アライアンス責任者兼プロダクト責任者 渡木 保険会社とコンサルの経験生かし、テクノロジーでフィデューシャリー・デューティーを体現する
日々全力で前に進むjustInCaseTechnologiesの社員たち。この企画では、メンバーが当社にジョインするに至るまでのストーリーを、彼ら自身が語る言葉でお届けしていきます! 今回は、アライアンス責任者とプロダクト責任者を務める渡木智士です。 justInCaseTechnologies わたしの、ここから。
プロフィール:渡木智士
- 職種:アライアンス責任者・プロダクト責任者
- 趣味:お笑い鑑賞、子育て、マラソン
国内大手生命保険会社でシステム部門からキャリアをスタートさせ、その後、生保の営業現場に身を置いたことで生保営業の魅力に気付き、「より広く保険営業の現場に貢献したい」という思いからコンサルティングファームへ転職。マネージャーとしてビジネススキルを磨き、今度は「テクノロジーの力でフィデューシャリー・デューティー(※)の世界を実現したい」とjustInCaseTechnologiesへの参画を決めた渡木に、これまでの経歴や仕事に対する思いについて語ってもらいました。
※フィデューシャリー・デューティー:顧客の利益を最優先に考えて公正・誠実にサービスを提供する責任、顧客本位の業務運営
高校までは野球三昧、一念発起で掴んだ大学合格
3つ上の兄の影響で、小学2年生から野球を始めました。甲子園出場を目指し、高校まで野球漬けの毎日を送る中で、肉体的・精神的に鍛えられたことはもちろん、一生ものの友人を得ることができたことが私にとって大きな財産になっています。
しかし、勉強はというと、高校時代に受けた模試で3教科の平均偏差値が29を記録するなど、お世辞にも優秀とは言えませんでした。その結果、受験ではまさかの滑り止めで滑り止まらず。その後、一念発起して勉強に取り組み、1年間の浪人を経て、第一志望の大学に合格しました。
就職活動では、世の中に貢献できる仕事であることと、話すことを生業にしたいとの思いから、愛着のある関西の準キー局に絞ってアナウンサーの試験なども受けたのですが、そこはあくまで記念受験のような感じでした。
当時の就活環境は売り手市場だったこともあり、多くの会社が説明会を開催していました。金融業界にはまったく興味が無かったのですが、ふと保険会社がどのようなことをしているのか気になり、業界を牽引する国内生命保険会社の一社に絞って説明会に参加しました。
いくつか内定をいただいたものの、基本的にはアウトプットが異なるだけでアウトプットを出すまでのプロセスは変わらないだろうと思い、全く興味のない(当時の話ですが)仕事で一人前になれたら自信にもつながるだろうということで、生命保険会社に入社することを決めました。
高校の野球部時代
野球部のメンバーの結婚式では、みんなでユニフォームを着て余興を披露したことも
生命保険会社に入社、システム部門からのスタート
入社後初めての配属は、グループ会社であるIT企業に出向となり、保険金・給付金システムの開発チームに加わりました。知識も経験もないSEとしてのスタートは、悪戦苦闘の連続でした。
出向解除後は損保の事務システム開発、システムリスク管理、販売支援システム、営業職員管理システムなど、多領域でシステム関連の業務に従事しました。販売支援システムや営業職員管理システムなど、システムの中でも営業現場に近いものを担当したことを機に営業現場に興味を持ち、異動の希望を出したところ、支社に配属してもらうことができました。
支社ではマネージャーとして支社長や営業部長、営業職員をサポートする役割でしたが、裁量が大きく、やりたいことを何でもやらせてもらえる環境でした。ところが、世間はコロナ禍に突入し、営業職員は対面で営業活動を行うことが難しい状況となりました。
この事態を受け、会社はデジタルを活用した非対面営業を推進しましたが、対面営業に慣れている営業職員には難しく、指導する側の支社幹部や営業部長もITの専門性がないため戸惑っていました。そこで、これまで培ったシステム領域での業務経験を活かし、支社管内にてデジタル活用の研修を行うとともに、復習用に同じ内容の研修動画を制作・配信し、ハイブリッドで学べる環境を構築しました。この取組が評価され、YouTuberのようだと社内誌でも取り上げられ、全国に紹介されるなど、一定の成果を上げることができたと感じています。
もちろんそれまでにも保険の意義については理解していたつもりですが、営業現場に入ったことで身をもって感じることができたことが主に3つあります。1つ目は、保険商品自体が公的な社会保障を補完する社会性の高い商品であること、2つ目は営業職員の地道な日々の活動が世の中の金融リテラシー向上の一助を担っていること、3つ目は保険会社が学歴や年齢に関係なく努力をすれば報われる公平な雇用環境を提供していることです。
1つ目については言わずもがなですが、2つ目については、日本では、自分の人生とお金の問題について真剣に考える機会が少ないのが現状です。その中で、ライフイベントの変化を機に、将来の人生設計や資産形成を意識するようになる人は少なくありません。そうした際に気軽に相談できるよう、営業職員が日々の営業活動で関係性を構築し、いざという時に相談にのってあげることが、人々の金融知識を向上させ、より豊かな人生を送るための一助となっていることを実感することができました。また、3つ目についても実感したことですが、保険営業の世界では学歴や年齢を問わず、多様性に富んださまざまな人々が活躍しています。どんな事情を抱えた人も、努力次第で経済的に豊かになれる環境を提供していることに感銘を受けました。
一方で、営業職員は生活もあるので、保険を売らなければならない。でも本当にその保障はその人にとって必要なのか、職員方も葛藤しながら販売しているのも事実ということに気付くことができました。保険は相互扶助の精神で成り立っている素晴らしい商品ですので、顧客本位でないといけません。保険の営業活動は相互扶助の精神を広める素晴らしい活動である一方で、保険会社として利益を優先する姿勢に疑義を抱くようになったのも事実です。
生命保険会社時代。若手メンバーでチームをつくり臨んだ社内のボーリング大会
「営業現場のための仕事がしたい」とコンサルティングファームに転職
コロナ禍で時間ができたことから、将来の管理職への昇進を見据え、世の中一般的なマネジメントの知識を身に着けようとMBAの勉強を始めました。
年齢・会社・役職が異なる方々とディスカッションする中で、自分がこれまで培ったスキルや知見が社会で通用するのだと自信を持つことができたことから、自身の価値を確かめたいと思い、転職サイトに履歴書と職務経歴書を掲載したところ、いくつかの会社から声を掛けていただくことができました。
当初は保険会社で営業部長になる気でいたことから、転職する気はなかったものの、「営業現場のための仕事がしたい」という思いを軸に今後のキャリアを考える中で、コンサルティングファームであれば、1社だけでなく、業界全体に幅広く保険現場のお役に立つことができるのではないかと思うようになり、思い切って転職を決断しました。
コンサルティングファームというと「頭脳集団」のイメージがあり、やっていけるか不安もありましたが、実際に入ってみると、右も左も分からない私のことを暖かく迎えてくれました。
在籍中はグループ会社ガバナンス支援や次期システム構想策定支援、製薬会社の保険事業の初期構想策定支援など、様々な案件に携わらせていただきました。パートナー陣をはじめ、周囲の方々の丁寧なご指導のおかげで、一定程度ビジネススキルを向上することができ、本当に感謝しています。
経営者だった父の背中を追って、スタートアップでの経営に挑戦
コンサルティングファームではマネージャーとして約3年半在籍しただけですので、まだまだ未熟なところもありましたが、そこで身に着いたビジネススキルを活かし、経験のない経営の仕事をやってみたいと思うようになりました。
この思いの背景には、経営者であった父の存在があります。父は小さな会社の経営者でしたが、雇用を生み出し、従業員とその家族を支える姿は、幼い頃から私にとって憧れでした。父は「できる経営者」と称されるようなタイプではなかったかもしれませんが、大企業の管理職では生み出せない価値を生み出していたと、今でも誇りに思っています。
次のフィールドを探す中で、これまでの経験が生かせる場として保険系のスタートアップに照準を絞ることにしました。そこで以前から「わりかん保険」など新進気鋭の事業を展開している会社として認識していたjustInCaseTechnologiesとめぐり合いました。新しいことにチャレンジしている会社で、「保険業界を変えたい。顧客本位の価値を提供したい。」という代表の畑さんの言葉に共感し、入社を決めました。
joinしてみて、整備されていない部分は多いなとは感じましたが、スタートアップならこういうものなのだろうという感じでギャップは感じませんでした。
ここで挑戦することを決めたからには、「スタートアップだから」といった妥協は一切せず、私がこれまでの経験で得たスキルやノウハウを生かして、クオリティの高い価値を世の中に提供していきたいと考えています。そして、テクノロジーを活用し、フィデューシャリー・デューティーの世界を実現していけたらと思っています。
また、ボードメンバーの一員として、今後は会社をスケールし、上場までもっていくことが目標です。父のように従業員の皆さん、その先にいるご家族の生活を守り、「この会社で働いてよかった」と思ってもらえる環境を構築したいと思っています。