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上野建築ツアーから学ぶ「建築に関わる人の視点」、空間デザイナーインターンによるレポート

みなさんこんにちは、株式会社木下商会(きのもとしょうかい)です。

【「働く」をワクワクさせて、人生ハッピーにする】をミッションに掲げながら、オフィスや店舗の空間デザインを中心に事業を展開している会社です。2019年1月に設立以来、これまでベンチャー・スタートアップ企業の30〜100坪規模のオフィス移転プロジェクトを数多く手掛けてきました。

今回は、地方から約1ヶ月間上京してインターンをしていた瀧澤さんに木下商会のインターン体験記を書いてもらいました!この日は、メンバーみんなで「上野建築ツアー」へ。建築に詳しい代表から1つ1つ説明を交えながら、じっくり見学しました。ぜひレポートをご覧ください。

初めまして、静岡で国際関係を学ぶ大学2年生です。建築を大学で学んでいるわけではありません。ですが、少し建築関係のお仕事に興味を持っていました。インターンを探している時、偶然木下商会を見つけインターンに参加しようと思いました。

インターン3週目に上野に建築ツアーに行きました。この上野建築ツアーで僕が学べたこと、新たに得たものは「建築に関わる人の視点」でした。

木下商会の上野建築ツアーで観た建築物

上野公園
西洋美術館 ル・コルビュジエ
東京文化会館 前川國男
東京国立博物館
本館  渡辺仁
表慶館 片山東熊
東洋館 谷口吉郎(父)
法隆寺宝物館 谷口吉生(子)
国立国会図書館国際子ども図書館 安藤忠雄(改修)
黒田記念館 岡田信一郎
国立科学博物館 小倉強
上野東照宮
東京都美術館 前川國男
日本芸術院 吉田五十八
旧岩崎邸庭園 ジョサイヤ・コンドル

上野公園に入ると多くの建物がありました。日本芸術院、東京都東京文化会館、国立西洋美術館、国立科学博物館。私はこれらの建物を見たとき「綺麗な形だな。変わった壁の模様や屋根だな」と、抽象的で見たまんまの感想しか言えませんでした。

しかし、社員の皆さんは全く違うことを言っていました。「この屋根の形はなぜこの形なのか?」、「この壁は何でできているのか?」、「この構造はどうなっているのか?」など。皆さんは「なぜ」を常に考えていることを感じました。そして代表の村山さんが丁寧に一つ一つ説明してくださり、自分も建築に関わる人たちの視点や考え方を知ることができました。その後は自分も素人ながら、建築に関わる人の視点を持って建築ツアーをしました。

今回のツアーで最も考えながら見た建築は建築家谷口吉生さんの法隆寺宝物館でした。
この宝物館はまず外観、道、人工池から谷口吉生さんのこだわりと細かな設計を見ることができました。細かな設計というのは道のタイルの繋ぎ目の線、人工池のステンレスの柵の柱、人工池の中のタイルの繋ぎ目の線、宝物館の大きな柱が一直線に繋がるような造りになっているのです。これを教えていただいた時、非常に細かいところまで整えることで統一感を出していると感じました。普通ならやらないと思いますが、それをあえてやることで宝物館としての格を高めているとも私は感じました。

次に注目したのは入口の自動ドアです。普通の自動ドアだと動かすための機械を取り入れるために枠が太かったり、周りに機械を隠せるような壁や太めの柱があると思います。しかしこの宝物館の自動ドアにはそのような造りが見られませんでした。枠を極力細くし、洗練されたデザインになっていました。純粋なものとして見ることができるのかなと私は思いました。

入口は他にも注目すべきポイントがあり、ガラス張りの窓も工夫がされていました。格子状の枠の間に窓ガラスは、一般的には大きなガラス板に格子をつけるらしいのですが、この窓は格子に合わせてガラス板をカットし、間に設置している構造になっていました。手間は非常にかかるとは思いますが、それでも一枚一枚丁寧にやることでこの宝物館の統一感や格を表現しているのだなと思いました。

さらにここでも床のタイルと壁のタイルも位置を合わせており、展示室出口の踊り場の床と壁のタイルの位置も合わせていました。非常に細かなところまで統一することを意識していたのが伝わりました。

いよいよ中に入ると、そこで見た構造に共通していたことは「隠す」ということだと思いました。
どういうことか紹介していきます。まず目にした展示室は最初は何気なく入りました。先ほどと同様の目線で床を見ると繋ぎ目の交差点に展示の箱が置いてあり、ここでも位置について細かく調節していました。ここでふと気づいたのはライトの向きでした。展示室入口から展示室を見るとライトが全て展示物を照らしながらも、入口とは逆側に向いていたので天井を見ても眩しくあリませんでした。そのため来場者は光を気にすることがなく、展示物に集中できる環境を造り上げていました。また階段の上にあったライトは配線を綺麗に隠していました。


そして展示室を出て気づいたのはエアコンや換気扇などの位置です。一般的には天井に露出して見えると思います。しかしここにはそれが見当たりませんでした。この建物ではそれらの物を格子で隠すことで機能させていました。

私個人としては隠す以外の視点としてもう一つ面白いことがありました。それは展示のガラスとその手前にあるポールでした。ガラスは枠がほぼないような細さだったので、一瞬ガラスがないのかなと錯覚しました。この少しの工夫も展示物をより良く見せる技だと思いました。また展示物前のポールは一般的にはひもなどが繋がっていると思うのですが、ある展示室にはありませんでした。しかしポールを見るとひもがついているものを勝手に想像するのでしっかり機能していると思いました。ひもがないことで展示前の情報量を減らして展示物に集中できる環境を作っていると思いました。

宝物館は「整えること」と「隠すこと」に徹底しており、それが宝物館としての格をあげたり、また来場者の方が心地よく展示物に集中できる環境を生み出していると思いました。

今回の建築ツアーでは建築に関わる人はどんなことを考え、どんなことを意図して建築をしているのかを深く考えるきっかけとなりました。また普段なら考えもしないような視点を持つことができました。一度この視点を持つと、今後はこの視点を気にすると思いました。視点というのを意識するだけで日常生活でも学びを作り出すことができ、またより考えて生きれるようになると思いました。建築の仕事を学ぶこともできましたが、生きる上で必要なことも学べました。

以上、いかがでしたか?上野に行った際にはぜひ思い出してみてください!春休みの長期インターン採用は応募者多数につき締め切ってしまいましたが、4月開始・夏休みの長期インターンはエントリー受付中です。また空間デザイナー経験者や広島で働くオープンポジションなど様々な枠を募集中です!

このブログを読んで、「私も木下商会でインターンしてみたい!」「まずはちょっとお話を聞いてみたい!」と思った方は、ぜひオフィスorオンラインでざっくばらんにお話ししましょう。エントリーお待ちしています!

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