プロフィール
・1987年生まれ、愛知県出身 / 北海道大学経済学部卒
・新日鉄エンジニアリング4年(財務統括室)
・リクルート11年(*RA / RAマネージャー / *CAマネージャー / 企画マネージャー / CA部長)
・2026年7月 LivCo入社(執行役員 / マッチング事業責任者)
*RA:リクルーティングアドバイザー(法人営業)
*CA:キャリアアドバイザー
順調だった。ただ、10年後の自分が見えてしまった
「キャリアの歩みは順調そのもの」でした。
しかし、私にとってはこの歩みの先に未来はない。マーケット観点でも自己成長の観点でも。それが私の出した答えでした。
簡単に経歴を振り返ります。
北海道大学経済学部を卒業後、新卒で新日鉄エンジニアリングに入社。
大手企業の経理で「数字で見る足腰」を鍛えられた後、営業未経験でリクルートに転職しました。配属されたサービスはリクルートエージェント。言わずと知れた日本最大の転職エージェント。その中でもエース揃いの花形RA組織に配属されます。そこで入社2年11ヶ月で最年少RAマネージャーに抜擢。その後もCAマネージャー、企画マネージャーと歴任し、多様な角度から人材紹介のサービスに携わり、2025年4月にCA部長任用。
この時も当時のCA部長内で最年少となる任用でした。北海道から九州まで全国9拠点、100名以上の組織の責任者として本丸の製造業マーケットを任され、振り返っても恵まれたキャリアでした。
リクルートという会社は当時も今も大好きで、そこで定年まで大好きな仲間たちと歩み続けられるならそれが一番幸せだったかもしれません。
リクルート部長時代/大好きな九州支社メンバーと
しかし人材紹介というマーケットについて考えれば考えるほど、10年後の自分は良くて現状維持。現実的には下り坂のキャリアを歩んでいる姿しか想像が出来なかったのです。
人材紹介ビジネスの構造的な天井
人材紹介の歴史は意外と古く江戸時代まで遡ります。江戸の街の発展とともに地方から江戸へと人口が流入する中で、「口入屋」と呼ばれる職業斡旋業者が生まれました。これが人材紹介ビジネスの原型です。しかし劣悪な労働環境や中間搾取など問題も多く、労働者供給事業は労働者保護の観点から規制され、国家独占事業として位置付けられました。民間の人材紹介事業は長く禁止されてきたのです。
そんな人材紹介事業の転換期は1997年。職業安定法施行規則の改正により禁止されていた民間の職業紹介事業者が扱える職種が拡大。特にホワイトカラーの職種が解禁された事が大きな転機となります。その後1999年と2004年にも職業安定法の改正が行われ、職業紹介可能な職種は一層広がります。これにより人材紹介事業は大きく発展する事になりました。扱える職種が広がったことで、そもそも集客という行為が成立するようになったのです。
今でこそ一般的な人材紹介というサービスも、民間事業者がビジネスとして担い、成立する様になったのは割と最近の事なのです。
この規制緩和が人材紹介事業隆盛の第1期だとすると、第2期はビズリーチの登場です。
ハイキャリア向けスカウトサービスの「BizReach」のサービス開始は2009年。その後TV CMを開始したのが2016年。翌2017年頃から急成長を遂げます。これまで転職と言えば求人広告を見たり、転職エージェントに相談したりと、求職者が能動的に動くことが前提でした。しかしビズリーチの登場により、待っているだけでスカウトが受け取れる状態が生まれます。転職活動に必要な労力が減った事で転職潜在層を取り込み、転職市場に流入する求職者の量・質ともに革命的変化が起きました。
この求職者データベースの拡大はエージェントにとっても大きなメリットを生み出します。エージェントはビズリーチの良質なプラットフォームにアクセスし、求職者に直接スカウトを送る事が可能です。求職者の確保というエージェントにとって一番のボトルネックが解消された事で、有料職業紹介事業所数は急増していきました。
つまり人材紹介事業の発展は2度の革命的な面談CPA低下によってもたらされたと言えます。1度目が職業安定法の改正に伴うホワイトカラー職種の解禁、2度目がビズリーチの登場です。
有料職業紹介事業所数の推移
裏を返せば面談CPAが高騰すると、それはマーケットとして天井に近づいている事を意味します。
そして今、まさに日本人人材紹介マーケットは転換点を迎えています。
1997年に3,000程度しか無かった有料職業紹介事業所数は30,000を超えて過当競争に陥っています。ビズリーチに登録するとその瞬間に大量のエージェントからスカウトが届くため、希少性は低下。スカウトの返信率は年々下がり、面談CPAは高騰し続けています。(ITエンジニアなどの希少人材の場合、CAが一人の求職者と面談するためのCPAは20万円以上になるとも言われています)
こうした過当競争の中でエージェントは差別化を図ります。若手優秀層・コンサル業界・IT業界・スタートアップ業界など特定分野に特化したエージェントが"カテゴリーキラー"としてリクルートやパーソル等の大手総合エージェントのシェアを奪う形で成長を遂げました。
求職者側の変化も見逃せません。私がリクルートエージェントでRAを始めた2015年当時はエージェントの併用はほぼありませんでした。しかし現在は転職に関する情報が溢れており、応募したい業界・職種に合わせて3社以上のエージェントを使い分ける事が一般的になっています。
業界特化の専業エージェントは求人数は少なくても知識や経験が豊富で手厚いサービスを提供してくれます。総合エージェントはその逆で求人数が多いメリットがあるためとりあえず登録はされます。しかし求人を見る=辞書的に使われるだけで、メイン利用は専業エージェントに流れがちになります。せっかく苦労して(高いお金もかけて)集客に成功したとしても、自社経由で転職成功に導く事がますます難しくなっているのです。
それでも転職が一般的な選択肢になることで、マーケットは成長してきました。しかし、この状況すらも踊り場を迎えています。
転職希望者数は2015年から2025年にかけて、約200万人も増加。転職希望者数は1,000万人を超えており、多くの人たちが転職を希望していることが分かります。一見するとエージェントにとっては追い風ですが、実際に転職を実現した転職者数は300万人強でこの10年ほぼ横ばいです。今後、AIの進化などで非連続な人口流動が起こる可能性が無いとも言えませんが、生産年齢人口が先細る中で日本人の転職マーケット(特にホワイトカラーのレイヤー)がこれ以上大きくなる未来は想像しにくい。
人材紹介の事業は大好きでしたが、今後どこで自分のキャリアを形成すべきか、悩み始めていました。
転職希望者数と転職者数の推移
外国人材マーケットがどう見えたか
面談CPA高騰に伴い日本人の人材紹介マーケットが構造的な天井を迎える中で、外国人の人材紹介マーケットは全く異質のものに見えました。
人材紹介マーケットは2度の面談CPA破壊(規制緩和とビズリーチの登場)によって成長してきましたが、外国人マーケットは異次元のレベルで面談CPAが低いという事業上のメリットがあります。
説明するまでも無く、インドネシアやミャンマーという東南アジアの国々は若いエネルギーに溢れています。日本の競争力低下が囁かれ始めていても、日本という国は彼らにとって夢・憧れの様な場であり続けています。(本当にありがたい事だと思っています)
人口構成を見ればCPAの違いも一目瞭然
しかし良いことばかりでもありません。例えば特定技能という在留資格は2019年に始まったばかりで黎明期にあるため、制度変更も多くその対応に追われます。また黎明期ゆえにマーケットリーダーが存在せず、エージェントとは呼べない怪しげなブローカーも存在。残念なことですが、江戸時代の口入屋で起きていた様な問題が、未だに外国人マーケットでは生じてしまっているのです。
そしてもう一つ、面談CPAが低い事の裏返しがあります。
日本人の人材紹介は、極端に言えば決まったら終わりです。しかし外国人材は、決まってからが始まり。日本語教育、在留資格の申請、住まいの手配、来日後の生活支援。国境をまたぐ分だけ、内定の後ろに積み上がる仕事が圧倒的に多いのです。
面談CPAが安い代わりに、その後のコストが重い。ここを切り離して「集客だけ」「紹介だけ」を取りに行くと、事業として割に合わないか、どこかを手抜きする事になります。先ほど書いた怪しげなブローカーが生まれるのも、突き詰めればこの構造が理由です。
裏を返せば、来日前の教育から就職、その後の生活支援まで一気通貫で設計できた事業者だけが、このマーケットで正しく戦える。面談CPAが低いのは、誰でも取れるおいしい市場だからではありません。その後ろを引き受ける覚悟とセットで、初めて事業になるのです。
人材紹介という事業は人の人生に関わるため、高いモラルが求められます。
従ってどんな事業者が外国人マーケットのリーダーになるかは、日本社会の未来にとって分岐点になるのでは無いかと考える様になりました。
そんな時にLivCoと出会いました。当然の事ながら、LivCoの社員は外国人材を単なる穴埋めの労働力として見ることはなく一人の人として向き合っています。ただ誰でも受け入れる事を是とはしない。全寮制の学校で先生も住み込みながら、日本語だけではなく、ゴミの分別や整理整頓といった日本の慣習まで、スパルタ式教育で責任を持って担っている。社会起点で事業を作っている事に感銘を受けます。
「こんな事業者がマーケットリーダーになるべきだ」「それが未来の社会にとって良いことである」と考える様になりました。
ただLivCoはまだ若い会社で、人材紹介出身者もいませんでした。この会社であれば自分の経験を活かせるし、持続可能な社会作りにも貢献できると確信しました。
それでも迷った。キャリアを投げ出し、大好きなリクルートを離れるのか?
11年かけて積み上げた社内の信用や人脈を失い、それが一切通用しない場所へ行くこと。また「リクルートの蓮尾さん」から看板のない「蓮尾さん」になることも怖さであり、迷いに繋がりました。
ただ何より一番大きな迷いだったのは、メンバーたちの顔が思い浮かぶ事でした。北海道から九州まで9拠点、100名以上のメンバーを預かっていました。中には自分が任用したマネージャーもいます。彼ら彼女らのキャリアの途中で、自分が先に降りる。本当にそれをやっていいのか。ここが一番長く悩んだところでした。
一方で、自分が部長を担ってから組織は確実に強くなっていました。エンゲージメントは高く、退職率も僅か1%と卒業が日常的なリクルートでは異例の水準でした。それだけ製造業に誇りを持ち顧客に向き合ってくれる組織を作る事が出来た。そう考えると自分の役割は終わりに近づいていました。
もう38歳。
これからの10年をどう生きるかを冷静に考えた時に、Indeed買収以降テックカンパニー化が加速するリクルートで自分の強みが活かせる場所は少しずつ減っていく気もしました。
それと同時に「リクルートという人材輩出会社にいた以上、培った経験はそろそろ社会に還元すべきだろう」とも思いました。
「次の10年で、"何をやった人"と言われたいのか」を考えた時に、いつの間にか迷いは消えていました。
リクルートの部長としての最終日。次のステップへの覚悟は決まっていたはずなのに、全国のメンバーが見守る中で大号泣してしまいました。情けない最終日でしたが、それでも温かく応援してくれる人たちがたくさんいて、最後の最後にさらに好きな会社になりました。(今でも日本一の会社はリクルートだと思っています)
だからこそ、リクルートという会社で育ててもらった経験はより良い社会を創るために活かして行くんだと決意を強くしています。いつかLivCoを「移民版リクルート」として、社会のインフラにしていきたいと思っています。
LivCoに入社して2ヶ月。入社後ギャップもやりがいも
入社後ギャップも当然あります。例えば意外と内向きなメンバーたち。もっと外に目を向けてお客様に向き合って欲しいのに、意外と社内のオペレーションやKPIに目が行ってしまい、顧客価値を基準に置けていないと感じるシーンがありました。そこで顧客価値を感じにくいKPIやインセンティブ制度は全て撤廃。お客様に向き合うことがシンプルに成果に繋がる様な仕組みへと変更をしました。まだ結果がどう転ぶかは分からず検証フェーズですが、これからも顧客起点であるべき組織状態を追求していきたいと考えています。
ポジティブなギャップもあります。リクルートという人に恵まれた会社からの転職だったため、人間関係では悩みもあるだろうと思っていました。それが入社してみるとLivCoは本当にピュアで仲間思いの良いメンバーばかり。毎日の出社が楽しく、リクルート時代よりも飲み会の数が増えたのは全くの想定外でした。
CAメンバー&CSメンバーと
RAメンバーと
やりがいは何より強く感じています。
先ほどのKPIやインセンティブはあくまで一例で、社内は整っていない事ばかりです。またRAもCAもみんな若く、想いはあるのにどうすればお客様に貢献出来るのかが分かりません。積極的に現場に出て、メンバーに背中を見せる事で若くて優秀なメンバーが急成長している実感が持てるのはベンチャーならではだと感じました。
また、採用成功した時のインパクトの大きさはこれまで経験した事が無い物でした。入社初月に静岡県のお客様への提案をきっかけに10名のインドネシアの学生を採用して頂けました。地方での人員不足解消に貢献できた事はもちろん嬉しかったのですが、合格通知時の学生の動画を見た時に衝撃を受けました。
本人も、一緒に学ぶ友人も、みんなが一緒になって号泣し、抱き合って喜んでいるのです。(日本でも採用成功/内定獲得は嬉しい物ですが、リクルートエージェントではここまでの景色を見たことはありませんでした)
本人だけではありません。その裏側には彼らの家族がいて、相当の責任感を背負いながら日本行きを夢見ている。私が提案しなければ、10名の学生はもちろん、その家族の人生も変わることは無かった。そう思うと、この選択が間違いでは無かったと確信を持つことが出来ます。
泣きながら内定を喜ぶ学生/それを泣きながら一緒に喜ぶ友人たち
最後に
もしこの記事を読んで下さった方が今後のキャリアについて考えているとしたら、お伝えしたいことがあります。
今の会社で成果が出ている人ほど動けなくなります。私もそうでした。でも私は、成果が出ている状態で判断したからこそ、この市場に賭ける価値があると確信できました。
「移民版リクルート」への道はまだまだ遠く険しいものですが、我々が成し遂げなければいけないと思っています。より良い社会を創る当事者として、覚悟を持って次の10年を切り拓いていきます!
株式会社LivCoでは一緒に働く仲間を募集しています!
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株式会社LivCoの会社情報 - Wantedly
LivCoは『外国人も暮らしやすい社会を創る』をミッションに、東京/インドネシア拠点で外国人領域に挑むスタートアップです。HR業界最後のブルーオーシャンと呼ばれる外国人材市場(年間30%成長・1兆円超)において、人材紹介を皮切りに教育・不動産・生活支援へと事業を拡張。25万人超の在日東南アジア人フォロワーと蓄積された来日就労希望者データにAI・テクノロジーを掛け合わせ、「外国人版リクルート」として複数領域で新規事業を連続的に立ち上げる外国人特化のインフラ企業です。
日高屋、松屋、ベネッセ、すかいらーくなど累計500社以上に1,300人超の紹介実績。タイミー小川氏や(株)クイックなど上場企業からの出資を受け累計3.4億円を調達、売上前年比350%成長で上場準備フェーズに突入しています。
日本では急速な人手不足を背景に在日外国人労働者がこの10年で260%増加する一方、職場からの失踪者は年間1万人超。途上国側では貧困や紛争により若者の成長機会が乏しい状況が続いています。LivCoは東南アジアでの事業経験を持つ経営陣を中心に、単なる人材紹介ではなく「来日前教育→就職→生活支援→キャリア形成」まで一気通貫で設計。AIなどのテクノロジーの力でマッチング精度の向上や業務のDXも推進。業界平均離職率26%に対し約12%という定着率で、日本と途上国双方の課題を雇用の力で同時に解決しています。
HP:https://livco.inc/

株式会社LivCo(旧株式会社ASEAN HOUSE) 【グローバルHRプラットフォーム事業 / インドネシア人材育成事業】
LivCoで働く魅力
【社会課題をビジネスの力で解決し、途上国の未来を創る】
弊社の事業で1人の東南アジア人の就職が実現されれば年収は20倍以上、平均5人以上の故郷の家族の生活水準が向上し「妹が高校に行けるようになった」と泣いて喜んで頂けます。もちろん日本の現場の人手不足も解決される。右から左に外国人を流すだけの従来の「人材紹介」とは異なり、受入企業の要件に合わせたオーダーメイド育成で実現する「人材育成」モデルで、社会課題の解決と事業スケールを同時に実現する仕事です。
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外国人材市場は1兆円超のHR業界最後のブルーオーシャン。制度開始直後に参入しシェアを確保した弊社は、業界構造そのものを変革できるポジションにあります。AI・テクノロジーを活用した次世代プラットフォームを構築中。少数精鋭で経営陣との距離が近く圧倒的な裁量を持て、ストックオプション付与の可能性もあり、会社の成長が自身のキャリアとリターンに直結するフェーズです。
【国境を越えて働くグローバル環境】
東京とインドネシアの2拠点体制、社員の40%が東南アジア出身。社内では外国語が飛び交い、日常的に異文化の中で働く環境です。インドネシアでは400人規模の日本語学校を直営しており、現地出張や海外事業に携わる機会があります。
※出身企業:リクルート、サイバーエージェント、JICA、デロイトトーマツ、Speee、PwC、ラクスルなど
※出身大学:東京大学、大阪大学、早稲田大学、中央大学、明治学院大学など
❒ 参考リンク
・メディア取材記事(NewsPicks):https://newspicks.com/news/17103968/body/
・弊社運営インドネシア日本語学校の様子(動画):https://www.youtube.com/watch?v=nbGdiwed9Ng
・新卒入社メンバーのインドネシア事業立ち上げ奮闘記(note記事):https://note.com/livco/n/nc1d93007e5cd
・社内の様子(YouTube取材):https://www.youtube.com/watch?v=scSpLChOMSo
・LivCoの事業の未来についてーデータ×AIで創る“移民版リクルート“の全貌ー(note記事):https://note.com/livco/n/n0fd408a39205
・フジテレビ取材動画:https://drive.google.com/file/d/1TJk2B0tt9PwWgf3tZUg7l6kxjLqkoai0/view?usp=sharing