株式会社航和は、地域の皆様に支えられながら、医療・介護・福祉の分野で長年にわたりサービスを展開してまいりました。前身である佐々木整骨院が昭和47年に雫石町で開業して以来、「健康で楽しく元気な生活」を理念に掲げ、地域に根ざした医療と介護を実践してきました。平成19年には介護分野へ参入し、「ななかまど」を冠した居宅介護支援・通所介護・訪問介護事業を開設。さらに住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、定期巡回・随時対応型訪問介護看護など、地域の高齢者が住み慣れた環境で安心して暮らせる体制を整えてきました。平成28年には社会福祉法人結和会を設立し、障がい者の自立支援にも力を入れています。こうした歩みの背景には、地域の皆様、利用者様、ご家族様、そして日々現場を支えるスタッフの存在があります。心より感謝申し上げます。
当社が最も大切にしているのは、「スタッフあっての福祉サービス」という考え方です。福祉の仕事は、人の心に寄り添い、日々の暮らしを支える尊い仕事です。その原動力となるのは、スタッフ一人ひとりの温かさと誠実さです。だからこそ、私たちは職員が心から笑顔で働ける環境づくりを第一に考えています。プライベートが充実してこそ、利用者様への思いやりや優しさが自然と生まれる――その信念から、当社の「5つの使命」のひとつに「プライベートの充実」を掲げています。
現代の介護現場は、多忙で変化の激しい環境にあります。記録や報告、請求などの事務作業も多く、スタッフが本来の介護に十分な時間を割けないという課題があります。そこで当社では、自社で開発した介護業務支援システム「Kaigo Cloud(カイゴクラウド)」を導入し、現場の構造そのものを変える取り組みを進めています。Kaigo Cloudは、利用者様の情報共有や記録管理を簡便化し、職員間の連携をスムーズにすることで、現場全体の“見える化”を実現するシステムです。従来の紙業務を大幅に削減し、誰もが直感的に使えるデザインとすることで、事務作業の時間を短縮し、スタッフが本来の“人に向き合う仕事”に集中できる環境を生み出しています。
このシステム導入の目的は、単なる効率化ではありません。Kaigo Cloudは「人の時間を取り戻す」ための仕組みです。事務の簡素化によって生まれた時間を、より多く利用者様と関わる時間に変えていくことこそ、私たちの目指す介護の姿です。スタッフが余裕を持って利用者様と接することで、表情や声のトーン、わずかな体調の変化にも気づけるようになり、きめ細やかなケアが可能になります。それは同時に、利用者様の満足度を高め、スタッフ自身のやりがいにもつながります。Kaigo Cloudは“テクノロジーによる効率化”ではなく、“人の温かさを支えるインフラ”として機能しているのです。
また、当社では「IQよりEQ(心の知能)」を重視しています。知識や技術の高さだけでなく、相手の気持ちを感じ取る力、思いやりをもって寄り添う姿勢こそ、福祉の本質だと考えています。社員同士が支え合い、互いを理解しながら働ける関係性を築くことで、安心と温かさに満ちた職場が生まれています。特に、子育て中のスタッフにも働きやすい環境を整えており、柔軟な勤務体制や急な休みにも対応できるサポート体制を確立しています。仕事と家庭を両立しながら安心して長く働けることが、結果として高い定着率にもつながっています。
株式会社航和の強みは「人を中心に置き、ITで支える」仕組みづくりにあります。創造性と革新性をもって、現場の声から新しい仕組みを生み出す柔軟な組織。それが私たちの誇りです。今後もKaigo Cloudを軸に、ICTを活用した業務改革やデータ分析によるケアの質向上を進め、介護現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してまいります。
スタッフが笑顔で働き、利用者様が笑顔で暮らす。その両立こそが、私たちの使命です。地域に根ざし、人と人とをつなぐ福祉の新しいかたちを、ITの力と人の温かさで実現していきます。これからも株式会社航和は、「人を思い、人を支える」企業として、地域とともに成長し続けてまいります。