全国150ヵ所以上で、少年少女を対象としたサッカースクールを開催しています。ただいま、アシスタントコーチ(アルバイト)を募集中です。どのような人が向いているのか、子どもたちにとって、たのしい空間をつくるためにどう工夫しているのかを、豊橋校(愛知県)の石川良平スクールマスターと、山口鮎菜アシスタントコーチに聞きました。
石川良平スクールマスター
――石川コーチに聞きます。どのような方が、アシスタントコーチに向いていると思いますか?
石川:子どもが好きで、あかるく、元気がある方ですね。声が大きくて、その場を盛り上げられるといいです。コーチが、子どもたちに、たのしそうにプレーしている姿を、見せることって大事だと思っています。
あとは、まじめな方。はたらく上で、あたりまえにやらなければいけないことがありますよね。たとえば、休むときは事前に連絡をするとか。風邪ひきそうだったら「あす、出勤できない可能性がある」と前もって教えてくれたりするとさらにいいですね。学生さんであれば、社会人になるまえに、いい経験ができる場になると思います。
――ふだん、アシスタントコーチにお願いしている役割はなんですか?
石川:子どもが安全にプレーできる環境を整えることです。2点あります。1点は、トレーニング開始前の自由時間(コート内で遊べる時間)です。子どもは、その場がたのしいと、めちゃくちゃテンションあがってしまうときがあります。大きなケガが起こり得る状況でも冷静な判断ができずやり続けてしまいます。そのようなとき「コーチが『ちょっと待って!』とストップをかけ、落ち着かせるようにしよう」と伝えています。
もう一つは施設や設備の安全確認です。ゴールが倒れないよう柱にひもがまかれているかのチェックや、防球ネットの支柱とゴールポストにクッションカバーをつけるのは、かならずやります。
「グラウンド内に、なにか危険なもの(石など)が転がっていないか、つねにチェックしよう」と言っています。
危険なものがなんなのか、全部を指示していたら、キリがありません。だからこそ「自分が子どもの立場で考えてみよう。『これが落ちていたらケガしそうだな』と思たら、取り除いたほうがいいよね」と話しています。重要なのは、相手の立場になって考えるってことです。
――豊橋校のアシスタントコーチを紹介してください。
石川:山口鮎菜コーチを紹介します。ここからは、山口コーチにバトンタッチします。
山口鮎菜コーチ(19歳)
小学4年生からサッカーを始める。きっかけは「サッカー部がカッコよく見えた」から。中学校では、サッカー部に入り男子といっしょにプレー。高校も女子サッカー部がある高校に進学。現在、専門学校に通いながら、アシスタントコーチとして勤務。
――サッカーコーチのアルバイトをやりはじめたきっかけをおしえてください。
山口:「せっかくやるなら、好きなことをやりたい」と思っていました。さがしていたら、こちらを見つけ、応募したのが昨年の11月です。いまは、毎週水曜に勤務しています。
――この仕事をたのしいと思えるときは、どんなときですか?
山口:子どもたちの上達を見られたときは、たのしいと感じますね。低学年のある子が練習がはじまるまえに、駆け寄ってきて「コーチ、ループシュート練習してきたんだ」と、やって見せてくれたことがありました。それ自体、うれしいことです。さらにスゴイと思ったのが、その日の練習中、ループシュートをして、得点を決めたことでした。日々、成長していく子どもたちには、いつも驚かせられます。
――自分のためになっていることは?
山口:子どもと、たくさんのかかわりを持つことを通して、気づかされたことがあります。それは一人ひとり、性格や気質がすこしずつ違い、おなじことを伝える場合でも、その子にあわせて、言い方を工夫する必要があることです。あの子には、やさしく教えてあげようとか、個々に合わせるようにしています。人との接し方という点で、ためになっていると思います。
――うまくいかないこともあるのではないでしょうか?
山口:コーチがコートの中にボールを蹴り入れて、ミニゲームをスタートさせる練習があります。その役割をはじめてやったとき、どこにボールを入れればいいのか、わかりませんでした。トレーニングが終わったあと「うまく出せていただろうか?」「子どもが、サッカーをたのしめるようサポートできているだろうか?」と、思わず振り返ってしまうことがあります。
――どのように解決をしていますか?
山口:「こういうときはどうすればいいですか?」と、石川コーチに質問するようにしています。あと「このまえ、石川コーチは、こう動いていたな」と思い出し、マネをするようにしています。
ほかのコーチたちも、仕事の仕方を丁寧に教えてくれます。トレーニングがすべて終わったら、反省会をやるのですが、「きょう、なにか気になること、あった?」と、かならず聞いてくれるのです。わからないことを積極的に尋ねるようにしています。
――仕事をするときのモットーは?
山口:「あかるく、元気よく!」です。あいさつをするときは、「〇〇(名前)、こんにちは」と、かならず相手の名前を添えるよう心がけています。あとは、きびきび動くこと。だらだら動いていたら元気よくみえませんよね。
――どういう人におススメのお仕事ですか?
山口:サッカーが好き、子どもが好き、なにより、お仕事中は、言われたことだけをやるのではなく、自分から行動をおこし、子どもたちがたのしいと思える空間をつくることによろこびを感じる方に、ぴったりだと思います。