※※こちらのインタビューは、2023年2月時点のものとなります※※
2000年に創業して以来、愚直に「地域活性化をビジネスで実現する」ことを目指し続けた当社。2021年8月には東証マザーズ市場(現:東証グロース市場)に上場し、今後も更なる成長が必要とされる中、代表の石井が上場することを決めたきっかけや、上場後の変化など、上場にまつわるストーリーを紹介します。
◎代表プロフィール
株式会社フューチャーリンクネットワーク
代表取締役 石井丈晴(いしい たけはる)
1973年12月23日生まれ。
千葉県出身。
趣味はギター・トレイルランニング。
社是ともいえる「利益がなければ生きられない、理念がなければ生きる価値がない」のフレーズは、石井が口癖のように言う言葉。
◎略歴
1997年3月 慶應義塾大学商学部卒業
1997年4月 株式会社リクルート入社
2000年3月 株式会社フューチャーリンクネットワーク設立
2000年6月 株式会社リクルート退社
2021年8月に東証マザーズへ上場しましたが、上場を決めたきっかけや背景を教えてください。
当社は設立してから今年で24年目になりますが、少しずつ成功事例が増えてきた中で、もっとスピードを上げて、規模を大きくしていきたいと思ったのがきっかけの一つです。当社の基幹事業でもある地域情報プラットフォーム「まいぷれ」は、当社が地域活性化を目的に自分たちで創業した事業であり、現在はパートナー企業によって全国で運営され、日本の自治体の半分弱のエリアをカバーするほどの規模となりました。決して日本全体ではないですが、各地域に少しずつ影響力を持つことができてきた中で、現状で満足するのではなく、さらなる事業拡大を目指した動きをしたいと考えていました。そのためには上場というパワーを得て、資金を集め、知名度を上げて勝負すべきだと考えたので、上場に踏み出しました。
もう一つの上場を決めた理由は、パブリックな存在となり、当事者を増やすことを狙っていたからです。上場すれば当社の株を多くの人にもっていただくことになるので、より当社が取り組む課題や理念に対して共感したり、応援をしてくれる当事者が増えるのではないかと思いました。上場は短期的利益を追うことが求められますが、僕は社会のためにやっている会社ほど上場すべきだと考えています。事業も社会へのインパクトも、大きなことをするには、1人や1社のみでは成し遂げることはできません。また、上場していることでサステナブルな経営ができます。長期的に課題解決に取り組みたいと思っているからこそ、継続的事業のかたちで社会に価値を提供でき、あらゆる人との関わりを持ちながら経営ができる上場という手段を選びました。
上場を意識したタイミングはいつ頃でしたか?
上場は2021年ですが、その4年前、2017年頃に上場することを意思決定しました。上場するための資金が集まった・実績ができたからというよりは、上場を目指そうと決めてから、4年かけて上場した形です。実際に上場は希望すればすぐにできるというものではなく、3年間の申請準備期間が必要になりますが、上場は決意してから最短・最速でやろうと思っていました。
上場すると資金調達が可能になりますが、投資先の具体的なイメージはありましたか?
もともとIPOのタイミングでは多額の資金を調達できないと思っていたため、上場後、将来的に時価総額が増加したタイミングで100億円単位で調達したいと考えていました。今回の上場は、そこへの第一歩をまず踏み込んだという認識です。そのうえで、資金よりも信用がほしい、という考えも持ち合わせています。遊休不動産の利活用事業など、当社で取り組むべき事業はたくさんありますが、そのためにはより多様で相性の良い企業とアライアンスを組む必要があります。最近では、事業承継や補助金・助成金のアライアンスなども提携していますね。こういったアライアンスを強化していくためにも、上場という信用力として抜群のものを手に入れたことで、会社としての見られ方は変わったのではないかと思います。
資金面でいうと、100億円単位で調達した資金の使途はどのように考えていたのですか?
ズバリ、ODA(政府開発援助)です。当社の事業は、少子高齢化課題を解決するモデルづくりとそれを海外に輸出することを前提にしていますが、海外輸出のためにはかなりの資金力と投資が必要になります。地域の多様性を持続的に保持するための、地域情報を安定的に供給する基盤をつくり、情報インフラとしての機能を果たせるような投資です。それができれば、例えば、少子高齢化によって後継者不足で事業継続が立ち行かなくなる企業も多いですが、それを当社と提携しているパートナー企業がM&Aすることで発展させていくこともできるようになります。つまり、我々自身の力で地域情報の付加価値を高め、幅広くあらゆる地域課題解決のための事業を展開していくことができるので、調達後はそれを意識した動きをしていきたいと考えていました。
上場前と上場後で、具体的にどのような変化はありましたか?
上場しても変わらない企業でいたいというのが僕のモットーなので、大きな変化はありませんが、強いて言うならば入ってくる情報量です。上場前は会いたい経営者がいる場合、人脈を辿りに辿って、ようやく辿り着いても会ってもらえないこともありましたが、上場後は会ってもらいやすくなったと思います。IR資料で情報を出しているので、会社の事前説明が不要だったり、提携できそうなことを提案してもらえたりするようにもなったので、そこは変化を感じますね。リリースひとつとっても新聞やメディアに取り上げてもらえたりすることが増えたので、拡散力も大きくなりました。
FLNは現在どのような段階で、どのようなことができる会社ですか?また、これから入社を検討している方へ一言お願いします。
やれることも多いし、何かやろうと思ったらできる環境・実力を持ちはじめている段階だと思います。若手社員もどんどん育ってきているため、新規事業や各部署の責任者を若手に任せたりしていますが、組織としてもすごい人がそばにいるとすごい人が生まれるんです。これからもどんどんそういう良い循環・影響は生まれ続けると思いますし、今の段階で当社にジョインすれば、そういう人と共に働けることは魅力のひとつです。また、社内で評価されることももちろん大事ですが、自分が社会にどういうインパクトを与えているかが見えるようになってくるともっと面白いですよ。とにかく、働くことを大いに楽しんでくれればと思います。