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【スタッフノート】クラシコム流「居心地が良い職場」とは?

こんにちは、クラシコム人事の筒井です。

新しく入社したスタッフと創業者の二人が話す「おしゃべり会」というのを、入社2週目にやっています。

面接で自分のことを聞かれる側だった新スタッフが、今度は逆に、高尚でもカジュアルでもなんでもOKで質問を創業者にぶつける時間です。

クラシコムならではの仕事に向かう姿勢を共有できたり、バリューについて深く知ることができたりなど、いつも大盛り上がりです。

そして先日の会では、こんな質問が。

「今まではオフィスで働いていて、そこでみなさんが集まる場があり自然とコミュニケーションがはかられる場があったと思うのですが、リモート時代に突入してからの社員の居心地の良さづくりや組織のあり方、どう考えますか?」

これをきっかけに、クラシコムが考える「居心地が良い」ということ、そして私たちのコミュニケーションの特徴についてわかったことがあったので、みなさんにもシェアしたいと思います。

居心地が良い=相手を信じられる状態


社員の居心地の良さに関しては、店長の佐藤から話がありました。
話をまとめると、こんな内容です。

「居心地が良いとは、オフィスが開放的な空間である、キッチンがあって自然と集まってコミュニケーションが取れる設計になっている、といったような物理的なことだけではなく、そこに信じ合えている関係性があるかどうかだと思っています。

自分が居心地が悪く感じるのはどんなときだろうかと考えてみると、
『なぜこの仕事をやっているのか納得できない、よくわからない。』
『相手は自分のことをわかってくれているのか疑心暗鬼になる。』
そんなシーンを想像するので。

そして、信頼しあえる関係性を醸成する上では以下のようなことを意識しています。

・会社や事業が向かう方向性などの経営判断に関する『なぜこうなのか?』という背景を、偽らず、できる限り真摯に言葉にしてスタッフの皆に伝える

・自分とスタッフの理解にズレが生じた時に、コミュニケーションを通じてすり合わせることから逃げない

・信頼関係をつくるには、ひとつひとつの仕事、言動の積み重ねから、少しでもお互いが信じられる分量を増やしていくしかない

このことは、スタッフだけでなく、お店に訪れてくださるお客さまに対しても同じです。

居心地がよい良いお店だと感じて、安心して楽しんでもらえるために、お勧めしている商品やコンテンツに対して、『本当なの?』と疑わなくて済み、信じていただけるように、真摯につくっていきたいと思っています」

コミュニケーションはワンテンポ速く、一手間多く


相手を信じ合える関係性を築いていくことは、リモートかオフィス勤務かに関係なく共通する大事なテーマですが、特にリモートワークになってからも信頼関係が変わらず継続できているのはなぜだろう?と考えてみたところ、二つの特徴に思い至りました。

一つ目は、リアクションのスピードと丁寧さです。

入社したスタッフとの面談で、よく聞く話の一つが先輩たちのリアクションが速いという感想です。

「こんなこと聞いてもいいのかなと思いながら投げかけたことに対して、スタンプで『確認します』『賛成です』といったリアクションがすぐにくるので、びっくりしました」

「リアクションが遅くなる時でも、『明日の午前中までに確認してフィードバックしますね』というように、いつまで待てばいいかということも言ってもらえるので、そわそわせずに済んでいます」

「なかなか文章で説明しにくいことについては、すぐにzoomをつないで相談させてもらえていて、ありがたいです」

などなど。

リモートワーク導入前は少し違ったような気がする……と考えていると、オフィスでよくこんな光景を見たなぁと思い出しました。

・新スタッフが同じ画面を見ながらずっと手を止めている様子を見て、先輩が「どうしたの?」と声をかける。(座席はフリーアドレスでしたが、先輩はいつも後輩の近くに座り、仕事の合間にちらちらと新スタッフの様子を見守っていました)

・新スタッフがばたばたと撮影の準備をしていたら、他チームの人が「手伝えることある?」と声をかけ、二人して撮影スタジオへ移動して行った。

オフィスでは、自分の状況や気持ちを言葉に出さずとも身体的に周囲に伝わる→自然とフォローしてもらえる→「見てもらえているんだ」という安心感につながる、という良いサイクルが生まれていました。

身体的に伝わっていた様子がリモートで見えなくなった今、先輩たちの「見守っているよ」という意識がSlack(チャットツール)上へ移行し、今までよりもワンテンポ速いリアクションや、一手間多いコミュニケーションを通じて、考えをすり合わせているのかもしれません。

小さな不安をチャーミングに共有する


そして、二つ目の特徴は、ヘルプをテキストに出せることです。

ここでヘルプと言っているのは、困っている状況や焦る気持ち、助けてほしいという感情のようなものを指しています。

こちらも1on1でよく聞かれることとして、「先輩たちが小さなことでもSlackやチームMTGで共有して、相談し合っているのを見て、自分も言っていいんだと相談のハードルが下がりました」という声です。

Slack上では、こんな投稿をよく見かけます。

「わ〜困りましたね、どうしよう!」

「**の件については、ちょっと一巡りしてみますので、少々お待ちください」

「今、AでいくかBでいくか悩んでいて、**さん相談させてもらえませんか?」


▲Slackは全般的に短い投稿が多く、言葉や絵文字でうまく感情が表現されています。

クラシコムのバリュー(スタッフの行動指針)に「センシティブ」という言葉があります。自分の気持ちや相手の状況、お客さまの様子など周囲のことを敏感に、解像度高く知覚する力という意味です。クラシコムで働くスタッフは、自分や相手の気持ちをセンシティブに感じ取り、それを適切な言葉でシェアし合うのがうまいなぁとよく思います。

かといって、不安や焦りをいつでも何でも発信すればいいかというとそういうわけではありません。二つ目のバリューに「チャーミング」という言葉があるのですが、自分が知覚したことを相手や状況に合わせて親切で丁寧に表現できる人こそ、チャーミングです。

センシティブに感じ取り、それをチャーミングに表現することが、クラシコムにおける良いコミュニケーションの形だということが前提として共有されているからこそ、小さなヘルプがそこかしこで健全な形で表現され、周囲との交わりによって自然に消化されているのかもしれません。


▲新スタッフは最初の1ヶ月間、日報を書くことが通例になりつつあります。日報では、やったことや業務の進捗・成果を報告するというよりも、その人が1日を通して感じたこと・気づいたことを言葉にすことが奨励されていて、先輩社員からのコメントがあることも。気持ちを言葉にしてチャーミングにシェアする練習の場にもなっていそうです。

真摯なコミュニケーションこそが居心地の良さをつくる


クラシコムは2020年2月下旬からフルリモートワーク体制となりました。

長期間社内の様子を観察していて、スムーズに移行できたなぁと思っていたのですが、それは、経営陣だけでなく、マネージャー・スタッフ・新入社員それぞれが、個々の景色の中で、「なぜこうなのか?」という判断の背景を真摯に言葉にし、理解のズレを見過ごさずに向き合い、日々のコミュニケーションを重ねてきた結果として、居心地が良い場が変わらなくてすんでいるんだとわかりました。

加えて、居心地が良い場は、誰かから与えてもらうものではなく、自分がそのコミュニケーションや責任を引き受けることによって得られる関係性の中にあるものだということも感じました。

入社1ヶ月目のスタッフも10年目のスタッフも変わらず、お互いを信頼し合い、本質的な仕事に力を注げるような環境を、人事としても見守っていきたいと思います。

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