「新卒1年目で、ホテルの支配人に」。
そう聞くと、少し華やかな話に聞こえるかもしれません。周囲からも「1年目ですごいね」と言っていただくことがありました。でも、当時の私の実感はまったく違いました。
入社3か月目に、SEKAI HOTEL Osaka Fuseの支配人を任されることになったとき、嬉しさよりも先に浮かんだのは不安でした。自分に何ができるのか。スタッフやまちの人たちと、どう向き合えばいいのか。そもそも「支配人らしい」とは何なのか。
足りないものばかりが見えて、焦る気持ちが大きくなっていきました。そんなとき、社長の矢野に相談しました。
「支配人らしくなるには、どうしたらいいですか」
返ってきた言葉は、今でも強く残っています。
「続けていれば段々なれるものじゃない。今日この時点で自覚を持ち、視座を変えて行動しないと、支配人になれる日は来ないよ」
矢野自身も、経営者として同じように役割に追いつこうともがいてきた人だからこその言葉だったと思います。
そこから始めたことの一つが、公式Instagramの運用です。「#支配人のとれたてORDINARY」というテーマで、布施のごはん屋さん、お祭り、商店街の日常を毎日発信しました。大きな施策ではありません。でも、SEKAI HOTELは、まち全体をホテルに見立てる事業です。支配人として、客室やフロントだけでなく、まちの魅力を知り、伝えることも大切な役割だと思いました。
社会人になることも、少し似ていると思います。「社会人としてやっていけるのか」という不安は、誰しもあるはずです。私もそうでした。だから大学3年生のとき、SEKAI HOTELでインターンを始めました。そこでありがたかったのは、「学生だから」と線引きされなかったことです。社会人と同じ視点で考え、行動する機会をもらえたことが、不安を乗り越える経験になりました。
今も、未熟さを突きつけられることはたくさんあります。それでも一つひとつが糧になると踏ん張れるのは、クジラには「若手が頑張ることはかっこいい」という価値観があるからです。任される以上、責任はあります。でも、未熟でも相談できる役員や先輩がいる。だから、安心して挑戦できるのです。
支配人になることも、社会人になることも、100%準備が整った状態で始まるわけではありませんでした。大事なのは、その時点で自覚を持ち、視座を変えて行動することだと思っています。