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生理やピル服用の記録をLINEで管理。女性の身体を守るサービスへの想い

日常生活で生理と上手く付き合っていくことは、女性が抱える大きな悩みのひとつでしょう。生理の大変さは個人差もあるため他人には相談がしづらく、自身で適切に管理することも難しいものです。しかし、生理予定日を計算したり、ピルによって経血量を抑えたりすることは可能です。正しい知識を持って医師へ相談をすれば、悩みを少なくできるかもしれません。

Linc'wellが開発・提供する「sai+ダイアリー」では、LINE上で操作するだけで手軽に生理の記録をつけることが可能です。また、今後はピルの服用記録機能もリリース予定で、アプリ上で医師と連絡がとれる機能の実装も検討中です。「sai+ダイアリー」は女性の生理に寄り添って、より良い生活を送っていただくためのアプリなのです。

「sai+ダイアリー」はエンジニアの佐々木峻、UIデザイナーの横山志穂、プロダクトマネージャーの大沼貴子によって開発されています。プロダクトにかける想いを開発チームの3人に聞きました。

エンジニア 佐々木峻(写真中央)
Sier、HR系ベンチャーを経て、レガシーな医療領域をアップデートしたいという想いでLinc'wellに入社。「sai+ダイアリー」のフロントエンド、バックエンド、インフラを担当。
UIデザイナー 横山志穂(写真左)
サービス開発会社、フリーランスを経て、オフライン・オンライン両軸で事業を展開しているLinc'wellに魅力を感じて入社。「sai+ダイアリー」のピル服用管理機能やクリニックフォアのオンライン診療のUIを担当。
プロダクトマネージャー 大沼貴子(写真右)
Accenture・Google等を経て、カカクコムでPM・新規事業立ち上げ等を経験し、独立。現在はフリーランスコンサルタントとして、業務委託にてLinc’wellで「sai+ダイアリー」のプロダクトマネージャーを務める。

生理によって女性の人生は左右される。だからこそ意義のあるサービス


――LINE上で生理記録やピル服用管理ができる「sai+ダイアリー」の機能詳細についてお聞かせください。

佐々木:「sai+ダイアリー」を使用する際には、LINE公式アカウントに表示されているメニューからアプリを起動して年齢や生理周期を登録すると、生理予定日や排卵予定日がアプリのカレンダーに自動記入されます。また、周期や体調に合わせて医師からのアドバイスも提示されます。

大沼:現在開発中ではありますが、ピルの飲み忘れを防ぐためのピル服用管理機能も今後リリース予定です。管理記録と体調に合わせて、ピル服用に関する困りごとや体調の変化を相談できるようになります。

横山:「sai+ダイアリー」は「現在、ピルを使っている人」「ピルを使っていないけれど知識がある人」「知識がないけれどピルに興味がある人」をユーザーペルソナとしています。アプリを継続使用してもらうことで、生理やピルとの良い付き合いができることを目標として開発に取り組んでいます。

――Webアプリやネイティブアプリではなく、LIFFアプリ*として開発しているそうですが、その利点は何でしょうか?

*…LINE Front-end Framework(LIFF)は、LINEが提供するウェブアプリのプラットフォームです。このプラットフォームで動作するウェブアプリを、LIFFアプリと呼びます。https://developers.line.biz/ja/docs/liff/overview

佐々木:LIFFアプリとしてサービス展開する強みは3つあります。1つ目はLINEユーザーであればアプリをダウンロードする必要がないこと。2つ目はLINEの認証情報を使ってシームレスにアプリにログインができるため、UXが向上すること。3つ目は多くの方々がLINEを日常的に使用しているため、通知を見逃しにくいことです。これらの理由から、「sai+ダイアリー」を継続利用してもらうためにはLIFFアプリが最適だという結論になりました。


――プロダクトに関わることへの意義やモチベーションはありますか?

大沼:私自身がPMS*の症状を抱えており、生理前は肉体的にも精神的にも不安定になることがあります。PMSはすぐに完治することは難しく、長く付き合っていく必要があります。そういった生理で苦しむ方々に寄り添えるプロダクトを開発することには、意義があると感じています。

*PMS…生理前に起こる心や身体の不調が日常生活にも及ぶ状態。精神的な無気力感や肉体的な疲労まで、様々な症状が見られる。

横山:生理によって女性は人生を左右されることもあります。生理を自分自身でコントロールすることは難しいため、理不尽だと感じている方も多いかもしれません。私自身も生理に対する悩みは多いため、それらを解決できるサービスを作っていけること自体が、モチベーションになっています。

PMの加入によりビジネス側とのコミュニケーションを強化

――現在のチーム体制についてお聞かせください。

佐々木:私がエンジニアとして開発を行い、バックエンドからフロントエンド、インフラまでをフルスタックに担当しています。UIデザインは横山さんが行い、プロダクトマネージャーは大沼さんが担当しています。インターン生や他プロジェクトメンバーに兼務してもらうこともありますが、基本的にはこの3人で開発をしています。

「sai+ダイアリー」の開発当初はビジネスサイドとのコミュニケーション不足などが原因で、プロジェクトが思うように進まない時期もありました。

横山:デザインやプログラミングに注力するだけではプロジェクトがうまく回らないことがわかったため、チームとしてマネジメントや各ステークホルダーとの情報連携の強化をしていく必要があると感じていました。そのため、プロダクトマネージャーとして大沼さんに途中から参画していただきました。

――大沼さんがチームに加入したことでプラスの変化がありましたか?

佐々木:相当にチームの状態が良くなりました。大沼さんには、経営陣向けの資料作りや、チームのスケジュール調整など、私たちが開発に集中できるような環境作りをすべて担当してもらっています。本当に助かっていますね。また、大沼さん自身がPMSで大変な思いをしているという背景もあり、機能に対する意見も的確です。

横山:同じチームに女性がいるのは心強いです。以前はチームに女性が私ひとりだったため、「これは私の個人的な意見で、なんらかのバイアスがかかってはいないだろうか」という不安がありました。大沼さんがいることで精神的な安心感が大きいです。共感できる部分も多く、相談もしやすいため、以前より発言がしやすい環境になりました。

――大沼さん自身は開発チームをどのように変えていきたいですか?

大沼:まずはチームとしての足場をしっかりと固めていきたいと考えています。私が参画したときには、開発の指針もあまり定まっていない状態でした。品質や生産性の高いサービス開発を実現するため、Google Ventures(現GV)も採用しているデザインスプリントなどを取り入れながら、プロジェクトを進めています。

医師とともにサービスを作りあげていく

――生理の情報を記録できるアプリは他社も提供しています。「sai+ダイアリー」の競合優位性は何でしょうか?

佐々木:医師の方々が開発に参加しており、医学的なファクトをもとに機能が考案されている点は他社にない強みです。Linc'wellはクリニックフォアグループという医療機関とパートナーシップを締結して、事業を展開しています。そのため、医師から直接意見をいただくことが可能になっています。

横山:開発中のピル服用機能についても、要件定義の段階から医師が会議に参加しています。自分たちにはない知見が次々出てくるため、開発の視野が広がる感覚があります。

――医師のアドバイスとして、具体的に覚えているものはありますか?

大沼:ピルの効能として、妊孕性にも関わってくるという視点を持つことも大事だと医師から教わりました。開発に関わるうちに、ピルは生理痛の軽減や月経周期を整えることをメインで考えてしまっていました。しかし、現時点では仕事に集中したいため、今すぐには妊娠をしたくない方もピルを使っています。今後、妊娠するために卵巣の機能を温存したいというニーズがあるんです。自分たちでは気づけない目線から、医師が意見をくださるのは本当にありがたいです。

――情報のキャッチアップがしやすい環境にあるということですね。

佐々木:日常的に医師の意見などがSlack上で流れてくるためキャッチアップはしやすいです。また、社内のビジネスチームにもピルを使っている方が多く、活きた意見を直接聞くこともできます。女性がメインで使うアプリなので、自分の知識だけではわからないことも多くありますが、情報の整理はしやすい環境だと言えます。

横山:Linc'wellでは職場で当たり前のようにPMSという用語が通じますが、それ自体が他の企業と比べると特別なことかもしれません。社内で医療についての情報共有が円滑にできることは、会社としての強みのひとつです。

女性のヘルスケア全般を支えるアプリを目指す

――生理管理機能やピル服用管理機能をどのように発展させていく予定でしょうか?

佐々木:まずは使い続けてもらうための工夫をしていく必要があると考えています。アプリを起動して記録をつけることを手間に感じる方も多いので、LINEのチャット上ですべてが完結する仕組みを作っていきたいです。アプリの体験をよくすることは、生理記録を続けられることに直結し、女性の健康を守ることにもつながります。

大沼:佐々木さんが話したように、アプリを使い続けてもらう施策は今後も考え続けていきたいです。例えば、ゲーミフィケーション的な要素を取り入れたり。あとは、マイルのように使っていけばポイントが貯まるような仕組みも導入を検討しています。

横山:アプリ上で医療関係者とコミュニケーションがとれることを大事にしていきたいです。例えば、体調を記録することで医師からフィードバックがあるような機能などを実装したいです。

継続的に体調をチェックすることで、生理を管理できるだけではなく、重大な病気を早期に発見できる可能性も高まります。子宮頸がんなどの病気は気づかずに進行して手遅れになってしまうことが多々あります。そういった症状も、アプリを使うことによって予防できればと考えています。


――最後に、プロダクトとしての将来のビジョンを教えてください。

佐々木:現在は、生理管理機能とピル服用管理機能が開発の中心ですが、それらを含めて女性のヘルスケア全般を支えるアプリにしていきたいと個人的には思っています。「このアプリさえあれば女性の健康管理は完璧」という世界にできたら嬉しいです。

大沼:私自身、Linc'wellで働くようになってから「ピルってこんなに良いものだったのか」という事実を知りました。プロダクトの開発を通して、ピルは女性に必要なものだとますます実感しています。ピルの効能を知らずに生理に悩んでいる方も多くいるため、そういった方々の助けになれればと思っています。

横山:作りたい機能や、やりたいことは山ほどあります。しかし、開発メンバーがまだまだ足りていないのが現状です。サービスのビジョンに共感してくださった方は、ぜひ私たちと一緒に働きましょう。

<Linc'wellはともに働く仲間を募集しています>
https://engineer.linc-well.com/
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