Co-founder CPO/CTO 松本大介 | Daisuke Matsumoto(写真右)
2012年ワークスアプリケーションに研究開発職として入社。その後、動画DSPスタートアップのリードエンジニアを経て、2014年にgoooodsCEOの菅野とともにFIVEを創業し、エンジニアリング、プロダクトマネジメント、ビジネスオペレーションを管掌しプロダクトの成長を牽引。
LINEによるM&Aの後は、LINEのプロダクトマネジメントを複数の領域でリードし、アドネットワーク、広告最適化、ディプレイ広告、公式アカウントとの統合配信などを推進する一方で、FIVEの売上を5倍に増加させた。東京工業大学大学院のコンピュータ・サイエンスのマスターを修了。
Co-founder VP of Eng 佐藤喬之 | Takayuki Sato(写真左)
Yahoo!Japan でYahoo!オークションのソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、GREE にてリードエンジニアとして広告ネットワークのデマンド・サプライのロジック構築などを行う。その後、動画広告マーケットプレイスのスタートアップFIVEに参画。
シニアエンジニアとして、オークションアルゴリズム、配信ロジック、CMS構築など様々なプロダクトスタックをend to end でリードし、プロダクトの成長に大きく貢献。大阪大学大学院理学研究科生物科学でマスターを修了。
goooodsとは?
卸売に機械学習テクノロジーを導入することで、販路開拓・取引管理・在庫リスク・販促支援の従来の課題を解決し、ブランドストーリーをバイヤー様・顧客へとくまなく提供する、卸売取引の新しいオンラインサービスです。
卸売取引をこれまでになくシンプルに、気軽で、簡単なものへとアップデートし“goodness” が広がる世界をつくることにチャレンジしています。
開発のサイクルは一週間単位が基本。プランニングは敢えて粗い粒度で行い、スピード感を持って本質的な業務に集中する
現在はどのような体制でプロダクト開発に取り組んでいますか?
松本
基本的な開発サイクルとして一週間単位でスプリントを組み、毎週水曜日にデプロイとプランニングをするようにしています。次の水曜日までに完了できる大きさに開発タスクを分割して、開発を担当するエンジニアをアサインするような感じです。
佐藤
工数の見積もりをストーリーポイントで行うようにしていたり、スクラムのプラクティスを参考にしつつも、現時点では厳密にスクラムをしているわけではなく、プランニングや見積もりのレビューなどは敢えて粗い粒度で行うようにしています。
敢えて、というのはどのような意図があるのでしょうか?
佐藤
goooodsはシードフェーズのスタートアップなので、開発スピードは非常に重要です。また、一週間のうちに状況が大きく変化するということもよくあります。そのような状況でもパフォーマンス高くスピード感をもって開発に集中できるように、本質的ではない作業を必要最小限にしたいという意図があります。
「ユーザーに対してどんな価値を届けるべきか」を自ら考え、自走する開発組織が理想
チームの構成はどのようになっていますか?
松本
現在はフルタイムのエンジニアが僕と佐藤さんを含む3人、更にフルタイムのデザイナーが1人。それに加えて業務委託のエンジニアやデザイナーの方数名いる少数精鋭のチームです。
開発に関してはプロダクトチームに任されている部分が多いのでしょうか?
松本
そうですね、四半期単位で大枠のプロダクトロードマップを提示して全社で合意するようにしていて、細かい仕様に関してはエンジニアがそれぞれ考えて進めています。
もちろんユーザーと向き合っているビジネスサイドの人たちの意見はとても重要なので、ロードマップに沿ってアサインされたエンジニアが適宜ステークホルダーと協力して詳細を詰めながら開発しています。
なるほど、エンジニアがPMのような動きも兼務しているのですね。そのような手法をとっているのには何か理由があるのですか?
松本
誰かから委託された仕様をただ実装するのではなく、プロダクトとしてこうあるべきというのを自分で考え、理解した上で開発できる人で構成されたチームでありたいと思っているんですよね。
顧客やユーザーに対してどんな価値を提供すべきか、というのを自分で考えて判断するからこそ推進力が生まれると思っています。
少なくとも現時点ではそのやり方が機能しているので、ある程度の規模まで大事にしていきたいですね。そのための環境づくりもしていきたいと思っています。
「最も貴重なリソースは時間」スピードを重要視する開発チーム
もう少し踏み込んで開発の価値観に関してお聞きしたいのですが、開発の現場ではトレード・オフの関係にある選択がいくつもあると思います。goooodsが向き合っているトレードオフのなかで重要なものをいくつか挙げるとすれば、何が思い浮かびますか?
松本
まず第一に思い浮かぶのはスピードに関してですね。僕たちにとって最も貴重なリソースは時間だと思っていて、原則としてスピードをかなり大事にしています。
とはいえ程度問題もあって、取り返しがつかない失敗に繋がりそうな部分では品質を優先する部分はもちろんありますが。
佐藤
特に今は 0 → 1のフェーズなのでスピードに倒すことが多いですよね。顧客に与えるインパクトや価値から逆算すると、自ずと優先すべきことが明らかになることが多いと思いますが、その上でイーブンな条件だったらスピードを優先したい。
松本
殆どのものは後から作り直すことが可能ですし、まずは世の中に価値を届けることが大事だと思っています。
「モノを作らないことにこだわりたい」まずはオペレーションでカバーして価値を確認する
松本
もう一つ大事な論点として、エンジニアは自分自身にモノを作る能力があるので「モノを作れば課題を解決できる」と思いがちなのですが、実際にはモノを作らない方が課題解決に近いことも多いと考えています。
モノを作ることにも時間と労力がかかりますし、その上メンテナンスコストが掛かります。そのメンテナンスコストを上回るモノがないと作ってはいけない、というのを文化にしていきたいですね。
そういう意味では開発コストとオペレーションコストのトレードオフでは開発コストを重く見ていますよね。
佐藤
そうですね。例えば今も入稿用のダッシュボードは綺麗なものを作らずに、Jenkins※やGoogle Sheetsなどのツールを活用してとりあえず業務が回る最低限のものを作って、オペレーションでカバーする運用にしています。
※開発作業の自動化を目的としてJavaで実装されたオープンソースのサーバーソフトウェア。非エンジニアにとっては少々使いにくいが、少ない実装コストでバックエンドのオペレーションを回すことができる。
そのような形で具体的な利用シーンを確認することで、本当に必要なものを見極めることができるし、開発の手戻りも起こりにくくなります。
松本
僕らの開発スタイルだとオペレーションを担当する方々には頭が上がらないのですが、現実としてエンジニアリソースは有限で拡張するのが難しいので、レバレッジがかかるように効果的に使うチームでありたいと思っています。
お話を聞いているとgoooodsの開発チームは価値提供や顧客志向が非常に強いと思うのですが、エンジニアリングが好きな人でも楽しめる環境でしょうか?
佐藤
もちろん、エンジニアリング自体を楽しめて、作って面白いモノを開発するというのも重要で、その余地は潰したくないと思っています。エンジニアリング観点での探究心や、やりがいは大事にしていきたいですね。
同時に技術だけに固執せずに、誰にどういうインパクトを与えるのかを考えた上で開発の楽しさを発見して欲しいですし、マネジメントの仕事としてはそうした開発タスクをデザインできるかはとても重要だと考えています。
テストは重要な箇所に絞って実施。開発者体験の向上には惜しみない投資を
より開発の実務的な文化に関して教えて下さい。例えばテストを書く文化など品質や開発体験の向上につながる部分に関してはどのように取り組まれていますか?
松本
もちろん、品質担保のためにテストは非常に重要だと思っています。
一方でこれまで話してきたようにスピードも重視しているので、テストを書くのは意図的にプロダクトとして重要な箇所に絞っています。gooodsの業態はECなので例えば決済部分などは特に落としてはいけないですよね。
佐藤
テスト一つとっても、価値のデリバリーにつながるかどうかですよね。テストのために工数をかけるというよりは、トータルで見た時にそちらのほうがスピードが上がるのでテストを書く感じです。
松本
一方で開発者体験という意味では、エンジニアが安心して働けるための仕組みとしてコンパイル時にエラーが検出される仕組みを構築していたり、end to end のテストツールを最初期から導入していて、これは明確に投資の意識を持って取り組んでいます。
佐藤
現時点では開発の生産性は高く保たれていると思いますが、継続的に開発者体験の向上につながる投資は続けていきたいですね。
対面のコミュニケーションを重視しつつ、地方でのフルリモートも歓迎。どんな境遇でも働きやすい組織づくりを目指す
では働き方の面では、どのような環境にしたいですか?
松本
まず、マシンは十分に強いものをご提供します(笑)
マシンへの投資は開発効率を考える上で非常にコスパが高いと思っていますし、現在はリモートワーク中心の働き方なので今後はリモートワーク用の環境構築の補助金等も随時準備していきたいと思っています。
リモートワークに関して、例えば地方在住などフルリモートの方も参画することは可能なのでしょうか?
松本
現在はアーリーなフェーズということもあって対面でのコミュニケーションを重視しており週に1回出社日を設けていますが、遠隔に在住の方にも是非応募いただきたいと思っています。
例えば半期や四半期に一度程度出張扱いで出社してもらって、交通費や宿泊費用を補助する制度の策定を考えています。たまの東京出張ならむしろ嬉しい人も多いんじゃないですかね。
リモート中心の開発におけるコミュニケーションはどのようにされていますか?
松本
まず全社的なコミュニケーションとして、毎週月曜日に全員参加のALL Hands MTGがあり、事業の進捗や全社的な動きをキャッチアップします。あとは週に二回ビジネス側も含む朝会を実施していて、現在の注力や足元の困り事などを相談する時間としています。
佐藤
それとは別にエンジニアのWeeky MTGがあり、日々のコミュニケーションはSlackで細かく確認する感じですね。
また、SlackのハドルミーティングやNotion, Miro, Figmaなども活用しながら、リモートでも生産性高く業務を行えるよう試行錯誤しています。
ユーザーや顧客への価値提供にこだわるエンジニアと働きたい
ずばり、どんな人と一緒に働きたいですか?
松本
そうですね、スキル面では得意分野を持ってチームに新しい知見をもたらしてくれて、マインド面では全社を巻き込みつつ顧客に対して価値をデリバリーしていく気概を持った方と働きたいです。
佐藤
スキルというよりは、生み出すインパクトを理解した上で開発に取り組めてそこにモチベーションを持って働ける人ですね。後は「仕事だからコーディングしている」というのではなく、それ自体を楽しんでいる人と働きたいです。
最後に一言お願いします!
松本
ビジネス的にもエンジニア的にも技術力をプロダクトの軸に据えて価値にしていこうという意思を持ったチームなので、手前味噌ですがエンジニアにとってはやりがいのある魅力的な環境だと思います。ぜひ一度カジュアルに話しましょう。
ありがとうございました!