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クレジット:文=大島悠 写真=平岩享(2017年)
女性ファッション誌の編集者、外資系企業の人材ヘッドハンター、国土交通省所属の航空管制官、現代美術ギャラリーのプロデューサー……。一見、何のつながりもないように思えるバラバラの経歴。しかしこの4人はいま、一つのチームで働いています。彼・彼女らはなぜ、Forbes JAPANのデジタル戦略を担う、デジタルストラテジーチームに集うことになったのでしょうか。
コンテンツの"番人"は、元・女性ファッション誌の編集者
「ビジネスやテクノロジーのことなんて、本当にわからなかった。IoT、AI、FinTech……何それ? みたいな。取り扱うジャンルも、世界観も、これまでの職場とはまるで違いました」
2016年1月からForbes JAPANのWebコンテンツ配信を担当している、鈴木奈央(すずき・なお)。チームの"守りの要"として、日々、数多く配信される記事のクオリティ管理を行なっています。
彼女はずっと、ファッション系のニュースメディアや雑誌の編集を手がけてきました。しかし7年ほどキャリアを積んだとき、転機が訪れます。
「担当していた雑誌で取り上げるテーマにあまり納得がいかなくなってきて……。それでも面白く編集するのが仕事なのかもしれませんが、なんだか違和感があったんです。ものすごく忙しい日々を送っていたので、正直なところ、ちょっと疲れていたのもありますけど」
一度、雑誌の仕事から離れた鈴木。その後、知人のつながりから、Forbes JAPANのメンバーに加わることになったのです。
「もっと女性の読者を増やしたい、将来的にはライフスタイル関連のコンテンツを広げていきたい、という話を聞いて、それは面白い、私も役立てるかもしれないと思いました」
いざ新たな世界に飛び込んでみると、刺激的な日々が待っていました。
世界中のビジネスシーンで紡がれるさまざまなストーリー、最新のテクノロジー、トップリーダーの生き様。これまでの人生であまり接点のなかったトピックに触れることで、彼女自身の視野もどんどん広がっていきました。
「ここに来るまでは、自分が担当した記事や特集が世の中に出て、その結果どうなのかまで追えていませんでした。Forbes JAPANは『とにかくたくさん記事を出す!』といった根性論ではなく、きちんと反響や数字を追って分析・検証を建設的にくりかえしています。そのこと自体の面白さを感じているんですよね」
コンテンツ担当として、「面白くない記事は出したくない!」という鈴木。クオリティの番人として、今日も堅実な仕事ぶりを見せてくれています。
鈴木奈央◎コンテンツ担当
2008年大学卒業後、講談社に入社。女性誌『GLAMOROUS』編集部でアシスタントとして勤務。その後、ファッションメディア、女性ファッション誌の編集業務を経て、2016年1月、リンクタイズ入社。マーケティング部(現:デジタルストラテジーグループ)にて、Webコンテンツ配信に関わる業務全般を担当している。
メディアには興味がなかった? チームを救った元・ヘッドハンター
「出版業界のビジネスモデルって、独特ですよね? ずっと業界の中にいたら当たり前のことなのかもしれないけれど、改善できるところもある気がして」
新卒で大手企業に就職したものの、結婚を機に半年で退社。その後、ひょんなことから少数精鋭の外資系ヘッドハンティング企業に転職した岡野慧(おかの・けい)。現在、Forbes JAPANの定期購読会員を増やすべく、奮闘しています。
「メディアにはあまり興味がなかったけど、Webは好きで、『Forbes』も何となく知っていた」という彼女。業界経験ゼロからのスタートではありましたが、2016年8月にアルバイトとして入社した直後から、存在感を発揮しはじめました。
「私がチームに入った当初は、まったく人手が足りていない時期で。とにかくみんな、遅くまで働いていたんですよね。それを目の前でみて、『自分でも手伝えることが、いろいろあるんじゃないか』と思ったんです」
自ら率先して、あれならできる、これも改善できる……と、「自分ができること」の提案を重ねていった結果、岡野は入社2ヶ月で契約社員、8ヶ月後には正社員になることに。
定期購読会員の担当に手を上げたのも、「チームメンバーにはそれぞれの役割があったから」でした。
「私は、革新的なアイデアをばんばん出していくタイプではないんです。どちらかといえば与えられた条件下で、物事を最適化していく方が得意。チームの中にアイデアマンタイプの人がいるので、私はそれをどうにかカタチにしていく。それが自分の仕事かなと思っています」
メディアとして進化途上にあるForbes JAPANにとって、彼女のような存在は貴重です。なにしろ、次々に新たなチャレンジと向き合うべく、組織的にも変化し続けているのですから。
「どんどん成長していく過程が面白いですよね。やるべきこと、やりたいことががたくさん出てくるので。だから一緒に働くなら、どんなことでもやり抜く力を持った人がいいなと思います」
岡野慧◎サブスクリプション担当
2013年に大学を卒業後、日系大手メーカーに入社。その後、シンガポールに本社を構えるヘッドハンティング会社でホテル業界の採用・事業開発を担当。
2016年8月にリンクタイズにアルバイトとして入社、2017年4月から正社員としてウェブ会員・定期購読に関わる業務に従事する。
連続したキャリアがすべてではない。新たな挑戦を選んだ元・航空管制官
元・国土交通省勤務。航空管制官として飛行場管制業務に従事─。そのワンフレーズが強烈な印象を与える、大森愛望(おおもり・まなみ)。
「前職の話をすると、ほぼ全員に驚かれますね」と笑う彼女は、2017年10月より、Forbes JAPANの広告運用を担当しているメンバーです。
「中学生くらいの頃から飛行機が好きで、ずっと飛行機を見ていられる仕事に就きたかったんです。実際に航空管制官になって、羽田空港で働く夢も叶えることができました。そこで一度、『この仕事でやりたかったことは出来たかな』と思えたんですよね」
6年半のキャリア。多くの人はその経験を何かしら生かすことを前提に、次の職場を決めようとするでしょう。しかし、大森は違いました。
「せっかくチャレンジするなら、今までとはまったく違う仕事がいいなと思っていました」
もともと理系だった彼女は、マーケティング領域に興味を持ち始めます。しかし、実務経験ゼロからの転職活動。そこにはさまざまなハードルがありました。そんなとき、ふと目にとまり応募したのが、Forbes JAPANの求人だったのです。
「日本のごく一般的な企業に転職しようとすると、やはりどうしても実務経験が問われるんですよね。でもこの会社は、私の経歴をとても珍しがってくれて(笑) 経験がないにも関わらず、受け入れてもらえたことに感謝しています」
大森は今、チームメンバーから広告運用の業務を引き継ぎ、試行錯誤しながらデジタルマーケティング領域にチャレンジしています。
「公務員から転職したこともあり、入社するとき、家族や周囲からは『よく考えたほうがいい』とさんざん反対を受けました。でも私としては、それほど大きな賭けをしたつもりはないんです。ちょっと興味があるなら、やってみればいい。そんな大げさに考えなくてもいいんじゃないかな、と思いますね」
必ずしも、連続的なキャリアが正解とは限らない。自ら新たな道を選択した大森の挑戦は、まだまだこれからです。
大森愛望◎広告担当
2011年大学卒業後、国土交通省へ入省。以後6年半、航空管制官として羽田空港において、航空機に対する離着陸の指示などを行う飛行場管制業務に従事。2017年10月より、リンクタイズに入社。デジタルストラテジーグループに所属し、現在はフォーブスジャパンのウェブサイトに掲載する広告関連業務に従事。
Forbesブランドを誰よりも愛している、チームのまとめ役
多様なバックグラウンドをもつメンバーたちをまとめているのが、現在、グループの副部長を務める井上貴彦(いのうえ・たかひこ)。2015年9月、Forbesがデジタルに注力していこうとしている、まさに立ち上げ真っ只中の時期に参画しました。
それまでは現代アートのギャラリーに勤めたり、フリーランスで広告制作を手がけたりと、自由な働き方をしていた彼。
チームにジョインしたのは、漠然と「マーケティングやってみたい」という気持ちがあったこと、Forbesという世界的なメディアブランドにひかれたことでした。
「入社して最初に取り掛かったミッションは、とにかく配信記事を5倍にすること。当時は社内にデジタルメディアに強いメンバーがおらず、とにかく課題だらけでした。そこからがむしゃらに働きましたね」
大きなターニングポイントとなったのは、2016年の終わり。デジタルの立ち上げをリードしてきた前任者が退職し、事実上、井上はそのポジションを担うことになります。
「社内外から感じるプレッシャーも、チームの中で担うべき役割も、すべてが変わりました。でもForbes JAPANは、出版業界の中で唯一といっていいほど成長を記録していたメディアだったんですよ。ここでその成長を止めるなんて絶対にできないし、むしろ起爆剤にならなければいけないと思っていました」
事業立ち上げ時のシビアな状況下で、なぜ井上がこの仕事をやり抜くことができたのか--。それはなにより、彼のForbesに対する想いの強さがあったからに他なりません。
「僕は、Forbesのつくる世界観が好きなんです。でもそのポテンシャルを、まだまだ世の中に届けられていないと思っていて。Forbesの価値を信じているから、その理想までたどり着きたいんですよ。一つひとつのミッションやKPIは、それを実現するためのものですから」
井上貴彦◎副部長
2015年、リンクタイズに入社。入社後、コンテンツ面を拡充をミッションとし、コンテンツ配信全般を担当。サイト分析や配信プラットフォームの拡充などを通じ、グロースに貢献。2016年後半から、デジタルのマネタイズ全般を担当。2017年12月、デジタルストラテジーグループ副部長に就任。
可能性を現実に。Forbes JAPANの未来を切り開いてほしい
井上の言葉通り、『Forbes』という世界的なブランドのもとで、Forbes JAPANがやるべきこと、できることはまだまだたくさんあります。それを担う行動力と、マインドを兼ね備えたチームが必要です。
メンバーの一人ひとりが追っているミッションやKPIは、あくまでチームが目指す方向性へ進むためのもの。達成された一つひとつのKPIは、足し算ではなく、"掛け算"となってForbes JAPANの未来を支えていくことになるでしょう。
その一翼を担うことになるのは、これから新たにチームの仲間となるみなさんです。