具体的にどのようにとられているのでしょうか。
毎朝10時の定例会で、メンバー全員の稼働状況を確認し、フォローし合える体制を整えています。また、定例MTGでは成功事例だけでなく「改善点」も共有します。
課題が出たときは、「次は気をつけよう」という個人の意識に委ねるのではなく、「仕組みから変えて、チーム全体で解決しよう」と考えるユニットです。
また、前職での経験はありつつ、「M3DCでは」どう提案を進めていくとよいのか、など、はじめはわからないことも多かったです。そういう時は、Slackで質問すれば、すぐに3人以上の方が具体的な資料やアドバイスをくれました。このフォロースピードの速さに大変助けられました。
プロデューサーは一般的に個人個人の作業になりがちなのですが、M3DCでは孤独感を持ったことがなく、それはユニットの雰囲気のおかげだと思います。
ーリモート環境でも毎日の朝会など、お互いの接点を増やしてコミュニケーションをとりやすい雰囲気を作られているのですね。
プロフェッショナルとしての成長環境
独り立ちのスピードと、任される範囲の広さ。営業視点も身につく成長環境
ー入社して半年、率直な感想を教えてください。
任せてもらえる範囲が広いし、任されるスピードが速いと感じました。M3DCでは、プロデューサーが見積作成、受注後はデザイン提案、スタッフのアサイン、スケジュール作成を行い、アシスタントプロデューサーと連携しながら進行管理・納品まで一気通貫で担当します。
ーできることの幅が、ぐっと広がりそうですね。
はい。独り立ちのタイミングも早くて驚きました(笑)。もちろん丸投げではなく、迷ったときは必ず誰かが答えてくれる環境です。また、営業担当と一緒に商談に参加し、見積もりの妥当性をロジカルに説明する機会もあります。「営業と共に案件を取りに行く」という感覚や、伝え方のナレッジが貯まっていく過程は、プロデューサーとしての面白さをさらに深めてくれています。
制約の中で「最適解」を導き出す。M3DC動画制作プロデューサーの醍醐味
ープロデューサーをやっていく中で、一番喜びを感じる瞬間はどういったときですか。
やはり、無事に納品できた瞬間です。その動画が、医師の先生や患者さんの「気づき」になり、治療方針や生活習慣が変わるきっかけになる。そう想像すると、自分の仕事の意義を強く感じます。
ー「自分の作りたいものを作るアーティスト」ではなく、クライアントの要望と業界ルールを深く理解し、情報を正しく、伝わりやすく設計する。発想力と同じくらい「論理性」が求められる仕事ですね。最後に、どのような方がM3DCのプロデューサーにフィットすると思われますか?
まず、医療動画の制作に対して意義を感じ、M3DCのミッションに共感できる方です。正直なところ、この根底の部分に共感がないと、この仕事で前に進み続けるのは難しいかもしれません。
動画制作という仕事は、世の中に溢れています。その中で、「なぜ、あえて医療なのか」「自分はここにどんな意義を感じ、何を成し遂げたいのか」。そんな強い意志を持っている方と一緒に働きたいです。
ー「なぜ医療なのか」という問いへの答えが、原動力になるのですね。
はい。それに加えて、「こうすればもっと良くなる」といった自発的な問題提起ができ、自分の意見を発信して改善に向けて動ける方であれば、M3DCには必ず活躍できる場があると思います!
ー医療動画は人の命や健康に直結する、非常に重要な情報を取り扱うもの。だからこそ、作る側にも、相応の「覚悟」が必要なのだと強く感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました!