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耐震補強専門会社が国の登録有形文化財を継承・修繕し、運営するお話。

2024年7月末、私たちは、国の登録有形文化財に指定されている「三岸家住宅アトリエ」、通称「三岸アトリエ」を取得しました。

今後、耐震補強工事を含めた修繕工事を実施し、文化財として価値のある建物を存続させていくべくプロジェクトを進めているところです。


三岸アトリエは、ともに画家である三岸好太郎・節子夫妻のアトリエとして、1934年に建てられました。

このアトリエを設計したのは建築家の山脇巌。戦前に、ドイツのバウハウス(ドイツで創設された芸術学校。「様式」からの脱却、「装飾」を排除したスッキリしたデザインを目指した。)に留学した数少ない日本人の1人で、建築家のミース・ファン・デル・ローエ(近代建築の巨匠の1人)らに直接学んだ、正統派バウハウスの人物です。

そのような華々しい経歴を持つ山脇巌設計の三岸アトリエは、日本に現存する数少ないバウハウス建築として、建築学的な視点から見ても非常に歴史的な価値のある建物なのです。


さて、ここで三岸アトリエとの出会いについて少しお話できたらと思います。

出会いは、ふとしたことがきっかけでした。

当時、REDO JIMBOCHOの次のプロジェクトを仕掛けるべく、多方面で物件情報を収集しているところでした。

そんな中、売り手と買い手を直接つなぐ「家いちば」という不動産情報サイトの存在を知り、これまでの不動産業界にはない試みだったこともあり(*)、こんな面白いサイトがあると弊社代表の片山にそのサイトを紹介し、その場で一緒に見てみたんです。

なかなか買い手がつかずに困っているような地方の空き家や格安物件の掲載が多かったものの、東京都内で検索してみると、数は多くないものの、掲載されている物件もあり、その検索結果に出てきた物件の1つが三岸アトリエだったのです。

他にはない魅力を直感的に感じ取り、そこからの行動は早く、調査、内覧、事業計画を立て、最終的には購入することを決めました。

* 不動産取引の場合、売り手と買い手の間に不動産仲介業者が入り、取引を仲介するのが一般的で、売り手と買い手を直接つなぐサービスは少ない。


三岸夫妻のお孫さんである前オーナーの「三岸アトリエを大切にし、将来に渡って存続させて欲しい」という思いと、新しい建物を建てない建設会社として「歴史的な建物を壊すことなく継承していきたい」という私たちの思いが一致し、最終的には私たちが三岸アトリエを購入させていただくこととなったのです。

三岸アトリエは、これまで前オーナーが撮影スタジオとして運営をしており、所有権移転後も私たちが事業を継承する形で、撮影スタジオとしての運営を継続しています。他にはないそのデザイン性から撮影スタジオとして好評で、これまで多くの方にご利用いただいている状況です。

今後は、歴史的建造物の専門家、建築構造の専門家などの専門家の方々のご協力のもと、築90年を経過した建物の修繕を実施していく予定で、文化財として歴史的価値のある三岸アトリエを後世に残していきたいと考えています。



最後に、これまでのプロジェクトの経緯を振り返ってみると、「何が事業化に繋がるか、分からない」ということです。

家いちばというサイトを知らなかったら?あの時、あのタイミングでサイトを見ていなかったら?サイトを見た後に、すぐに行動に移していなかったら?

何か一つでも欠けていたら、三岸アトリエには出会えていなかったはずです。

ちょっとしたきっかけや分かれ道によって最終的な結果が大きく変わってくるように思います。

この経験から感じることは、「今考えられること、今できることはとにかくやってみる!」ということが大切だということです。

私たちの新規事業部では、上からの指示を待って行動する方が好きという方よりは、自分で考え、自ら行動するという方が活躍できる場があると思います。

そういった場で自分の能力を発揮したいと考えている方、是非ご検討ください!


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