株式会社LS 設計担当|石本智也
学校や研究所といった大型建築を手がける組織設計事務所から、創業4期を迎える店舗内装ベンチャーへ。石本智也のキャリアチェンジは、傍から見れば異色に映るかもしれません。しかし本人には、その選択に至るまでの明確な意思決定がありました。
「自分がやったと言える仕事をしたい」——その一心で飛び込んだLSでの日々を、率直に語ってもらいました。
目次
大きな仕事の、小さな一部分を扱う仕事だった。
──まず、前職についてお聞かせください。
準大手の組織設計事務所で、学校や研究所といった大型の建築物を担当していました。建築を志した時から「まずは大きなものをやりたい」という気持ちがあり、大きな仕事から始めようと思って入社しました。
──実際にやってみてどうでしたか?
やってみて気づいたのが、大きい建物である分、大人数のチームで設計するということでした。意匠・設備・構造と分かれて、さらに意匠の中でも三、四人のチームで動く。自分が関われる業務の範囲がとても限られていたんです。
一物件の中でトイレだけ、外構だけ、というような担当の仕方をしていました。それだと「自分が設計した」という感覚が正直薄くて。関わったけど、自分がやったとは言い切れない感じがありました。
──それが転職のきっかけになったのですか?
そうです。内装の仕事を選んだのは、業務の範囲が一気に広がるから。一つの案件を、自分のわかる範囲でまるごと担当できる。加えて、前の職場では大きなプロジェクトすぎてお施主と直接話せる機会が少なかった。でも内装なら、お客さんと直接向き合える。そこに惹かれました。
YouTubeで見た「社員の表情」が、決め手だった
──数ある会社の中でLSを選んだ理由は何ですか?
一番はYouTubeです。本間代表が出している動画を複数見て、大輔さん(設計)や新井さん(営業)も出てきて、社員の方々の人柄や表情がよく伝わってきたんです。
仲良しこよしでやっているわけじゃない、というのが見てとれました。仲の良さはあるのだが、施工者に対してしっかり伝えるべきことは伝えている。言うところは言う。そのメリハリが、ちゃんとした会社だなという印象につながりました。
──入社前と後でギャップはありましたか?
面接の時に本間代表から「男子校の部活みたいな感じだけど大丈夫?」と言われていていましたが、そこはYouTubeで雰囲気を掴んでいたのでギャップはほとんどなかったです。
「お施主さんが笑顔だった」その瞬間に感じたこと
──入社してから印象に残っている仕事を教えてください。
入社二ヶ月目に、表参道の美容室の案件を担当しました。ちょうど今日(2026年9月)、仮引き渡しを終えたところです。
前の職場ではお施主さんと直接話す機会は少なかったが、今回は打ち合わせから引き渡しまで直接向き合いながら進めました。仮引き渡しの場で、お施主さんが笑顔で「とても綺麗ですね」と言ってくださった時の嬉しさは、これまで感じたことのないものでした。
──初案件を担当してみての苦労は?
前の職場は長期的な案件が多かったので、内装のスピード感には最初戸惑いました。着工まで一ヶ月という短いスパンの中で、どう進めたら一番スムーズかを模索するのが大変でしたね。自分でスケジュールを組んで、抜けがないか先輩の吉川さん(設計)と確認しながら進めました。
コストを意識した瞬間、設計が変わった
──入社して一番成長したと感じる部分はどこですか?
お金(コスト構造)に対する意識です。前の職場ではコスト度外視で設計していたので、原価がいくらで、どのくらいで提案するかという感覚が全くなかった。今は一案件を進める中で常にコスト感覚を意識するようになりました。
施工者と話す時も「どのくらいの金額でできる?」「それは高すぎないか」という会話ができるようになってきました。お金をかけるところとかけないところの使い分けを考える設計が、面白いと感じるようになりました。
──それは設計の見え方が変わったということですか?
そうですね。お施主さんは、最終的にはそのビジネスを成功させるために内装をつくるわけで。コストを意識するということは、お客さんと同じ視座に立つということだと思っています。以前は設計をつくる側にいたけれど、今はお客さんのビジネスに伴走している感覚があります。
整っていないことが、今は武器になる
──LSの設計部で働いて感じる特徴はありますか?
大手企業のようには体制がまだ整いきっていないことが、ある意味LSならではの強みだと思っています。大手だと全部決まっていて変えられないことが多いが、LSは今まさに設計部の図面の形式や進め方を一緒に考えながら作っていける。
こういう図面があった方がいいとか、この進め方の方がスムーズだとか、自分の意見が直接反映される。それはここでしかできない経験だと思っています。
──一緒に働く吉川さん(上司)との関係は?
隣の席で働いているので、質問もしやすいし、移動中や昼飯を買いに行く時など、仕事の話もプライベートの話も気軽にできます。居心地がいいです。
言葉にできない思いを、空間にする設計士へ
──これからどんな設計士を目指していますか?
お客様が言葉にできない思いを、こちらからすくい上げて設計に落とし込めるようになりたいです。「こういう空間にしたいけど、言語化が難しい」という本音を引き出して、それを形にする。それが自分が目指す設計士の姿です。
──どんな案件をやってみたいですか?
高級店のブランドをつくる案件に関わってみたいです。多店舗展開していくお客さんの第一号店として、ブランドの世界観を空間に落とし込む仕事。光の使い方や素材へのこだわりまで含めて、全部自分で考えられる案件をやってみたいと思っています。
──最後に、転職を考えている設計士へのメッセージをお願いします。
大きなチームの中で、担当範囲が限られていると感じている人には特に来てほしいです。LSは一物件を自分でまるごと担当できる。意匠だけじゃなく、照明も設備もこだわって考えられる環境です。
設計が好きで、お客さんに喜んでもらいたいという気持ちがある人となら、一緒にいいものをつくっていけると思っています。
まだ整っていない部分を一緒に作っていく面白さが、LSにはあります。