池奥裕太 24年度 新卒 ソフトウェアエンジニア
デジスマチームで活躍中の新卒2年目のエンジニア。京大大学院卒。学生時代には技育展やJPHACKSなど20以上のハッカソンでの入賞経験がある。未踏IT採択、TSKaigiの運営メンバーを務めるなど多方面での活躍が著しい。
(インタビュアー)河合俊典 エムスリー VPoE
VPoEとしてエムスリーの組織マネジメントに従事している。国内数名のGoogle Developer Experts (AI/ML)認定エンジニア。最近良いと思ったアニメは「映画大好きポンポさん」。
エンジニアを目指したきっかけ
河合:そもそも池奥さんは何故エンジニアを目指そうと思ったんですか?
池奥:ちょっとフワッとしてるんですが、昔から工作は好きだったんですよね。祖父が大工をしていたりして、木の端材が落ちている環境で日曜大工をしながら過ごしたり、CADとかもちょっとだけ触らせて貰ってました。なので、ものづくり自体に興味があったんですよ。
それで、高2くらいの時「400行でつくるテトリス」というHTMLのcanvas上でテトリスを作るというWeb記事を見かけて、そこではじめてプログラムを書きはじめました。最初はプログラムをプリントアウトして通学途中にそれを読んだり、文法サイトとにらめっこしてるところからスタートしました。
河合:今ならAIコーディングで数秒で終わりそうな話ですね(笑)
池奥:まさに(笑)その時はものづくり自体が楽しかったので、継続して何日もかけてやってました。動いた時は本当に嬉しかったですね。その嬉しさを引きずって大学では情報系の学科に入っています。そのまま進んで今ここにいる訳ですが、エンジニアを目指したというよりは、プログラミング趣味の延長としてエンジニアがあったという感じなんですよね。
河合:ギークで良い話ですね。じゃあ学生時代に沢山出てたハッカソンとか、あれも趣味の一環だったんですか?
池奥:そうですね。「履歴書に書くこと増えるかも…?」とうっすら思っていましたが、色んなモノを色んなチームで作ったりする事自体が楽しかったです。
就活という意味だと、技術力が高そうな会社の長期インターンにいくつか行って、そこで知り合った人の伝手とかの方が影響が大きかったなと思います。
なぜエムスリー新卒エンジニア
河合:色々インターンに行った中でなぜエムスリーだったんですか?そもそもなぜエムスリーを知ったんですか?
池奥:研究室の先輩が昔内定していて、その人は起業しちゃったんですけど、「エムスリーは良いぞ」と言ってたのがきっかけでした。周囲の社会人エンジニアも同じように言っていたので、とりあえずメールを送ってみた形です。
河合:おぉ、その先輩が居なかったらここには居なかったかもしれないと!会社選びで不安だったこととか、軸にしてた事はありますか?技術力とか?
池奥:技術はベースとしてありましたね。それ以外で、もしかしたらカットされるかもしれないんですけど「合わなくても1年くらいなら辞めてもキャリアに傷はつかないから出来るだけチャレンジを」という気持ちがありました(笑)。
元々、技術以外でもUI/UXとかデザイン、プロダクトマネジメントに興味があるんですが、エムスリーはビジネス、ROIを大切にする会社という印象がありました。そこにギャップはあるかもと思ってたんですが、一方で昔学生起業してた背景もあってビジネス側だったり、エンジニアとして成長するなら苦手な事を知っていないといけないなという気持ちもあって、挑戦しに来ました。
河合:いいですね。池奥さんの強みはそこですよね。苦手な事をやることが自分の強みになる可能性がある事を知っていて、戦略的に色々やってますよね。
池奥:あとは、ドライで実力主義、少数精鋭みたいなイメージはありました。
エムスリー入ってみてのギャップ
河合:たしかに、過度にドライなイメージを持たれがちではある気がします。過度にドライ、過度に実力主義、過度にROIなイメージ、実際はどうでした?
池奥:実力主義ではあると思いますが、個人主義ではないので、色んな場面で教えてもらえるし、分からないことを質問しやすい雰囲気も感じています。技術だけでなく、エンジニアとしてものづくりの力がみんなあるので実際は「切磋琢磨」に近いですね。デザインやプロダクトマネジメントも一緒に議論して、他の職種からも互いに認め合っているようなイメージです。
河合:そうかもしれませんね。私も最初は機械学習エンジニアでしたが、何だかんだPdMやアプリ開発もやっていましたし。良く言えば、リスペクトとROIさえあれば何でもやれますよね(笑)
池奥:そうですね。ROIの話も「事業に貢献する」という、ごくごく当たり前の事を当たり前にやっている感覚です。チームリーダーとは毎日1on1していますし、取締役CPO山崎さん、VPoEの河合さんとも定期的に1on1したりして、課題や期待を聞かれているので、ドライだなと感じたり、長い間困った事はないです。
チームではSlackでときどき雑談huddleが開かれていて、特に新しい人が来た時は盛り上がるカルチャーがあったりと、むしろウェットさも兼ね備えていて楽しいです!
最近やってる仕事について
河合:最近は楽しくやれてます?どんなことやってるんですか?
池奥:デジスマ診療(※医療機関の待ち時間を0にするDXアプリ)のフロントエンド開発を担当しています。それ以外では、兼務として新規プロダクトのバックエンド開発もやってます。
河合:フルスタックですね!具体的に面白かったタスクありますか?
池奥:デジスマだと「医療機関予約のカレンダー機能」を担当しました。医療機関の予約ロジック自体も複雑なんですが、カレンダーのフロント実装ってそもそも良い感じのUI/UXにしようとすると大変な事が多いんですよね。やり方は任されてたので工夫しがいがありました。
新規プロダクトの方もバックエンドTypeScriptをやっていて、TypeScript好きなのでこれはこれでやりがいがあります。僕含め3人のチームでやってるんですが、AWSアカウント開設から1ヶ月後には社内リリースしていて、スピード感があって楽しかったです。
河合:1ヶ月は早い(笑)さすがなんでもやってますね!デザインやプロダクトマネジメントにも興味があると言ってましたが、そこにも関われてる感じですか?
池奥:新規開発の方は特に関係者も多いので、デザイナーの皆さんや他チームのエンジニアとも議論して、仕様調整からアーキテクチャ設計、技術選定や説明責任を果たす所までやっていますね。結構難しい状況もあったりするんですが、皆さん「より良いプロダクトをより良い形で出したい」というところは同じなんで、一緒に進めやすいです。
河合:実質CTOじゃないですか(笑)やりたい事が一定叶えられていそうで良かったです。2年目でそこまで出来てるポイントはありますか?
池奥:うーん、難しいですが、Slackでワイワイガヤガヤしたり、社内勉強会でワイワイガヤガヤしていたりすると「あ、池奥さんってこういう事やりたいんですね」と言われるんですよね。他の会社がどうか分からないんですが、「プロダクトマネジメントやりたい」と言うとCPOの山崎さんが「デジスマの未来と事業について話しましょう」と出てきて、「社外登壇をやっていきたい」と言ったらリーダーやマネジメントレイヤの人が本当に毎月、なんなら毎週イベント登壇依頼を取り付けてきてくれたりするんですよね。
そもそも、元々フロントエンドに強みがあったんですが、入社時「バックエンドやりたい」と言った結果のバックエンド新規開発ですからね。
河合:たしかに。エムスリーでは”Will”を大切にしているので、池奥さんの進め方と噛み合っているのかもしれませんね。ひょんなことから隔週の社内LT大会の司会にもなりましたもんね(笑)
池奥:そうですね。「誰かやります?」のSlack投稿にスタンプ押しただけなんですが、継続してやらせてもらっています(笑)そういうカルチャーだと思っていて、何でも任せてもらってトライしていたら幅が広がっていて、という感じですね。
河合:お、じゃあ今後は何をやっていきたいですか?(笑)
池奥:PdMやビジネスの興味がある所に染み出したいですね。社会で使われる、期待されているような大きな仕事がしたいなと思っているので、そういう仕事が来た時に対応できるオールラウンダーになりたいです。
河合:わかりました、やっていきましょう(笑)
新卒エンジニアへのアドバイス
河合:最後に新卒エンジニアへのアドバイスはありますか?
池奥:一番難しいです…(笑)
河合:何故に?(笑)学生時代ハッカソンで沢山表彰されている池奥さんのハッカソンのコツとか、インターンや就活の考え方とかでも良いですよ。
池奥:それでいうと、あんまり就活っぽい就活をしていない感覚なんですよね。ハッカソンも含めて、趣味の延長で運良く結果やお金がもらえている感覚があります(笑)。
そういう意味で言うと、趣味じゃないですが、好きな側面を作って欲しいなとは思っているかもしれません。エンジニアの仕事の中でも色んな側面があると思っていて、事業を作ったり、UI/UXやコードの綺麗さ、アーキテクチャと見方が沢山あるんですよね。その中で、1個でも良いので好きな側面を見つけられると良いよねと思っています。「エンジニアリングの中で楽しくやれる1面」を持っていると、そこを中心に広げる事もしやすいし、開発や就活も上手くいくよなと思います。
河合:良い話すぎる。もうCTOクラスのコメントだなと思いました。沢山の側面をリスペクトしている池奥さんらしいコメントでもありますね。
池奥:ありがとうございます!
おわりに
河合:良いインタビューでした!ギークカルチャーの中で成長していけている様子が出てたんじゃないかなと(笑)。このあとのご予定は?
池奥:あ、そろそろ今月末の社内LT大会オフライン版の登壇資料を作らないとです…(笑)。最近はTSKaigiの運営チームの諸々で忙しかったりしたので詰まっています。
河合:楽しみですね!去年はビンゴ大会があってラズパイ貰ってましたもんね。
池奥:そのラズパイでも遊ばなきゃ(笑)。そういうところもエムスリーだなと思うので、仕事もギークカルチャーも更に楽しみたいです。
河合:いいですね。やっていき!