人生100年時代。医療の進歩などによって健康寿命が伸びる中で、定年退職後も社会活動に意欲的な方が増えています。
常光の技術サービスを支えるY.Oさんもその一人。再雇用制度を活用し、今も「イキイキと働く」を体現するY.Oさんに、長く働くための力の源について話を伺いました。
▼略歴
サービスセンター Y.O
家電修理や分析機器の取扱業務を経て、常光に入社。入社以降、仙台営業所に所属し、東北6県の技術サービスを担当する。その後、常光の東京技術研究所のサービスセンターに異動し、現在に至るまで製品の修理・保守サービスに注力している。
※本記事に記載の所属・内容については公開時点のものです。
お客様の信頼を得るために「最後の最後まで確認を怠らない」
ーー本日はよろしくお願いします。Y.Oさんはお子さんの誕生をきっかけに常光へ転職されたんですよね?
そうなんです。私は大学進学とともに地元の岩手から上京し、そのまま東京で就職をしました。家電の修理会社や分析機器の輸入会社など、一貫して機械を扱う仕事をしていたんです。
しかし、30歳になる頃に子どもを授かったことで「育児は田舎の方でしたい」と考え、常光の「仙台営業所」の募集に応募しました。
ーー入社後はどのようなお仕事をされてきたのでしょうか?
東京の研究所で研修を受けた後は仙台営業所に所属し、20年近く東北6県の技術サービスを担当していました。次のステップとして東京技術研究所のサービスセンターのポストを打診され、現在に至るまで各営業所から機器に関する相談を受けたり、サービス職のトレーニングなどを行っています。
いわゆる修理屋さんとして、とにかく機器トラブルが起これば、医療施設に訪問して修理を行うことが多かったですね。
一言で「修理」と言っても対応はさまざま。時には予想以上に機器の損傷が激しく、他の営業所と連携して代替装置を手配してもらったことも……。装置が届くまでは検体の測定もできないということで、近隣の病院まで検体を持っていって測定をしてもらうなど、医療施設間を1〜2往復したなんてこともありましたね。
ーーそれは大変ですね。そこまで向き合えると医療施設の方々もすごく信頼してくれそうですね。
そうですね。お客様から信頼を得ることは大切だと思います。信頼してもらえるからこそ「話したいから来てほしい」と直接声をかけてもらうことも多いんですよ。
大抵は新しい装置の導入や機械の更新についての相談だったりするので、築いた信頼がしっかり営業にもつながる仕事だなと思います。
ーーY.Oさんが仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
修理にしてもその他のお客様対応にしても「最後の最後まで確認を怠らない」ことですかね。
やはりサービスとしてお金をいただいている以上は、お金をいただくだけの対応をするのは大前提。単に時間の経過によってお金を得るのではなく、その時間内で「どんな成果を出したか」を意識することで、お客様からも感謝していただけるのだと思います。
まだまだできることがある。頼ってもらえることが力の源に
ーー現在もフルタイムで働かれていますが、そのバイタリティはどこから生まれてくるんでしょうか?
そうですね。もちろん「子どもが独立して定年を迎えたらどうしよう」みたいなことは考えていました。
しかし、いざ定年を迎えた時に「まだまだできることがある」と思ったんです。仕事を辞めるという選択肢もありましたけれど、中途半端に終わるのはソワソワするなと。後進の育成などもあり、頼ってもらえるという実感は活力になっていますね。
現在携わっている仕事も定年前となんら変わらず、その延長線上で働かせてもらえています。全国のサービス職のメンバーを支援したり、修理に必要な部品を送ったり……。実際の修理の現場に出ることもあれば、各支店・営業所に足を運んでトレーニングを行うために出張することもあります。
ーー出張までされているんですね。体力面でもすごくエネルギーを使いそうです。
実は体力には自信があるんですよ。東京技術研究所に異動になった当時、ダイエットを始めたんです。その影響で一時期、ウォーキングにハマってしまって……1日で40kmくらい歩くなんてこともありました(笑)。
すでに50歳を過ぎていましたが、そこから食べるものにも気を使って足腰も体力も鍛えられて、おかげさまで元気になりましたね。
ーー健康第一ですね。長く前線で活躍されているY.Oさんが感じる「成長し続けられる秘訣」があれば教えてください。
そうですね。好奇心高く、あらゆることに興味を持つことだと思います。
私は大学時代に電子工学科で電気回路などについて学んでいました。また、タイミング的にもパソコンが世に出始めたところで、以前は専門業者でもなければ触れなかったような大型コンピュータが身近なものになったんです。
パソコン好きな友人がいたこともあって「装置は大体こういう動作をする」や「プログラムはこう動くんだ」といった知識が自然と身についたことは幸運でした。今でも装置が動かない際に「これが原因では?」と感覚的に分かる部分があるのは、自分で手を動かして触ってきた経験があってこそ。やはり経験値によるものも大きいと思います。
とはいえ、感覚や経験値を十分に生かすには「知識」が必要です。日頃の業務でわからないことが出てきたら調べてみる。お客様から教えていただけることを吸収する。私自身も「新しいことはとにかく覚えよう」という姿勢を大切にしています。
常光で活躍しているメンバーを見渡してみても、自発的にさまざまな学びを得ようとしている人は成長が速く、伸びも大きいです。やはり若いうちからいろんなことに興味を持って、自分なりにさまざまな研究をしていってほしいなと思いますね。
常光は良い変化をし続けている
ーー常光の魅力を教えてください。
75年と長く続く企業でありながら、変化することを恐れない会社です。私が入社した当時から現在まで「会社が良い方向に変わり続けている」と実感しています。
時代に合わせて職場の環境やコミュニケーションも変化していますし、若手のメンバーも年齢の垣根なくフランクに話してくれるので、雰囲気も明るい会社です。私自身も若いメンバーにさまざまなアドバイスをしたり、逆に教えてもらうこともあって面白い環境ですね。
みんなで話し合いながら仕事を進められるのは、常光の大きな魅力だと思います。
ーー最後に、今後の目標を教えてください。
このまま健康的に今の仕事を継続していけたらいいなと思っています。
私が担っているミッションは「若い世代へのバトンつなぎ」です。これから会社の舵取りをするのは間違いなく若い世代。彼らが成長するために私の持っている知識は出し惜しみせずに伝えていきたいと思っています。
良い意味で「私の役目はもうないな」と思えるほど、若いメンバーが成長してくれたら、横浜の港でのんびり魚釣りをするのも楽しいでしょうね。