合意形成のプロセスをデザインする。それがこれからのアートディレクターの仕事 | 株式会社インフォバーン
プロジェクトのビジュアルを統括するアートディレクター。手掛ける領域はビジュアルデザインに止まらず、企画やスケジュール進行、チームのマネジメントなど多岐に渡ります。業界や会社によっても仕事内容が異...
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インフォバーンで働く社員へのインタビュー企画。今回はエクスペリエンス部門でコンテンツディレクターとして働く小沼さんのインタビューです。
新卒でアパレル会社に入り、本当にやりたかった編集の世界にやってきた小沼さん。「メールの打ち方も知らなかった」と語るように、最初は両者の仕事の違いに戸惑ったそうです。
そんな状況でも持ち前の粘り強さで編集者としての力を伸ばした小沼さんは、更なる成長の機会を求めインフォバーンへとやってきます。入社して感じた前職とのギャップやインフォバーンで働く人の特徴、そして今感じている成長実感まで幅広いお話を伺いました。
ーー小沼さん本日はよろしくお願いいたします。まずは小沼さんの人となりを伝えたいと思っているのですが、今ハマっているものを教えてもらえますか?
音声コンテンツは結構聴いてますね。インフォバーンのポッドキャストも聴いてますよ!
ーーありがたいです。誰がゲストの回を聴きました?
上野さんの回が記憶に残ってて、インフォバーンがある神泉は元々銭湯だった、と知って驚きました。話題が上野さんっぽいなと、勝手にホクホクした気持ちになりました(笑)。
▲アートディレクター上野さんのインタビューはこちら
今度案件で音声コンテンツを提案しようとしているのもあり、リサーチも兼ねていろいろなポッドキャストを聴いています。SmartHRさんやコクヨさんがやってるポッドキャストは新たな発見が多く、聴いていて楽しいです。あとは『ゆとたわ』や芸人の『ナイツ』が好きなのでそういうのを聴いています。作業しながら聴くことが多く、無音が苦手なのかもしれないです。
ーー作業しながらポッドキャストを聴くのって難しくないですか?
作業の内容にもよりますね。原稿を編集する時は無音じゃないと無理です。けど、リサーチは何か聴きながらのほうが捗るんです。多分、適度に意識を分散できるからですかね。でも、ポッドキャストはいいのですが、Jpopはダメですね。歌詞が頭に入ってきてしまうので。
ーーポッドキャストはいいけどJpopがダメなのはおもしろいですね。リズムやメロディーがノイズになっちゃうんですかね。
そうかもしれないです。私もすごい不思議に思っています。
ーー「翼広げ過ぎ!」「僕の声届かな過ぎ!」とかでイライラしちゃうとか。
イライラはしてないです(笑)。
ーーそうですか。ではここからは仕事の話をきかせてください。小沼さんはインフォバーンが三社目だと伺っております。一社目はどんな会社だったんですか?
一社目はアパレルの会社でした。新卒で入って販売をやってましたね。大学時代に販売のアルバイトをしてておもしろいなと思い、それをそのまま仕事にした感じです。
もともと本が好きだったり文章を書くのが好きだったので、就活をはじめた当初は出版社を中心に見ていました。なんですが、出版社って狭き門じゃないですか。だからそっちはいったん諦めて、アパレルの会社に入社したんです。
ーー 一社目はアパレルだったんですね。
そうなんです。仕事内容うんぬんよりも上下関係が厳しい職場だったので辛かったですね……。ルミネ新宿の店舗に配属されたんですが、売上目標が高く設定されていたのもあって、店長含めみんなピリピリしていました。その会社の次に前職にあたる編集プロダクションに入社しました。
ーーアパレルと編集プロダクションだと業務内容がかなり違うと思うのですがいかがでしたか?
働くにあたって必要になる「基礎」から違っていたので、覚えることがいっぱいで大変でした……。
ーーどういうことですか?
一社目はほぼ接客仕事なので、いわゆるビジネスマナーみたいなものを知らずに働いていたんです。名刺は先輩より先に交換しちゃダメとか、そういうことも知りませんでした。あと、前職ではパソコンを使うことがほとんどなかったので、メールの打ち方も知らなかったんですよね。それらが一気に求められるようになったので、二社目に入社した当初はとても苦労しました。
その編集プロダクションでは紙7割・Web3割で制作を主にやっていました。紙ではファッション通販のフリーペーパー作りや、生活情報誌や美容雑誌の記事づくりをやってました。Webでは出版社が運営するオウンドメディアの記事制作などを行っていました。オウンドメディアでは毎月80記事ぐらいの記事を制作していたので忙しかったですね。
ーー80記事は多いですね。思い出に残ってる仕事ってありますか?
入社三年目で70ページぐらいのレシピの小冊子を作った仕事は記憶に残っています。クライアントはお魚の団体さんで、間に代理店がいて、という座組みでした。その仕事で30種類くらいの魚を使ったレシピの撮影があったんですけど、撮影の二日前に代理店が「魚の手配ができなくなりました」と言ってきたんです。
代理店に「撮影日をずらしましょう」って交渉したんですが「撮影日はずらせません」の一点張りで。えー!ってなったんですけど、結局自分たちでどうにかするしかないので、築地に行って魚を仕入れて撮影したのは痺れた経験でしたね。「メヒカリって、こんな小さいのに1万円もするのか!」と、築地で震えたのを今でも覚えています。
ーー築地に魚仕入れに行った人、なかなかいないので自慢した方がいいですよ。そんな小沼さんがインフォバーンを知ったきっかけって何なんですか?
インフォバーンという会社名は知っていました。当時は大きなWeb制作会社っていうイメージでしたけど。転職先として意識し出したのは、転職エージェントに紹介されてからですね。会社のホームページを拝見して、勝手ながら業務内容だったり会社の強みとされているところが、自分と通ずる部分があると感じました。
前職ではWeb領域の仕事をそこまでやってこなかったので、次の会社はWebに強い会社に行きたいと思っていたんですが、そういった会社の面接を受けてみると面接で何を言ってるのか全然わかんないんですよ。
面接官と話がまったく噛み合わない。そんな感じだったのでインフォバーンの面接も話が噛み合わないだろうと思ってたんですが、面接を受けてる時に「あれ?話が通じるぞ?なんか近しいところがあるかも?」って思ったんですよね。
ーーへ〜。
自分がやってきたことを活かせる会社なのかも、と思いました。どこの面接でも毎回ポートフォリオを持参してたんですが、それについて質問されることってなくて。けど、インフォバーンの面接では、すごく興味をもってもらえたんです。「これってどうやって作ったんですか?」と質問してくれて、そういう話ができたのはインフォバーンだけでしたね。
今思い出したんですが、インフォバーンのオンライン面接開始前、めちゃ緊張して面接官の入室を待っていたんですが、時間になって面接官がやってきたと思ったら「ごめんなさい!今会議室が空いてなくて少々お待ちください!」とバタバタされてるのを見て緊張が和らぎました(笑)。なんかいいなあと思いましたね。
ーー良い風に受け取ってもらえてよかったです。入社して感じたギャップなどはありましたか?
前職とのギャップになるんですが、前職ではクライアントから送られてきた資料はとりあえず印刷して保管してたので、インフォバーンに入社して「印刷しないのか!」と驚きました。恥ずかしながらGoogleカレンダーもインフォバーンに入るまで使ったことがなかったので、その点もデジタルな会社だと驚いた点ですね。
毎日が締め切りっていう感覚も最初は慣れませんでした。前職では紙がメインだったので、入稿・校了前はめちゃ忙しいけど、その後はゆったりして……と忙しさに波がありました。けど、インフォバーンでは毎日やらなくちゃいけないタスクがあって、それを管理していかなきゃいけない。今では慣れましたが、最初は戸惑いましたね。
あと、業務の話ではないのですが、「会社の机周りがシュッとしてんな!」とも思いました。前職の職場では、みな机の上に紙の山を築いていたので、モニターしか置かれていないインフォバーンの机周りがカッコよく見えてましたね。「フリーアドレスやばー」ってなってました。
ーー机周りがカッコいいという話は初めて聞きました。目の付け所がシャープですね。話を聞くに前職とはやることも環境もかなり変わったと思うのですが、苦労したことなどありましたか?
もうめちゃくちゃありますね。まずは資料作りでしょうか。入社して間もない頃、当時の上長に「送った資料をクライアントがどう使うかまで考えなきゃ作る意味がない」と教えられました。送った資料はクライアント側の担当者だけでなく、担当者以外の方々も見るはず。その時に資料だけで内容が理解できるものにしないといけない、ということですね。メールのやり取りも一緒だと。
そこまで考えるのがクライアントワークと教わり、私にできるかな……と不安になる一方、本当にその通りだなあと痛感したのを今でも覚えてます。相手が判断できるよう整えるまでが仕事なんだ、なんて痺れる仕事なんだ、と思いましたね。
インフォバーンの人たちは物事の俯瞰視点を忘れない人が多いですよね。「それってなんで?」の視点がちゃんとあると思います。前職の私は「クライアントの言うことは絶対」の考えのもと、言われたことを自分の視点を持つことなく進めることが多かったと思います。けど、クライアントと直接対峙することも多いインフォバーンでは、「これは本当にクライアントと生活者のためになるのか?」という視点をものすごく大事にしていて、その姿勢はとても大きな学びでした。
ーーおお。
タスク管理も苦労した点です。入社当初3案件を担当することになり、毎日何かの締切があって、でも会議も毎日あって、どうしようってパニックになってました。当時は毎日が必死で、明日のタスクなんて見えていなかったんです。
でもそうすると、明日の予定を把握してないから、言われたことを全部引き受けちゃう。結果、案件が回らない、稼働もヤバい、となっていろんな人に迷惑をかけてしまいました。そういった失敗を踏まえて、決められた期限までにできる/できないを判断するためにも先のタスク管理をするようになりました。それが結果的にクライアントにもチームにも迷惑をかけないことに繋がっていると思います。プライベートは予定を立てるのが大嫌いな性分ですが、せめて仕事だけは予定を立てるように頑張ってます。
ーーめちゃ反省できてすごいですね。
いえいえ。あとはインフォバーンでチームで働くことの意義を知った気がします。前職ではすべて自分一人でなんとかしなきゃいけないという意識が強く、そもそも社内の人に解決策を求めるっていう選択肢がなかったんですよ。
何かトラブルがあった時も自分で考えて、全部一人で解決しなきゃって思ってたんですけど、チームで働くインフォバーンの仕事を通して意識が変わりましたね。もちろん一人でやったほうが楽な場面もあるとは思うのですが、人に頼るところは頼ったほうが案件として成功に繋がることが多いと気づきました。
全部自分一人ではできないから、自分のやれることはしっかりやった上で、できないことはチームのみんなを信頼して任せる。そういう風に考えられるようになって、ずいぶん楽になりました。自分の弱さを認めてあげられるようになったんだと思います。「できません」と言う勇気もちょっとずつ身につきました。
ーー部門会議で「小沼さんの成長がすごい!」と言われていたのがすごい記憶に残っています。どういった経緯だったのでしょうか?
いやいやいや、めっそうもありません……。けどありがたいですね。サイト制作の案件があって、そこでの仕事を評価していただけたのだと思います。
40ページぐらいあるサイトを社内メンバー4人で行うことになり、私はコンテンツディレクターとしてコンテンツ制作を担当することになったのですが、それだけじゃなくクライアントとのやりとりや社内の取り仕切りなど幅広く役割をもつことになりました。
もともとは公開まで余裕のあるスケジュールだったのですが、クライアント側のどうしようもない都合もあり、気づくと「あれ?スケジュールやばくない?」という状況になり……。もう最後の方は「やばいやばいやばい」みたいな感じになってましたね。
そんな状況でも公開日は絶対守んなくちゃいけないので、どこに今ボールがあるかわかんないけど、そのボールを自分で捕まえにいく、捕まえにいくというよりボールを可視化するような働きかけを主体的にするようになりました。
ーーその経験を通してご自身的にも成長実感はあったのでしょうか?
そうですね。あったと思います。私は人に遠慮しがちなので、自分からチームメンバーに働きかけることはあまりありませんでした。けど、先ほどお話ししたような状況で「自分がなんとかするしかない」という気持ちが芽生え、主体的に行動できるようになったと思います。人の目が気にならなくなったんですよね。これは自分の中の成長ポイントかなと思っています。
ーーすごいことだと思います。
「完璧思考」から脱却できたのも成長した点ですかね。これまではなんでもかんでも「完璧にやらなくちゃ」とか「自分で全部やらなくちゃ」みたいな考えだったんですが、その「完璧」って自分にとってのもので、相手にとっては全然違うものだったりとかすることも多々あることに気づきました。
納得のいくものを提出するのは大事ですが、自分が完璧だと思うことは重要ではなく、決められた期限までにできることをちゃんと守ってやってくみたいなところが、結局一番大事なんじゃないかなと思うようになりました。
ーーすごく大きな変化ですね。ちょっと話は変わりますが、インフォバーンで働く人の特徴はどんなところだと思いますか?
「自分軸」をもっている人が多い気がします。やることも、やらないことも、きちんと自分の中で理由を持っている。自分はそれとは逆の「言われたことをやる」人間だったので、インフォバーンに入社して驚きました。
相手に伝えることを惜しまない人も多いですよね。正直、このへんのコミュニケーションって手を抜こうと思えばいくらでも抜けると思うんです。けど、めちゃくちゃ労力がかかるその作業を省かない人が多いので、すごく信頼できます。そんな人たちと仕事をするたび、「かっこええ……私もそうなりたい……」と思っています。
あと、人格を否定する人もいないですよね。仕事の間違いを指摘されることはもちろんあるけど、それはあくまで仕事の話。「あなたはこうだからダメなんだよ」「あなたのそういうところが……」と言う人がいないのも、すごくいいことだなあと思っています。働いていて安心感がありますね。
ーーさきほどの成長実感のところでお話しいただいた「人の目を気にせず、主体的に動けるようになった」という成長は、もちろん小沼さんの頑張りによるところが一番ですが、人格を否定しない周りの人たちの安心感によって徐々に育まれたものかもしれませんね。
ああそうかもしれないです。うん、それは間違いない。まとめてくださってありがとうございます。
ーーでは最後に、インフォバーンに興味をもってくれている方に一言あればお願いしたいです。
インフォバーンって個人の意思を許容しながら、しっかり人を見てくださる人がたくさんいる会社だなって思うんですよね。社会に馴染むみたいなところに苦手意識がある人も、人と一緒に物事をワイワイ進めていきたいっていう人も、なんかどっちも居心地よい環境がインフォバーンにはあります。
特殊な場所ですよね。オフィスで仕事をやってるとワイワイやってる人もいれば、なんか黙々とやってる人もいたりして。性格の多様性といいますか、そういうのがすごい会社だなって思います。「仕事と人間関係って自分にとって切り離せないなあ」って思う人は、きっとマッチすると思うので、よかったらインフォバーンを受けてくれると嬉しいです。