「国際支援の現場に立ちたくて」ー新卒で飛び込んだ、その一歩目
今回は、新卒で国際協力・人道支援の仕事をするNPO・NGOに飛び込んだ臼井さんにお話を伺いました。大学時代から国際関係を学び、卒業後に入職されたという臼井さん。なぜNPO・NGOを選んだのか、どうして国連UNHCR協会だったのか、入社のきっかけや現在の業務について、率直に語っていただきました。
これまでのご経歴と、入職されたきっかけについてお聞かせいただけますか?
大学を卒業して、4月に国連UNHCR協会に入職したのでほぼ新卒のような形になります。大学では国際関係学を専攻していました。特に、国際支援や開発といった分野に関心があり、学生時代からNPOや国際機関の活動などを調べていました。就職活動のときは一般企業も見てはいたのですが、「国際支援に携わりたい」という想いが強かったです。
“誰のために働くか”を考えたとき、なぜ国連UNHCR協会を選ばれたのですか?
もともと大学時代はBOPビジネス(Base of the Pyramid)に関心がありました。簡単に言うと、開発途上国の方々の現地雇用創出を通じて支援しながら、ビジネスを展開していくというモデルですね。当時は、そういった事業を手がける企業に興味を持って、一般企業もいろいろ見ていたんです。
ただ、その中でふと気づいたことがあって。BOPビジネスの対象となる方々って、国籍があって、ある程度、働ける環境が整っていて、就労が可能な人たちなんですよね。でも、世界にはまだ“働く”というスタートラインにすら立てていない人たちがいる。例えば難民・国内避難民がそうです。
そう考えたときに、「自分はどんな人を支援したいのか?」と自問自答しました。そして出た答えが、“マイナスの状態にいる人たちをゼロに戻す”というフェーズで関わりたい、というものでした。
その想いが今の仕事にも直結していますし、国連UNHCR協会で”マイナスの状態からゼロへ”の第一歩を支える仕事に携われていることに、大きなやりがいを感じています。
目の前の仕事が、“あの時の想い”とつながっていると感じる瞬間はありますか?
援助の現場(フィールド)に行く機会はほとんどないものの、それでも自分の仕事が援助の現場(フィールド)にどのように届いているのかを感じられる瞬間はたくさんあります。ファンドレイザーとして長く働いていると、自分をきっかけに支援を始めてくださった方の人数や、実際に自分が届けた支援額などをチームから共有してもらえる機会もあります。そうした数字を見ることで、「確かに自分の仕事が誰かの支えになっている」という実感を得ることができています。
援助の現場(フィールド)で援助の対象者を支援する活動とは少し距離のある役割かもしれませんが、間違いなく援助の現場(フィールド)とつながっていると感じられる仕事ですし、まさに「やりたかったこと」に取り組めていると感じています。
これまでの活動の中で、“やりがい”を強く感じた場面を教えてください。
やはり一番に残っているのは、マレーシアに行って実際に自分の目で支援が届いている現場を見たときですね。あの瞬間は、本当に支援が形になっていることを実感できて、とても大きな喜びを感じました。
ただ、この仕事のやりがいは、それだけじゃないと思っています。支援を届けることと同じくらい大切なのが、日々の活動の中で出会う方々とのコミュニケーションです。
例えば、支援をしたいと思っていても、「どの団体が何をしているのか分からない」「どこに支援すればいいか分からない」といった理由で、一歩を踏み出せない方が意外と多いんです。そういう方と直接お話して、「ここなら支援できる」と思ってもらえた瞬間は、本当にこの仕事の大きなやりがいを感じます。
支援を届けるプラス、誰かの背中を押す役割も担っている。
——そんな実感が、毎日の原動力になっています。
多様な文化が交わる中で、自分だからこそできることって何だと思いますか?
この仕事の良さは、日本人である自分だからこそ伝えられることがある点です。この仕事では、必ずしも高い英語力が求められるわけではないと感じています。日本で育ってきた私が、難民の方々の状況や想いを、日本の方々に届ける役割を担っている。これが唯一無二のやりがいだと思っています。
例えば、難民の避難生活を説明するとき、「先が見えない」という言葉が刺さる人もいれば、「平均して約20年」という具体的な数字で納得する人もいます。
また、「明日が約束されていない1日を過ごし続けている」という表現が響く場合もあるんです。
このように、相手によって響く言葉は違うので、日々どんな言葉が届くのかを試行錯誤しながら工夫しています。
言葉だけでなく、自分のマインドも磨きながら、トライアンドエラーを繰り返していくことが大切だと思っています。そういう意味で、この仕事は文化的で深みがあるものだと感じています。
活動を行う日の1日のスケジュールや流れを詳しくお聞かせいただけますか?
1日の流れは、活動場所によって多少の違いはありますが、基本的にはほとんど変わらないです。例えば、施設での活動でも駅前での活動でも、大まかなスケジュールややることは変わりません。
まず、スタッフ全員が自宅から決められた集合場所に集まります。集合時間は大体9時半で、そこからキャンペーン開始の10時までの間にブースの設営を行います。
活動時間は10時から18時までで、お昼休憩や、小休憩を挟みながら交代で活動しています。
活動中は、通りかかる方に声をかけ、興味を持ってくださった方と丁寧にお話ししながら支援のお願いをしています。一人ひとりとの出会いを大切にし、毎日新しいつながりを作ることができる、とてもやりがいのある仕事です。
日々の活動で心がけていることや工夫されていることはありますか?
一日中の活動はどうしても単調になりがちなので、朝礼では「今日は何人の方と話すか」という目標を自分の中で決めて取り組んでいます。また、2時間ごとに「当番」と呼ばれる、その日の現場を回すスタッフがチーム全体の進捗管理をしています。具体的には、声をかけた人数、実際に話せた人数、そして支援を始めてくださった人数を確認して、その数字を元に活動を調整しています。
例えば、話す機会が少なければブースの見せ方を変えてみたり、元気が足りなければ明るく声をかけたり、逆に落ち着いて話す時間を作ったりと、現場の状況に合わせてスタイルを変えています。
また、ブースの形をかえるなどの工夫もしています。「UNHCR」という文字を大きく見せるのか、それとも「一日100円の支援」というポスターをもっと目立つ場所に置くのかなど、小さな工夫を繰り返しながら効果的な見せ方を探しています。
今いるメンバーの年齢構成や男女比、またコミュニケーションの雰囲気について教えていただけますか?
関東のチームは学生を含めて、20代から60代まで幅広い世代が活躍しています。20代が2割弱、ボリュームゾーンは30~40代で5割弱、50代後半から60代が3割強という構成です。バランスよく年代がばらついているのが特徴です。チームリーダーは女性2名、男性1名で、関東エリアの責任者も女性です。どの世代のメンバーもとても生き生きと活動しています。
コミュニケーションは非常にフランクで、業務中は先輩後輩関係なく自由に話し合っています。人生の先輩後輩としても気軽に話せる雰囲気で、お互いに成長を感じる機会も多いですし、若いメンバーから学ぶことも多くあります。
また、学生も在籍していて、幅広い世代と一緒に働いています。
難民支援の輪を広げる仲間になりませんか?
うまくいかないことがあっても、周りの人に助けてもらいながら活動を進めていける環境です。自分が正しいというフィルターを外して、素直に聞く姿勢を持ち、アドバイスを受け入れることができる方であれば、きっとこの場所で楽しく充実した時間を過ごせると思います。
特に、難民支援に関心があり、「自分にも何かできることがあるはず」と感じている方にはぴったりの環境です。共に課題に向き合い、支援の輪を広げていきましょう。
そんな熱い想いを持った方と一緒に働けるのを楽しみにしています。
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