1
/
5

事業を通じて、なにを提供するか。

株式会社高橋仮設さま

きっかけは、一本のメールだった。

「自分たちが長年考えてきたこと、実践したことがようやく花開こうとしている。けれど、突き詰めるほどに、どう言葉にしていいかわからない。色んな会社を探し回って、やっと見つけたのが、『企業ブランディング』というキーワード。検索をする中で、一番ピンときたページに問い合わせをした。」

そうお話頂いたのは、新潟県新潟市にある仮設(足場)会社、高橋仮設さま。一般的な認知で言えば、とび職。建設における、足場を組み上げる仕事。

余談になるが、私たちは職人と呼ばれる人たちや、仕事に向き合う姿勢に対して親近感を覚える。自分たち自身が、ものづくりの現場に携わっているからかもしれないが、ものごとを突き詰めて、もっとよくしていこうとする姿勢にはいつも刺激を受けるし、無条件で応援したいという気持ちになる。

お話を伺いに、さっそく新潟まで足を運んだ。

経営理念、ミッション、ビジョン、バリュー。ブランディングの現場では、概念的な言葉が飛び交うことが多いが、高橋仮設さんの想いは実にシンプル。なんとなく見えている目的があるので、そこを言葉にしてモヤモヤを晴らしたい。そこで、プロジェクトに関してもシンプルに、「スッキリプロジェクト」と名付けた言語化がはじまった。

お話を聞いていくと、実に驚くこと、そして自分たち自身が学ぶことがたくさんあった。とび職の現場で多く起こることは、まずどこかに所属してある程度力をつけると、次に考えるのが独立。個人事業主の親方となって、弟子を雇い数人単位でチームをつくる。そんな小世帯の職人集団が日本全国にいくつも点在している状況だ。

しかし、その働き方は長くは続かない。例えば、一度にたくさん資材を担いで運べれば効率も良くなり、たくさん稼げるけれど、それは若いうちだけの特権。40代、50代になっていくにつれ、キャリアが閉ざされていく。そんな業界独自の問題と向き合っていく会社だった。

高橋仮設さんは、常に本質に目を向け、これは本当に必要なのか?を問い続けてきた歴史だった。例えば朝資材を積んで現場に向かう時、足りなくては困ると少し多めに資材を持っていく。それによって、積込の負担が増えること。運送のガソリン代が多くかかること。また業務後に資材を積み下ろす際も無駄が発生する。そのムダを省くために、設計部をつくり図面通りに、緻密に資材を計算するようにした。

また、積み下ろし一つにしても、どこに資材を置けば、次の積込の導線が効率化されるかを計算して配置を考える。これらは、ほんの一部だが、少しの工夫の積み重ねが年間で考えれば大きなコスト削減に繋がり、そこで残した利益を次の投資や社員の育成、キャリア形成に投資する循環ができていた。噂を聞きつけて、全国から同業者が見学に訪れるほどだった。

そんな話をする中で見えてきた、会社の価値。それは「時間」だった。時間を生み出せば、社員も、お客さまも、もっと別のことに投資ができる。当然お金も生まれ、さらにできることが増える。会社のミッションは、その「時間」を追求していくことを軸に言語化した。



自分たちの大切にすべきものが「価値ある時間をともにする」ことである。そう定まったことで、企業の成長速度が、更に加速した。すべて、データに基づいて、論理的に説明できるまでとことん突き詰める姿勢は、採用においてもあらわれた。業界では、グレーになりがちな残業代や手当、昇給、キャリアも、すべて数字で明らかに示したことで、一線を画した存在として、注目されるように。

業界全体をびっくりさせるような新たな取り組みも、新潟の地から全国に向けて準備中だ。

ブランディングにおいて、特に差別化という観点で見たときに、成果の出しやすい業界がある。誤解を恐れず言うならば、旧態然とした体質の会社が多い業界だ。さらに言えば、地方であればなお成果を出しやすい。当たり前が定着すると、疑いを持たなくなるのが人間。そこに一石を投じる視点と行動力を持つ会社は、一人勝ちになるチャンスが目の前にある。

もちろん簡単なことではないが、あきらめず、前向きで志の高い会社に出会えた時、私たちは喜びを感じる。そして、なんとしても力になりたいと思う。高橋仮設さんのような会社が、結果的に業界を変え、日本を元気にしていくための突破口をつくっていく。そう信じてやまない。

Invitation from ギフト株式会社
If this story triggered your interest, have a chat with the team?
ギフト株式会社's job postings
2 Likes
2 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Yuki Yano's Story
Let Yuki Yano's company know you're interested in their content