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最近のTikTokでは、主にZ世代の間で美容系や韓国アイドルファンの一般ユーザーに対するファンコミュニティが出来ているのを見かけることが多いです。そのユーザー達はフォロワーも多く、収益化していることも多いです。
今回はなぜこのような文化が生まれたのか解明していこうと思います。
■KPOPファンでは主流なトレカ
韓国アイドルたちのアルバムではトレカ(トレーティングカード)がランダムで封入されていることがほとんどです。KPOPファンの間では推しのトレカを求めて交換やメルカリなどで出品されているのがほとんどであり、その際に梱包作業が付きものです。この梱包作業や硬化カードケース、ネームボードの作成動画にKPOPファンからのコメントが多く付き、コメントから実際にトレカの交換が決まったり硬貨ケースやネームボード作成動画にはどういった材料を使用しているのか聞くコメントも見られます。
〈トレカとは〉
トレーディングカードの略。K-POP界隈では、アルバムに封入されているアイドルの自撮り(セルカ)が印刷されているトレーディングカードの事を指します。ランダムで封入されているため、自分の推しが手元に来る確率は低く、Twitter(現X)等のSNSにて交換相手を探す人を良く見かけます。推しのトレカをトレカケースなどで持ち運び、外出先のカフェや観光地で一緒に写真を撮るなどの「ヲタ活」をする人が多いです。
〈硬化カードケースとは〉
百均などに売っているケースのこと。
https://jp.daisonet.com/collections/stationery0218/products/4984343226791
トレカには主にB8サイズの硬化カードケースが使用されます。この硬化カードケースにトレカを入れた時に可愛く・映えるようにシールなどでデコるのが流行っています。シール自体は百均にも可愛いシールなどがおいてあるため、安価で作成しやすいです。韓国の雑貨屋(韓国の雑貨ショップもある)から輸入している人も多く、最近ではシリコンホイップやレジンなども使用してさらに装飾している人もいます。
〈ネームボードとは〉
フォトフレーム・ダンボール・プラスチックダンボールなどを土台として、画用紙等で装飾したアイドルの名前のボード。コンサートなどに持っていって、推しへとアピールするために使用しています。日本の会場では、ネームボードが禁止されている場合が多く、うちわにネームボードと同じ要領で名前やしてほしいファンサの内容などを作成している人が多いです。材料は百均や東急ハンズなどで揃うことが多く、高校生などでも気軽に作れる安価さが魅力的です。
TikTokやTwitter(現X)、Instagramなどに写真を上げる際、少しでも写真が映えるように硬化ケースやネームボードに装飾を施しているのです。
■映えとしてのネイル
SNSに上がっているヲタ活の写真を見るとほとんどの人がネイルにも凝っていることがわかります。このことから中高生の年代にもネイルチップの認知度が広まったのではないかと考えます。また、TikTokではネイルチップの制作している方の梱包作業の動画や作業風景を撮った動画にもコメントやいいねがたくさん来ています。
百均やSHEINで安価にネイルチップ、ネイルシールなどが手に入るため、中高生の関心が高まっています。また、ネイルチップをネット上で購入するとおまけが大量についてくるため、インパクトが強く、店舗に行ってネイルをしてもらうよりも、かなり割安でネイルを爪につけれるため、一つのジャンルとして成り立っているのではないでしょうか。
セルフネイルをしている動画にプロのネイリストからアドバイスが来ているものもよく見かけます。この場合は、セルフネイル歴が短かったり、知識が不足している場合がほとんどです。また、セルフネイルが上手い人の動画には固定の視聴者がついていたり、コメントが多数寄せられていたりなど、ファンがついていることが多いです。
〈ネイルチップとは〉
透明な爪型のチップにジェルネイルでデザインを施したものです。簡単に付け外しができるので、学生や社会人などが休日にネイルを気軽に楽しめることができます。また、爪への負担も少ないため、人気が出ています。Z世代の中での流行りであるSHEINではネイルチップが大量に販売されており、こちらで購入している人が多いイメージです。
また、ジェルネイルをしている人の中で”ワンホンネイル”と呼ばれる中華美人がよくやるネイルデザインが流行っており、そのデザインのネイルチップが販売されていたのがネイルチップが流行ったきっかけだと思われます。
〈ワンホンネイルとは〉
そもそもワンホンとは、網(ワン)はインターネット、紅(ホン)は人気を意味し、中国のインフルエンサーのことを指します。つまりワンホンネイルとは、インフルエンサーが取り入れるような中国で人気のデザインのネイルのことです。
(引用元:https://beauty.hotpepper.jp/magazine/711390/)
このワンホンという言葉は、中国版Instagram「RED(小紅書)」が発祥です。REDでは、中華美人・インフルエンサーが使用しているアイテム、メイク、ファッションなどが載っています。アプリを入れるだけで日本からも簡単に見ることができます。
〈SHEINとは〉
中国発の国境を超えたオンラインショッピングの企業のことです。最近では値段が上がって来ているように思いますが、話題になり始めた当初はアクセサリーの小物など100円を切るものも多く、Z世代の学生を中心に支持を集めていたのだと考えられます。2022年11月に東京・原宿に常設店がオープンしました。こちらの店舗では購入はできず、試着のみ可能ですが、商品のタグについているQRコードを読み取ることでSHEINのサイト内で商品を購入できます。
ネイルチップも硬化カードケースデコや、ネームボード同様に「映える」ためのツールの一つとして認識されているのではないでしょうか。
◼︎美容系インフルエンサーの広がり
メイク動画を上げているインフルエンサーにも最近では固定ファンが多くついていることも少なくありません。実際に使用しているコスメやスキンケア用品などを視聴者たちが購入しているのをよく見かけます。TikTokから有名になった人と、元々Youtubeなどで美容系として発信しているクリエイターがTikTokにも進出した人の二つに分けられます。後者は、元々ついていたファンに加えて、TikTokでも新しい層のファンを獲得しています。
◼︎様々なジャンルのインフルエンサーの発信
ライフハック系やルームツアーなど、ライフスタイル系の動画を上げているインフルエンサー・クリエイターにも最近では固定のファンがついていることが見受けられます。
画期的なアイテムや便利グッズ、おしゃれな部屋作りなど、使用しているアイテムが気になりコメントしてくれた人への返答や、自分が使用している家具などを楽天ルームにのせて誘導しているのをよく見かけます。
また、2次元のヲタクのvlogにも固定のファンがついているのをよく見かけます。綺麗系の一見オタクには見えないお姉さんが休日に1人でヲタ活をしている様子の動画になっており、たくさんのコメントがついています。動画自体のファンや、動画に載っているアニメ・漫画のヲタク同士のファンコミュニティの一貫にもなっています。また、身につけている洋服やアクセサリーなどについてもコメントがついています。
動画やコメント欄でヲタ活の内容にも触れられるため、アニメや漫画の認知度向上へと繋がっています。今回ご紹介したジャンル以外でも様々なジャンルで一般ユーザーに対するファンコミニュティは拡がっていくのではないでしょうか。