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2022年より、LIGはAIアルゴリズムの力でリアル産業のDXを目指す株式会社ACESのサービス開発をお手伝いしています。開発を支援したのは、AIがオンライン商談の録画・書き起こしを行い、商談の内容や温度感を共有・解析できる営業支援AIプロダクト「ACES Meet」。
会議や商談の一連の業務をDXすることで、売れる営業の分析や商談の勝ちパターンを構築し、成約率の向上を実現してくれるプロダクトです。もともとZoomに対応していましたが、新たにGoogle Meet・Teamsにも対応するためLIGも開発に携わりました。
今回は事例取材として、執行役員三田村健様に外部パートナーの選び方から、スムーズに開発するためのノウハウについて聞きました。サービスのアップデートや機能追加をご検討中のみなさま、ぜひご覧ください。
技術的に難しいプロジェクトをスピーディに進めたい
菊池:まずは外部リソースを活用しようと思った背景から聞かせてください。
▲株式会社ACES 執行役員
三田村 健さん
東京大学工学部卒。在学時からエンジニアとしてスタートアップのサーバー開発業務に関わる。卒業後フリーランスのサーバーエンジニアとなり、株式会社ドリコムのプロジェクトに携わる。2017年、ACESを共同創業。現在はデータ管理やサーバー設定などのMLOpsのサポートおよび開発に関する全体的な環境構築・設計を担当。
三田村:私たちはもともとZoomと連携できるビデオ会議の文字起こしツールを開発していたのですが、ユーザ企業様の要望を踏まえてGoogle Meet・Teamsとも連携できるように対応を進めることになりました。しかし、Google Meet・Teamsとの連携はZoomとの連携に比べて技術的に大きく異なり不確実性も高いと感じていました。
そこで、開発スピードを維持しつつ、新たな知見も取り入れられるように外部のパートナーを探す結論に至りました。
菊池:どのように外部パートナーを探したのでしょうか。
三田村:外注経験のある社内のメンバーを探しては「いい会社を知りませんか」と聞いて紹介してもらったり、自分でも何社か探して問い合わせたりして、結果的に4~5社の会社から提案を受けました。技術的にもチャレンジングな依頼だと考えていたため、実際に提案を聞きながら本当に開発ができそうかどうかもチェックしていました。
菊池:LIGの印象はいかがでしたか?
三田村:偉そうで恐縮ですが、ご提案いただいた工藤様(弊社Technology部マネージャー)はとても頼もしい印象がありました。私たちがやりたいことにも共感してくれましたし、技術的に難しい部分については「やってみないとわかりませんね」と率直に伝えてくれ、そのようなコミュニケーションも含めて全体的に信頼できると思いました。
対応の速さと質の高い調査で、6つのプロジェクトを支援
菊池:ご契約から約1年経ちますが、支援の内容も聞かせてください。
三田村:最初に依頼した技術検証は順調に進み、その後の開発もお願いして2022年9月にはGoogle Meet・Teamsへの対応をリリースできました。リリース後は、その保守対応をお願いするほか、多要素認証の開発や新規機能開発も依頼しており、結果的に計6つのプロジェクトをご一緒しています。
菊池:継続的に依頼をいただけて嬉しい限りです。どのような点を評価してもらえたのでしょうか。
三田村:エンジニアサイドからは「依頼したタスクの対応が速い」とスピードを評価する声をよく聞きます。また、不確実性の高い依頼をした時に、しっかり調べてアウトプットしてくれるため、社内で調べるよりも効率よく進められました。
そのため新しくプロジェクトが始まるときは「LIGさんにこれを依頼するなら、予算はこれくらい」「今のチームがリリースされる前に次の発注をしよう」などとビジネスサイドでは議論しています。
▲株式会社LIG テクノロジー部 テクニカルディレクター 菊池
菊池:そう言っていただけると嬉しいですね。ちなみに調べ物のスピードが速かったのは、フィリピンのメンバーが英語の記事を調べてくれたからです。Google Meet・Teamsに関する開発事例は日本にはまだ少ないのですが、海外にはたくさんありました。開発リソースを担保するためのオフショアですが、英語の文献にスピーディーにアクセスできるというメリットが活きたと思います。
また、チームを組むときも「調べるのが好きなオタク気質なメンバー」を意識して集めたのも、スムーズにタスクを進められた理由かもしれません。
外部パートナーのパフォーマンスを最大化するコミュニケーションとは
菊池:外部のパートナーと一緒に仕事をする上で、意識していることがあれば教えてください。
三田村:外部パートナーに依頼するのは今回が初めてだったので、何冊か本を読んでスムーズに進める方法を勉強していました。特に意識していたのは、パートナーに依頼するタスクの選別です。
チームで完結する動きやすいタスクはパートナーに依頼する一方で、内部のコミュニケーションが必要なタスクは社内で開発すると決めて依頼しました。また、タスクを依頼するときも「なぜそれが必要なのか」「どんなアウトプットを期待しているのか」を伝えるコミュニケーションを意識しました。
逆にLIGさんは、私たちと一緒に仕事をしてみた印象はどうでしたか?
菊池:こんなに細かくソースコードを見てくれるお客様はめずらしいなと思いました。たいていの場合はそこまで余裕がないものですが、ACES様は丁寧にフィードバックをくれたので私たちも勉強になりましたね。
お客様によっては、システム開発の知見がないからと丸投げされるケースも少なくなくて。結果的にプロジェクトが難航してしまうこともあるのですが、ACES様は開発はもちろんマーケティングの観点も持っているので、一緒に仕事をしてとても刺激をもらえました。
三田村:フィードバックは意識的におこなっていました。フィードバックを通して求めているものをお伝えしたり、依頼の際に目線を合わせることで、最初と比べて格段に質が高くなったと思います。コードの書き方や設計方針をお伝えすることで内容が改善されて品質もよくなっているので、今後もとても期待しております。
菊池:それはありがたいですね。私たちとしても、いただいたフィードバックはチェックシートにまとめて、随時確認しながら開発しています。おかげさまで弊社にもノウハウが蓄積され、メンバーの成長に繋がっているので非常に助かっています。
最後に、外部のパートナーとプロジェクトを成功させるために、大事だと思っていることを聞かせてください。
三田村:スコープや優先順位を明確にして伝えることだと思います。限られた期間の中でアウトプットを最大化するには、依頼する側が定期的に要望を伝えなければいけません。
いつまでに、どんなアウトプットを求めているのか、要望を明確に伝えることでパートナーさんも動きやすくなるのではないでしょうか。