今回は、宿泊事業本部を支えるプロダクト開発部 部長に、これまでのキャリアや仕事の面白さ、そしてこれからの展望についてお話を伺いました。
ユーザーの声に導かれて|一休での20年
インタビュアー: さっそくですが、前職は受託開発の会社にいらっしゃったんですよね。そこから転職して、一休に入社されたきっかけは何だったんですか?
田中さん: 新卒で2年ほどしかいなかったんですが、料理教室のシステムを作る機会があって。その時に、実際にシステムを使う人の反応を直接見ながら仕事をするのがすごく面白かったんです。ユーザーの「こんな機能が欲しい」とか「ここが使いづらい」といった声を聞きながら、プロダクトを良くしていく方が自分に合ってるなと。当時からユーザーに直接価値を届けられるサービスに興味があったので、一休はまさにそういった環境でした。
入社当時は、開発メンバーが6人しかいない頃で、一休.comレストランをローンチするタイミングでしたね。マザーズに上場したばかりのタイミングで、とにかく何でもやれる、という雰囲気に惹かれました。
インタビュアー: 一休で約20年間、様々なプロジェクトに関わってきた中で、特に印象に残っているプロジェクトはありますか?
田中さん: 毎年何かしら記憶に残るプロジェクトはあるんですが、直近だとやっぱり「Go To トラベル」や「全国旅行支援」といった大規模なイベントですね。国の施策と連動するプロジェクトは大変でしたが、企画段階から関わって、どうすればユーザーがスムーズに使えるのかを考えながら、スピーディーに開発を進めました。結果的に、多くのユーザーにご利用いただき、大きな成果を出すことが出来ました。
インタビュアー: プロジェクトを成功させる上で、特に意識していることはありますか?
田中さん: プロダクト開発においては、ユーザーと施設様の双方の視点から課題を深く掘り下げることを意識しています。ユーザー向けの施策であれば、行動ログや予約傾向のデータをもとに「どうすればこの体験がより良くなるか」を考えます。一方、施設様向けの施策であれば、営業と一緒にご担当者様のお話を直接伺いながら「こういう仕組みなら、より多くの施設様の課題解決につながるのでは」という仮説を立てて、開発を進めます。
インタビュアー: なるほど。データや現場の声から、サービスのあり方を考えていらっしゃるのですね。一休は長年、ユーザーファーストで質の高いサービスを提供しているイメージが強いのですが、施設様向けの視点というのは非常に興味深いです。具体的には、どのようなきっかけでその発想が生まれたのでしょうか?
田中さん: 以前、社長の榊が海外のサービスを分析したところ、テクノロジーの力だけで施設様が自立的に販促を行える仕組みがあることを知ったんです。これまではユーザーと向き合うことが中心でしたが、この学びを機に「テクノロジーで施設様の課題を解決する」という視点をさらに深め、より良いサービスのあり方を追求するようになりました。
インタビュアー: それは大きな転換点ですね。具体的に、どのようなアプローチで進めていったのですか?
田中さん: 事業本部長や営業と直接ホテルに足を運び、ご担当者様のお話を伺いながら、理想の仕組みは何かを議論していきました。そうして生まれたのが、施設様が自立的に売上をコントロールできるプロモーションツールです。ユーザー向けとはまた異なる視点での開発に、大きな面白さを感じました。
失敗から生まれた成長と今後の挑戦
インタビュアー: 順風満帆に見えますが、苦労したプロジェクトや失敗談はありますか?
田中さん: もちろんありますよ。特に、先ほどお話をした施設様向けのプロモーションツールは、リリース当初は課題が多くありました。施設のご担当者様が自立的に集客や販促ができることを目指して作ったんですが、なかなか思ったように使ってもらえなくて。途中から方針を変え、困っている施設様を支援するプログラムへと転換しました。その結果、今では多くの施設様に活用してもらっています。
インタビュアー: プロダクトは作って終わりではなく、使われ方を見て、改善を繰り返していくことが大事なんですね。現在のエンジニアチームにはどのような役割が求められているのでしょうか?
田中さん: これまでは、社長や事業本部長、マーケティングディレクターが「これをやるべきだ」と決めたことを、エンジニアが形にするということが多かったんです。しかし、これからは「事業責任者や営業とともに課題発見のフェーズにも積極的に関わり、事業の成果に繋げる」ことをより強く求めています。
例えば、営業担当に同行して施設のご担当者様がどんなことに困っているかを直接聞いたり、ユーザーの行動データを分析して潜在的なニーズを発見したり。エンジニア自身が事業貢献を意識し、自立的に動けるようなチームに進化させたいと考えています。
多様な視点と柔軟な意思決定
インタビュアー: プロジェクトの意思決定はどのように進められているのですか?
田中さん:一休では、意思決定を特定の誰かが決めるのではなく、チーム全体で創り上げていくんです。
毎週、最新のデータや状況をもとに、社長や事業本部長、マーケティングディレクターと徹底的に議論していて、時には先週の結論が今週には変わることもあるほど、常に最善の選択肢を追求しています。
最前線で働くメンバー全員が、プロダクトの成長を自分ごととして考え、関わっているからこそ、スピーディーかつ柔軟な意思決定ができるんです。
インタビュアー: なるほど。そのスピーディーな意思決定を進める上では、エンジニアの皆さんにも非常に主体的な姿勢が求められそうですね。
田中さん: まさにその通りです。エンジニアはただ言われたものを作るだけでなく、サービス思考やプロダクト思考を持って、どうすればサービスがより良くなるかを常に考えています。事業の成果に直接貢献することが求められるので、ビジネス的な視点やPdM(プロダクトマネージャー)的な動きも求められますね。
インタビュアー: 職能の垣根を越えた、幅広いオーナーシップが求められるのですね。プロジェクトの実行にあたっては、マーケティングディレクターやデザイナーと密接に関わると伺っていますが、具体的にはどのような役割分担になっているのでしょうか?
田中さん: マーケティングディレクターはプロジェクトマネジメントには直接関わらず、プロダクトの方向性を一緒に議論するパートナーという位置づけです。マーケティングディレクターが大枠の方向性(ドラフト)を提示したら、それをどう実現するかは、エンジニアやデザイナーも交えてみんなで話し合って決めていきます。そして、開発途中のプロダクトをデモして、解決したい内容に合っているかを一緒に確認していく。それぞれの専門性を持ち寄り、一つのゴールに向かって協力しています。
一休で働く魅力と求める人物像
インタビュアー: 最後に、一休で働くことの魅力を教えてください。
田中さん: 多くの人が「タイトル」や「組織」に縛られずに働けることが、大きな魅力だと思います。社長も事業本部長も、誰が言ったかではなく、何を言ったかを常に追求しています。報酬や肩書きよりも「何ができるか」「何ができたか」という価値観を大事にしている人が多いですね。
インタビュアー: 変化の激しい業界で働くことは大変なことも多いのではないでしょうか?
田中さん: そうですね。例えば、最近では一休.comとYahoo!トラベルのアプリを新たに開発しました。かつては、アプリ開発を止めようとしたこともあったのですが、エンジニアのメンバーとチーフデザイナーが「ユーザーとのコミュニケーションチャネルとして改めて重要」だと発案し、開発もリードしてくれました。
このように、誰が言ったかではなく、何を言ったかを重要視し、時代に合わせてサービスのあり方を柔軟に変えていく姿勢が求められます。
かつて20〜30名の組織だった一休ですが、現在は350名ほどの組織へと成長しました。しかし、組織の規模が大きくなっても、「ユーザーに良いサービスを届けるために何をするのか?」という問いと真っすぐに向き合う姿勢は、変わっていません。プロ意識の高い信頼できる仲間と共に挑戦できることや、ユーザーのことを真っすぐに考えている社長の「ユーザーにとってこれがいい」というブレない姿勢も大きな魅力です。
加えて、宿泊や飲食は生活に身近な事業なので、自分の仕事がダイレクトにユーザーや事業の成果に繋がることを実感できます。
「自分の力で事業に違いを生み出したい」というチャレンジ精神のある方と一緒に、一休を成長させていきたいですね。
この対談を通して、当社のカルチャーや目指す方向性について、より深く理解していただけたでしょうか?
この想いに共感し、共にレストランや宿泊業界の未来を創っていく仲間を心待ちにしています!
プロフィール
宿泊事業本部 プロダクト開発部 部長
田中 健介
東京工科大学 メディア学部 卒業
2004年 株式会社ヒューマンサイエンス 入社
2006年 株式会社一休 入社