IT業界で30年以上のキャリアを積み、大手企業の自社サービスを牽引してきた坂本。彼が2022年、IT FORCE入社直後に託されたのは、介護タクシー予約アプリ『よぶぞー』の事業責任者という役割でした。先日、同事業は「ニューズウィーク日本版」SDGsアワード2025にて受賞。坂本の歩みと、彼が見据える「情報の分断」という社会課題への挑戦に迫ります。
Profile
坂本(Sakamoto)
よぶぞー事業部 事業部長
1992年にSEとしてキャリアをスタート。大手SIerや大手プラットフォーム事業者を経て、2022年5月にIT FORCE入社。現在は「よぶぞー」事業部の責任者として、プロダクトマネジメントから組織・事業運営までを一手に担う。
「よぶぞー」との意外な出会いと、30年のキャリアの結びつき
ーー坂本さんはこれまで大手IT企業で長く活躍されてきましたが、IT FORCEへ入社された経緯からお聞かせください。
元々はSalesforce事業のPMとしてリファラルで入社しました。自分自身が50歳という節目を迎え、新しい領域に挑戦したいという思いがあったんです。ところが、入社して数日も経たないうちに代表の陰山から「よぶぞーも見てほしい」と打診されまして。まさに急展開でしたね(笑)。
ーー最初から「よぶぞー」をやる予定ではなかったのですね。
そうなんです。ただ、私自身40代を過ぎてから「社会貢献」というテーマを強く意識していました。過去の経験で病院の予約システムにも携わっており、リアルの体験を豊かにする「O2O」という文脈で、介護の予約というテーマには自然と関心を持てました。
「情報が届かない」という、介護現場の深い溝
ーー実際に事業を動かし始めて、どのような課題を感じましたか?
一番感じたのは「情報が本当に伝わっていない」という実態です。私自身もよぶぞーに携わって初めて気づいたのですが、行政の枠組みや介護保険の仕組み、介護タクシーという選択肢があること自体、必要に迫られるまで誰も知らない。そして、いざ必要になった時に「どこに聞けばわかるのか」すらわからない状態なんです。
ーーその「情報のギャップ」をよぶぞーが埋めているわけですね。
はい。アプリストアの評価を見ると、「今まで予約方法がわからなかったのに、よぶぞーのおかげで予約できた」といった声が非常に多いです。また、介護タクシー事業者様からも「これまでは施設からの予約ばかりだったが、初めて一般の方から直接予約を受けられた」という声をいただいています。利用者様と事業者様の距離を縮められていることが、最大の貢献だと感じています。
アワード受賞で見えた「継続性」の価値
ーー先日、「ニューズウィーク日本版」SDGsアワード2025にて社会部門賞を受賞されました。率直な感想を教えてください。
自分の中で「自信が確信に変わった」という感覚です。ソフトバンクの孫正義さんがかつておっしゃったあの言葉に近い手応えですね。SDGs関連の受賞はこれで2つ目になりますが、単なる一過性の取り組みではなく、4年間腰を据えて事業を継続してきたこと、そしてビジネスとして自立させていく覚悟を評価いただけたと感じています。
ーー周囲の反応はいかがでしたか?
チーム内や協力会社さんも「よぶぞーさんなら当たり前だよね」という反応でした(笑)。それだけ期待値が高いのだと再認識しましたし、受賞を通過点として、さらに身が引き締まる思いです。SDGsの第一人者である蟹江教授との対談を通じても、「いかに維持し、継続していける仕組みにしていけるか」というお話をいただき、継続性の重みを改めて感じました。
2026年度に向けた挑戦と「概念化」への道
ーー今後、事業としてどのような展開を考えていますか?
まだやりたいことの10%も達成できていない感覚です。直近では「病院や介護施設向けの予約・管理システム」の構築に注力します。施設スタッフの方は業務用のPCで管理を行うため、個人向けのスマホアプリとは全く異なるアプローチが必要です。高いセキュリティ基準を満たすエンタープライズ(法人)向けのSaaSへと進化させていく予定です。
ーー最終的に目指すブランドの姿を教えてください。
サービス名がその役割を指す「概念化」です。「Uberする」「GOする」と言えばタクシーを呼ぶことだと伝わるように、介護タクシーに関しても「よぶぞーする」と言えば通じるインフラにしたいですね。また、旅行業の免許も活かし、付き添いヘルパーの手配や宿泊までを一括で提供できる「オールインワンの福祉介護サービス」として、圧倒的な代名詞になることを目指しています。
【参考リンク】
【よぶぞー事業部長インタビュー】組織と仕事について -「やったもん勝ち」の文化と改善のスピードがプロダクトを強くする-