こんにちは。人事の佐藤です。
今回は、投資事業部で働く社員インタビューをお届けします!金融業界のど真ん中を歩んできた人物が、業界の枠を超え、エンターテインメント事業を中心にインターネットサービスを提供するグリーを選んだ理由に迫りたいと思います!
そこには、中尾が胸に秘めた熱い想いがありました。
今回も是非最後までお付き合いいただけますと嬉しいです。
投資事業について
過去のストーリーにあげていますので、是非以下も併せてご確認いただければと思います。
プロフィール
中尾 俊輔
投資ファンドでの豊富な経験を有し、オルタナティブ投資の DD、投資実行~回収に至る多数の案件を経験。ブラックロック・ジャパン在籍時代には、ITセクター担当のファンドマネジャーとして日本のSNS 業界の黎明期の メガベンチャーに対する投資を多数実行。2008年にグリーが新規上場を果たした際にも、グリーに対する投資を実施した経験を有する。その後、2014年から参画したアント・キャピタルパートナーズでは、国内外のVCやPEに対するセカンダリー投資を実施し、2022年にグリーに入社。
投資と事業支援の融合というやりがい。
――まずは、中尾さんの今までのご経歴を教えてください。
大学時代に金融論を専攻していたこともあり、金融業界にはもともと興味を持っていました。そのため、外資系コンサルティング会社を経た後、知人から学生時代に数学が好きだったのならアクチュアリーという職業でその知識を生かさないかと声をかけてもらい、GEエジソン生命という外資系生命保険会社に転職をすることにしました。
その頃は世に言う金融危機の真っただ中でして、不良債権問題による金融機関の破綻が相次いだ頃で、それこそリスクマネーを投じていかないと倒産してしまうような日本企業がゴロゴロしている状況でした。生命保険会社でもいくつもの企業が破綻の憂き目にあい、私が所属していたGEエジソン生命はそうした企業を買収する側として、季節に一回くらいのペースでM&Aのプロジェクトが立ち上がるような感じでした。私もそのようなプロジェクトに呼び込まれる機会があり、新米社員としてM&Aの世界に足を踏み入れました。事業の運営を担うのも楽しいけれど、投資をすることで破綻を防ぎ、その後は事業の足腰をしっかりと支えていくことの大切さとやりがいを実感したのはこのタイミングでしたね。この経験から、投資の道に進もうと思ったことを今でもはっきり覚えています。
—― なんだか金融経済の授業を思い出します(笑)
まさにそんな時代が社会人としてのスタートでした(笑)
投資の道に進もうと決めてからは、PE(プライベート・エクイティ)ファンドや総合商社の投資会社で、様々な投資実務を経験して専門性を身につけていきました。PEファンドに在籍していた時は、投資先の企業に社外取締役として入り、経営改革活動に深く関わったり、中には破綻した企業に対する再生活動を手助けしたような事例もあります。
前職では、アント・キャピタル・パートナーズにて、国内外のVCやバイアウトファンドのセカンダリー投資を行っていました。アント・キャピタル・パートナーズは日本のセカンダリー投資のパイオニアで、貴重な経験を積ませていただくことができました。
今振り返っても、特に若い頃は猛烈に働いていましたね。とにかく忙しくて目が回る日々でしたが、充実した時間でもありました。
日本においても北米のようにVCマーケット規模は今後さらに大きくなってくる。
―― これだけ充実したキャリアを築いてきた中で転職をしようと思ったキッカケがとても気になります!
実を言うと、転職をするつもりはなかったんですよ(笑)たまたま夜ベッドの上でFacebookを見ていたところ、“某SNS大手企業が国内VCにリミテッドパートナー(LP)出資を行うファンドオブファンズ(FoF)を設立! マネージャー担当募集”という広告が目に飛び込んできて、そんな求人があるのか!と驚いて、急いでその広告の転職エージェントに連絡したんです。
と言うのも、欧米の大きなFoFファンドであれば、VCへLP投資を行っているケースはありますが、日本においては、FoFを通じたVCへのLP投資ということ自体がまだ非常にめずらしい状況だからです。背景としては、日本にはこれまで機関投資家が積極的に投資をするようなVCの数が少なかったということがあります。どういうことかというと、FoFの機能は、自分たちだけではアクセスできない人気VCへFoFを通じて投資できたり、運用規模が小さくて人気VCの最低投資金額で投資を行うと十分な分散投資が実行できない投資家に、FoFを通じた投資機会を提供したりするところにあるのです。日本におけるVCマーケットの規模はまだそこまで大きくはないのですが、今後は成長が加速されることが予想されます。そうなればFoFに対するニーズはどんどん高まってくるのではと思っています。
そのような成長が期待される環境の中でFoFのファンドマネージャーを担えれば、有能なVCの人達とたくさん関わることができるし、実際に出資をすることができれば、結果的に良いリターンも得られるわけで、純粋にこのポジションの魅力を感じ、興味をそそられたんですよね。
数多くのスタートアップ企業に関わることが出来るということ。
―― “ FoFを通じたスタートアップ業界への投資 ” ということもポイントですか?
いわゆる " バイアウトファンド " の投資は、成熟企業に対して過半数の株式を取得(投資)して、自らも経営陣として投資先の企業の中に入り込み、関係者と一丸になって企業価値を上げ、成果が出たら数年後に次の事業会社や投資家にバトンタッチしていく形をとることが多いです。中には「今まで見て見ぬふりをしてきたようなしがらみ」や、「本当は解決しなければいけないのに長年放置されていた課題」に切り込み、より良い方向に変えていくことで再成長を促すということもやります。これはこれでとてもやりがいがありますし貴重な経験を積むことができます。
ただ、既に形あるものをより良いものに作り替えなくてはならないことも多いため、最初は抵抗を感じる人が出てくることも少なくありません。そんな時は、関係者にしっかり寄り添い、理解し、長い時間をかけて自分たちのことを知ってもらい、こういう形で一緒にやっていこうという機運を作り出してから目標に向けて共に進んでいく必要があります。達成度合いは非常に大きいのですが、相対的に一件あたりの投資にかける時間は長くなります。自分の年齢を考えると、残りのキャリアであと何件投資先と関わらせてもらうことができるのかということを悩んでいた頃でもありました。
一方で、スタートアップ投資は、革新的なアイデアや技術を有し、成長を続けなければ次がないという起業家に対して、プロダクトや組織作りに必要な資本を提供し、経営上のアドバイスなども行います。投資先企業と共に急成長していく中で、新しいサービスを創出し、ひいては社会課題を解決したり、新たな雇用の創出にもつながっていきます。
さらに言えば、FoFを通じたスタートアップ業界への投資は、直接スタートアップ企業に投資をするわけではなく、様々なノウハウを持つVCの優秀なファンドマネージャーに資本を託し、そのファンドマネージャーがまた多くの優良なスタートアップに投資を行っていくことにつながっていきます。そうすると自分が最初に投資した資本が、本当に数多くのスタートアップ 企業に行き渡ることになります。間接的でも関わることができるスタートアップ企業の数はとても大きなものになり、こういう経験はしたくてもなかなかできることではない貴重なものだと思っています。
―― 金融業界から畑が違う事業会社に転職するということに対して不安はありませんでしたか?
グリーに関しては正直それほどありませんでしたね。過去に事業会社の投資会社で働いていた時は親会社の様々な決まりがあって大変だったこともありました。しかし、グリーは長年VCファンドやスタートアップ企業への投資実績を持っている企業で、この分野では金融機関以上の経験があるとも言えますので。ただ、とてもカジュアルな格好をしている社員が多いので、最初は堅くなりすぎない洋服を選ぶことに戸惑いました(笑)。それまでスーツしか着ていませんでしたから。
それと、私自身グリーのSNSサービスの大ファンだったこともあり、不安というよりもむしろ楽しみという気持ちの方が上回っていました。実は、ブラックロック・ジャパンに在籍していた時に、ITセクター担当のファンドマネジャーとして、グリーが新規上場を果たすタイミングで一番IPOの申込をしたのが僕だったのではとも思ってます(笑)投資後はグリーのサービスには更に深く入り込んでいました。当時はアクティブユーザー数の情報開示がなかったので、自分で決めた時間にグリーのサイトにログインして、そこで表示されているログイン人数をカウントして日次のグラフを作って、その推移を見て株の買い増しの検討にしたりしていましたね。
「もっとスタートアップエコシステムに貢献したい」という思いを胸に。
―― 中尾さんが感じる『グリーならでは』という特色をあげると?
いくつかあるとは思っているのですが、3つ挙げたいと思っています。
1つ目は、入社して改めて思いましたが、グリーがFoFを通じてVCへのLP出資の実績を多数有しているということです。普通だったらなかなかコンタクトが取れないようなVCの方々とも日頃からコミュニケーションが取れるというのは凄いことです。それが可能なのは、グリーが2010年頃からVC出資をすでに始めており、その歴史や経験、実績があるからこそなのかなと思っています。
そして、2つ目としては、投資の目的においてフィナンシャルリターンを重要視しているということです。通常のCVCですと、親会社の事業シナジーが前提となる投資案件しかできないというケースが多いと聞きます。しかし、グリーでは投資の意思決定の際に純投資という視点で成功できるかどうかに集中的に議論の時間を割いており、投資できる領域に制限がありません。意思決定もとても速いです。
最後に3つ目ですが、スタートアップ企業を取り巻くエコシステムへこれまで行ってきた貢献かなと思っています。グリー自身もVCの皆さんからの支援を数多く受けながらここまで大きくなってきました。そして、自分たちの事業で得たリターンをVCに出資することで、その資本が様々なスタートアップ企業に提供され、新しいプロダクトやサービスが創り出され、それによって更に新しいスタートアップ企業が増えていくというエコシステムの一翼を担う存在になっていると思います。
このことは、まさに私が投資の道に進もうと決心した時の想いに相通ずるものがあり、グリーはそれを体現していると思っています。
―― 今後グリーの投資事業の中でやりたいことについて教えてください。
グリーが昨年設立したFoFファンドを通じて、これまで以上にVCに対する出資を進めていきたいと思っています。
その中で、LP投資家としての立場は維持しつつも、これまでの私の経験から投資先のVCの皆さんのお役に立てることがもしあればなとも思っています。例えば私はセカンダリー投資をやってきたので、これから多くのVCがむかえるファンド満期対応をどうするのかとか、そこでセカンダリーファンドを活用できないかなどのアイデアを出すことができるかもしれません。バイアウト投資もやっていたので、こんなハンズオン活動もやっていた事例がありますよというケースの共有や、VCの投資先がM&Aでエグジットする可能性を模索している時には、その業界のパイプラインに強みを持っているアドバイザーを紹介することなどもできそうです。あくまでLP投資家ですので、でしゃばるようなことではなく、こうしたことがもしあれば、自然と相談してもらえるような存在になれればなとと思っています。
組織的な観点で言いますと、今後は外部のLP投資家を募りながらファンドを拡大していく可能性もあると思っています。そのタイミングを見据えて、グリーの投資事業のサービスメニューの開発や組織体制の更なる強化を行っていきたいと考えています。
――最後に、転職を検討されている方に一言お願いします!
グリーは長年スタートアップ業界に対して投資をしてきた実績を基に、今後もさらに投資を進めていきます。
さらに、自社のファンドに外部のLP投資家を募集するフェーズになれば、より組織体制を強化していくことが必要になってきます。金融機関で様々なご経験を積まれた方のノウハウを生かせる場面がたくさんあります。今回お話させていただいたことが少しでも参考になり、グリーの投資事業に興味をお持ちいただけましたら嬉しいです。
▼終わりに
いかがでしたでしょうか。
投資部門として成長をしていくために、体制を強化中です!
グリーのように、VCとしてスタートアップ企業への直接投資と、FoFでVCへのLP投資を両方行っている企業はなかなかないと思います。グリーの投資活動を通じてスタートアップエコシステムに貢献しながら共に成長していきましょう!