アルピニストの野口健さんを本社にお招きし、社員研修の一環として講演を行っていただきました。
登壇されるや否や「標高、高いですねぇ」と軽いジョークで笑いを取り、約1時間、従業員に向けて大変貴重な話をお聞かせいただきました。
淡々と言葉を連ねていく話し方とは裏腹に、その一言一言には重みがあり、「人生は一度きり」という信念のもと、全力で生きてこられたストーリーをご披露いただきましたので、その一部をシェアいたします。
家にいられると困るから旅に出ろ
高校時代、若さゆえのほとばしる情熱のまま喧嘩してしまった結果、停学処分を受けたことを知ったお父さんが息子である健さんに放ったひと言。
「家に居られると困るから旅に出て来い」
そして、そのひと言をきっかけにふらっと赴いた京都で、健さんはその後の人生に大きな影響を与える一冊の本と出会うことになったそうです。それが、植村直己さんの『青春を山に賭けて』であったと。
知識ゼロで登山家、冒険家の道へ
登山家の道を歩み出したものの、どうやってスポンサーを集めたら良いかも分からず、自分の足と頭で試行錯誤を繰り返す日々を過ごした後、遂に、エベレスト登山にまでたどり着いた健さん。
連続で登頂を失敗した際の記者会見のことをユーモアたっぷりにお話しになる一方で、登山途中で命を落として凍ったままで放置されている登山家たちの脇を歩いて行く苦痛のことをも淡々とユーモアを交えて話されたのは、一般人の常識を超えた何かを感じさせていただきました。
コツコツを積み重ねることと、俯瞰して考えることの大切さ
コツコツと試行錯誤を積み重ねたことで、遂に3回目のトライで登頂に成功したと話された後、「登頂することが成功なのか、それ以前の2回のトライで生きて戻ったことが成功なのでしょうか」とひと言。
死をも厭わずに果敢に挑戦する登山家が多いが、しかし、“やって良い無理”と“やってはいけない無理”があると続けられました。登れる時は登れるし、登れない時は登れない。エベレストだけが人生ではない。エベレストを俯瞰して見られたことで、だから3回目にして登頂できたと静かに語られました。
今回、社員研修の一環として講演していただいた背景は、当社の代表の中村が学生時代に母親から渡された野口さんの著書がその後の中村の人生の大きな分岐点になったということ、また、当社自体もエネルギー関連事業として新たなフェーズを迎えたということもあり、研修として実施をしました。
今後も、著名な方をお招きした研修会を開催して行く予定です。