医師→東大データサイエンティスト→カラクリ。ある数オリメダリストの軌跡。 | カラクリ株式会社's Blog
【profile】吉田 雄紀 灘高等学校に在籍時から数学に興味があり、国際数学オリンピックや国際情報オリンピックに出場し、両大会で銀メダルを獲得。東京大学理科三類に進学し、医師免許を取得。医学部...
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こんにちは!
カラクリ People & Culture の川島です。
『 カスタマーサポートを エンパワーメントする』という Purpose への挑戦を始めたカラクリ。
“ Empowerment ” とは、本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させる、つまり『力を与える』ことを指します。
カラクリには、” Empowerment ”に強い想いを持つ、優秀で魅力的な KARAKURIST-カラクリスト-が多く在籍しています。今回は2021年6月にカラクリに入社、事業の生命線を担うResearch & Development Team の Leader 川端大貴さんの『これまで』と『これから』に迫ります。
Kawabata's Profile
■19XX年生まれ。神奈川県出身。趣味は娘と遊ぶ、読書(漫画)、ドローン片手に旅行。
■2021年6月正式ジョイン。2022年4月よりResearch & Development Team (以下AI Team)のTeam Leader を務める。
東京大学大学院を卒業後、新卒でアクセンチュアに入社し4年間勤めていました。
大学院に進んだ時は、実は教員志望でした。大学入学前から数学の教師を目指していたのですが、当時の教育業界では『モンスターペアレント』というテーマで賑わっていました。何故そのような親御さんが増えているのか、自分なりに考えた結果『教育が水モノだから』という解に行き着いたんです。成功や失敗には(基本的には)理由があるのに対し、子供のできる・できないには理由がない。教育熱心な親御さんに対して論理的な説明・対応ができないんです。そうなってくると“自分の子供以外の何か”の所為にする親御さんが一定数増加しても不思議ではない。逆に言えば、できる・できない含めて教育をデータドリブンにできれば、(親御さんにとっても)教育の在り方がアップデートされるのではないか。そう考え、大学院で機械学習の研究の道に進みました。その研究室で出会ったのがCTO/CPO 中山を含めた、カラクリ AI Teamのメンバーです。
そこから大学院での時間を通じて、方針転換、卒業のタイミングでアクセンチュアへ入社しました。自分はコンサルの業界では珍しいケースで、4年間、保険業界の特定のお客様に対して寄り添っていました。役割は毎年変わったのでそちらについても少し触れますね。
1年目はかなりレガシーなシステムの保守運用を担当していました。ありがたいことに上司と自分しかいないようなPJだったので、全部やらせてもらえる環境でした。本当に右も左もわからなくても「やっていいよ〜(=やってみな)」と。ここでビジネス・システムの基礎が積めたと思っています。2年目は新規開発のPJで要件定義〜設計を担当していました。PJの初期メンバーとしてアサインされて最終的に100人規模のPJになっていったので、2人で回していた1年目と違った経験が積めましたね。3年目になると開発もやるし、テストもリリースもやるしと…遊撃部隊としてなんでもやっていました。ここで開発リードまで経験できたのはよかったですね。4年目はセールスエンジニアの役割で提案やPoCなど、開発業務と並行して、お客様と対面しながら世界観を描くようなこともやっていました。
教師になりたかったのは、私に「数学って楽しい」と思わせてくれた先生がいたのがきっかけです。私も(特定の)誰かに影響を与えられるようになりたい、という思いで教師を志しました。ただ教育実習で気づかされたのは、教師が影響を与えられるのは“ 1クラス40人 ”だということです。1人で直接与えられる影響の限界って、そんなもんなんだな、と。一方でビジネス(=サービス)であれば、直接的ではないですし、不特定の人にですが1000人でも10000人でも、もっと多くの人に影響を与えることができる。当たり前ですが真剣に悩んだからこそ、改めて気づけたんです。教員でなくとも、やりたいことはできる。そう考えてすぐに就職活動に移りました。幸い数社からいいお話を頂いた中で、「一番大変そうだな」と直感したアクセンチュアに決めたという経緯です。
カラクリのAI Team は東京大学大学院時代の研究室のメンバー(後輩)が多く在籍しており、カラクリを初期フェーズから支えています。また、創業者の麹池ともアクセンチュア入社以前から一緒に仕事をさせて頂いたり、時々 AI Teamの仕事を手伝ったりと、関係は実は長かったという前提があります。中山からも定期的に声をかけて頂いていました。
4年目でフルコミットを決断できた理由としては2つあって、1つ目はもっと新しいことにチャレンジしたいと感じたことです。何でもやらせてもらえた反面、サービスを作る・提供することはSI業界だと難しいと感じることもありました。2つ目は…1社のお客様に尽くす濃い時間を味わったことで、他の業界やお客様もみてみたいな、という気持ちが大きくなったことですね。すごくお世話になりましたし、めちゃくちゃ引き留めて頂いたんですけど、新しい環境で新しい内容にチャレンジしたい気持ちが強く、カラクリでの挑戦を選ぶことにしました。
何でもやってきました(笑)。メインの役割としてはセールスエンジニアですので、新規・既存問わず商談にも参加しますし、要件定義も設計も開発も。併せてコミュニケーションフローや業務オペレーションの設計といった組織設計もやりましたね。基本的には課題だと思ったものに自発的に動き、求められたことは全力でやるという形で、目の前の課題にとにかく頭と手と足を動かしています。
最近はTeam Leader としてマネジメントも行ったり、あるサービスを任せて頂き、PdMとしての立ち振舞いも行っています。
メンバーに任せることを意識し、時間の使い方を思考や組織に向けるようにしています。とは言いながらも、スタートアップなので基本的にはなんでもやりながら、ですが。
お客様1社の正解を見つける、のではなく『業界全体の最善を創る』という目線の違いでしょうか。コンサル(前職)では1社に月間160時間をかけて、その会社にとっての正解を模索していました。一方で、カラクリでは導入いただいている全てのお客様に対して、思考する必要があります。もっと言えばカスタマーサポートの業界全域を視て、最善とは何か?を考える必要があります。例えば、お客様であるA社から「〇〇してほしい」という要望があったときに、B社・C社にも需要はないか・使えるカタチにはならないかといった会話が社内の至る所で広がっています。個社ごとの正解ではなく、業界全体に対して最善の仕事をしようとする目線が大きな違いですね。姿勢は変わらないですが、思考の範囲を広げるイメージですね。
課題の起点もお客様でなく、業界全体を視たうえでの、自社起点のものが多いですね。お客様の要望に応えるだけではなく、社会・業界課題をインプットしながら、常に頭に世界観を描く時間が増えているのを実感できます。
期待値を超える努力と行動は常に意識しています。役割柄、求められることは多いですし期待も高いですが、“質”でも“速さ”でも何らかのカタチで、期待値は超えるようにしています。期待値というのは時間軸とアウトプットの質の軸がありますが、まず優先しているのは“クイック・アクト”です。速さは自分でコントロールできますし、速くて困る人はあまりいないので、大事にしていますね。併せて重要なのは、期待値の擦り合わせですね。期待値というのは値であり、ベクトルです。期待値に対して、正しく進めて、達する必要がある。方向が合ってるか日々確認するのも期待値を超えるには絶対に必要なアクションですね。
ちなみに、この考え方の根源は、アクセンチュア時代に言われ続けた「顧客の期待を超えろ」という言葉です。高額な報酬をもらう以上、そこを超えるのが義務だという考えが染み付いているんです。体現できるようになったのは、作業者からマネジメントの役割になった頃なので…3年目くらいですかね。前職が自分のビジネスの骨格になっていると、改めて感じますね。
あとは最後に「本当にいいのか?」と自問することは徹底しています。限られた時間とリソースの中でも、そこを考えないと妥協で終わってしまうことがほとんど。経験を使えば「なんとなくあってる」解は出せるけれど、それはベターでしかないです。ベスト、それこそエクセレントな解に至るために、少なくとも5回は「本当にいいのか?」と問う習慣をつけています。この「本当にいいのか?」という思考が1回でも多くできることが、全体に価値があるのか?局所最適になっていないか?と、良質な解を濾す機能になるんです。
目指している世界でもある“ Friendly Technology ”をいち早く体現している組織ですね。
このコンセプトは『人間が人間にしか解決できないことに注力する世界』に必要なもの。そのための手段として IT / AI で解決できることを解決していく、と私は解釈しています。
私、家電(家庭用電化製品)が好きなんですよ。自分の労力ではなく電力を使うことで、生活が便利になる。家電は高いモノほど便利で、ストレスなく使えるのでQOLが上がります。例えば、自分にとっての革命といえたのは洗濯乾燥機でした。それまで洗濯とは洗濯機を動かして、取り出して、干して(室内の場合は物干し竿をセットして)、乾いたら取り込んで、畳むというフローだったのですが、特に室内干しなどの乾かす行為に無駄を感じていました。それが洗濯乾燥機を購入したおかげで、無駄と感じていた作業が一気に排除され、やりたいことに注力できる時間が増えたのです。これはハードの話ですが、私はソフトウェアで、世の中の無駄(=ストレス)を解消していきたいと考えています。高い家電を買うというのは心理的な抵抗もあります。 それに対し IT は気軽で、サブスクリプションであれば安価でいい体験を得られますしね。実際、便利に、そして使いやすくなって嫌な人は少ないはずですので共感頂けると良いなと思います。
カラクリはこういった便利な世界を、カラクリという組織の中で徹底的に作り上げています。特に「凄いな」と思うのが、コーポレート部門のメンバーがGAS(プログラム)を使いこなしていることです。洗濯乾燥機の話は、テクノロジーが人間に寄ってきてくれた話ですが、カラクリのメンバーは自らテクノロジーに寄っていける。セールス部門も、カスタマーサクセス部門もそう。組織の至るところで、できる限り自動化していくような状態です。エンジニア部門の感覚を全社が持ち実行しているのが、カラクリという組織の特徴です。
テクノロジー に対する位置付けってすごく大事で、自分がテクノロジーに触れないと便利だと気づかない。それはつまり日常の課題が見えないということ。
だからこそ、可能性に気づかせてくれるテクノロジーはカラクリにとって“ Friendly ”を超えて“ Best partner ”という位置付け。私たちが目指す世界観を、実際の世界よりも早く体現しているんです。
メンバーには研究室の後輩も多いのですが、当時と比べても変わっていないことが多いですね…特に「純粋さ」は本当に凄いと思えるチームです。チームの役割として、研究タスクを担うことが多いのですが、学ぶのって年齢を重ねる度に重く感じるものです。昔は勢いで本を2〜3冊ぺろっと読み上げていたのが、中々読み切れない、そもそも読み始めるのにパワーがかかる…なんて経験があると思います。でも、AI Team のメンバーはそこに衰えを感じない。流れるように知識を吸い上げるんですよね。現役医師の吉田*を筆頭に、本当に優秀なメンバー達なのですが、変わらない「純粋さ」に自分も刺激をもらう毎日です。
*吉田については下記記事より参照ください
変わったのは “ Scrum CS ”をカラクリのバリューとして掲げてから、お客様からスタートしようとする姿勢が強まったことですね。研究って、自分の知識欲からスタートすることも多いんですが、お客様を理解し、お客様からスタートしようとする。これも「純粋さ」故で、カラクリのバリューを正しく取り込んで、日々の活動に活かしていると感じます。自分たちのために研究をするのではなく、お客様、そして業界全体のビジネスを変えることに本気でワクワクしているのを感じられるのが、AI Team です。
優秀なメンバーたちと、本当に凄い AI を構築、そして在るべき AI との関係性を世界に発信したいですね。
私たちのプロダクトの特筆すべき点は、“ Friendly Technology ” を突き詰めるために AIをAIによって育てやすくしていることです。やってみると分かるのですが、AIを育てるのは思っているより大変ですので、そこもAIを利用してサポートしています。その仕組みを活用して、今まで以上に気軽に AI を組み込んでいきたいです。
そのためにも、メンバーの思考時間を生み出すことが私のミッションと言えます。AI Team のメンバーは本当に優秀です。優秀なメンバーに可能な限り、考える時間を与えること。彼らが考えられれば、AI の新しい可能性も見つけられる。その時間を生み出すことが、私のやるべきことです。
目標としてはCS領域の AI で Google や Preferred Networks より高いレベルと認知されること。それができる凄いメンバーが揃っているので、絶対に到達できると考えています。お客様にとっても、CSという業界にとっても「あれも・これも」できる存在にならなくてはいけないという使命感を持っています。
ではその先にあるものは何か?
それが “ Friendly Technology ” な世界であり、
それを実現するキーが “ AI という選択肢 ”だと思います。
そしてそれを創ることが私の“ Empowerment ”のカタチです。
AI を使う、という選択に必要なものは「なんか凄そう」という漠然とした話題ではなく、「AI = 凄い!使いやすい!分かりやすい!」という確信・共通の認知です。
“ Friendly Technology ”な世界を実現するには AI って絶対必要なんですよ。でも「なんか凄い(らしい)」では全人類には使ってもらえないんです。
責任ある AI *という考え方(*AI が変なこと・意図に反することをしないように構築・運用しなくてはいけないという考え方)があるように、“今はまだ”最後の判断は人間がすべき以上、「凄いんだから使って当たり前」という価値観で使ってもらえないとダメなんです。
家電の話をした際に「テクノロジー に対する位置付けってすごく大事で、自分がテクノロジーに触れないと便利だと気づかない。」と話しましたが、AI はまだまだ触れてもらうハードルが高いようです。
だからこそ、AIに対して確信・共通の認知を創らなければ、そもそも AI という選択肢があがらない。それは非常にもったいないことですし、私たちが提唱する“ Friendly Technology ”な世界ではありません。
CS領域における 凄い AI を創り、伝える。
「 AI = 凄い!」という確信的で共通の認知を創り、伝える。
AI という選択肢を、当たり前にする。
それが自分の目指す“ Empowerment ”のカタチです。
カラクリでは、川端と一緒に「カスタマーサポートをエンパワーメントしていく」仲間を募集しています。
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