こんにちは。グラフインターン生の松熊です。
5月18日に六本木のハイアットホテルにて、AI実用化の最新事例が一堂に集結する「SAS FORUM JAPAN 2018」が開催されました。
SAS FORUM JAPAN 2018とは?
統計解析ソフトを開発・販売するSAS Instituteが主催する国内最大級のアナリティクス専門カンファレンス。今年度はSAS社製品のSAS Viyaを中心に、AIやIoTなど最新テクノロジーの実用事例が紹介されました。
SAS FORUMは各企業の事例紹介がメインですが、学生向けのトラックも用意され、私はそちらで「データサイエンティストの役割」について知る貴重な機会を得ることができました。
そこで今回は、フォーラムを通じて私が考えたことを中心に、イベントの様子をレポートいたします。
ぜひ最後までご覧ください!
レポーター紹介
松熊利樹(マツクマトシキ)。東京大学4年。幼少期から知らないことは何でも知りたいという強い好奇心を持ち、大学ではアジア研究、留学先では政治学および哲学を学んできた。大学生活最後の一年はデータサイエンスの世界に足を踏み入れるため、2018年2月よりグラフにジョイン。
多方面で活躍するデータサイエンティストによるセッション
学生向けトラックでは、まず3つのセミナーで事業会社、コンサル会社、大学など多方面で活躍する10名のデータサイエンティストの方々が登壇されていました。
とりわけ参考になったのが、NTTドコモの情報システム部情報戦略担当 担当課長の川崎達矢さん、コニカミノルタジャパンのマーケティング本部データサイエンス推進室の松木さんによるデータサイエンティストの役割や価値についてのお話でした。
データサイエンティストは幹部候補生?
コニカミノルタの松木さんは 、「データサイエンティストは幹部候補生である」とおっしゃっていました。なぜならデータサイエンティストは経営陣に意見を述べる機会が多くあったり、若い頃からほかの部署の社員よりも長期的かつデータドリブンな視野を持つことを求められたりするためとのことでした。
▲登壇した方と直接お話できる機会もありました
データサイエンティストとコンサルの違い
その後のQ&Aセッションでは、「データサイエンティストはコンサルに似ているのか」という質問があがりました。回答して下さったNTTドコモの川崎さんによると、「両者は似ている場合とそうでない場合がある」ということでした。
「データサイエンティストは必ずしもコンサルではない」――これを私なりに解釈すると、コンサルタントは外側から会社の課題を解決するということに価値を置かれています。その一方で、インハウス化されたデータサイエンティストは、データ分析という共通のスキルを持っていても、必ずしもコンサルと同じような役割が期待されているわけではない、ということではないかと考えました。
ほとんどの職業はその役割によって分類されているような気がします。例えば、漁師であれば魚介類を獲り提供する人、タクシーの運転手であれば車でお客さんを目的地まで運ぶ人というように。その点で、求められる役割が不定であるデータサイエンティストは、少し特殊な職業であるように思いました。
その後の交流会で松木さんにお話を伺ってみると、今度は逆にデータサイエンティストとコンサルの共通項を伺うことができました。
つまり、事業会社で働くデータサイエンティストであっても、運用側から一歩離れた立場で、事業戦略を考える点においては、社内のコンサルのように位置付けることもできるだろうというのです。
▲一流ホテルのスイーツをちゃっかりたんまりいただきました。
企業内にデータサイエンティストはいなくてもよいのか?
川崎さん曰く、直接事業運用に携わらないということは、データサイエンティストがいてもいなくても会社は回る……ということにもなり得ます。
では、データサイエンティストはどのような価値提供を求められているのでしょうか。
その普遍的な価値は、データを活用することで、事業の効率性および持続性を高め、長期的な利益の最大化を可能にするということでしょう。事実、データの入手が容易になり、活用のための技術が高まったことで、その需要は年々高まってきているようです。
しかしながら、具体的な貢献内容は個々のデータサイエンティストによって大きく異なります。それぞれの立場によって、企業からどのような役割が期待されているかが大きく異なるためです。
例えば、全社的な戦略に関する提言や、新商品の立案、とある部署の業務効率化……もしくはこれらのいずれでもないかもしれません。
いずれにせよデータサイエンティストという職業は、自らの価値が社内で認められづらい傾向にあるからこそ、設定した課題や目的に向けて、目に見える価値を出し続ける必要があるのではないかと思いました。
データサイエンティストの数だけその役割がある
SAS FORUMへの参加を通じ、データサイエンティストを目指す学生にとって重要なのは、手法のみならず、手法を用いてどのような価値を生み出したいのか、どのような役割を果たしたいのかを考える続けることではないかと感じるようになりました。
データ分析を通じて、どのような役割を担い、組織に価値を提供していくかというイメージを増やすことは、将来のキャリア形成に良い影響を与えるのではないでしょうか。これからも勉強会やセミナーに積極的に参加し、自己の中で具体化させていきたいと思います。
さて今回はインターン生によるレポートをお送りしました。
グラフのメンバーはデータサイエンス・AI領域の経験者ばかりではありません。そのため、社員からインターン生にいたるまで、こうした学びの機会を進んで得ています。
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