「消してくれる君」から「銀行1,000件対応」まで。技術的負債を仕組みで解き、お祭りで価値を届けるfreeeカード開発の醍醐味【後編】
「エンジニアにとって、コードを書くことは手段。価値を生まない作業は仕組みで解決し、難易度の高い挑戦にはチーム全員で立ち向かいたい。それが、エンジニアリングの本当の面白さだと思うんです」
前回、freeeという組織のフラットなカルチャーや、自由なキャリアのあり方について語ってくれたエンジニアリングマネージャー(EM)の野澤 幸男(cat)さん。
後編となる今回は、より具体的な開発現場のリアルにフォーカスします。利用者数が急増する「freeeカード Unlimited」という成長プロダクトにおいて、マネージャーとして直面する「技術的負債」への賢いアプローチや、職種の壁を越えて熱狂した「銀行1,000件対応」の舞台裏。その「技術的挑戦」の核心に迫ります。
※freeeのフラットなカルチャーやキャリア観を語った【前編記事】はこちら
野澤 幸男(Yukio Nozawa) / cat
2020年新卒入社。小学3年生から独学でプログラミングを始め、2008年頃からフリーソフト作家として活動。自らサウンドデザインまで手がけるゲーム開発でコンテスト受賞歴を持つ。大学卒業後、freeeに入社。入社後は認証・認可基盤のエンジニアリングを2年間担当した後、2023年より「freeeカード Unlimited」のエンジニアリングマネージャーとして、ネパール、インドなど多国籍なメンバーを率い、開発組織の最大化を担っている。
「守り」の開発を「攻め」に変える、AI駆動の負債解消
プロダクトが急成長し、利用企業数が10倍、100倍と増えていくフェーズ。エンジニアが必ず直面するのが「過去の設計の限界」です。
cat:「かつては1秒で終わっていた処理が、データ量の増加で100秒かかるようになる。これを放置すれば、ユーザー体験は致命的に損なわれます。しかし、中のロジックをきれいにしたところで、ユーザーにはその変化が直接は見えません。この『負債解消と新機能開発のバランス』こそが、組織を預かるマネージャーとしての悩みどころです」
freeeのエンジニアたちは、この「守り」の作業に対し、「気合い」ではなく「仕組み」で向き合っています。その象徴が、自称「消してくれる君」というAIツールです。
cat:「役割を終えたデッドコード(不必要なコード)を消す作業は、重要ですが心理的ハードルが高いものです。そこで私たちは、特定のプロンプトを入力すればAIが不要なコードを自動検索し、削除提案まで行うカスタムツールを用意しました。人間は最後にレビューするだけ。これまで時間がかかっていた作業をボタン一つで終わらせ、エンジニアはより難易度の高い、新しい価値を生むための設計に頭を使えるようにしています」
こうしたAI活用を支えるのが、freeeの強力なセキュリティチームです。新しいAIツールが登場した際、リスクを恐れて禁止するのではなく、「どうすれば安全に試せるか」をレジェンド級のエンジニアたちが即座にポリシー化する。この「攻めるための基盤」があるからこそ、現場は最新技術を恐れず実務に投入できるのです。
銀行1,000件拡大という難題を、職能を越えた「チームの一体感」で突破
技術基盤を整える一方で、ビジネスサイドからの「無謀」とも思える挑戦を、エンジニアリングの力で正解に変えた象徴的なプロジェクトがあります。2025年春、法人カードの口座振替対応銀行を、従来の20数種類から一気に1,000種類以上へと拡大した開発です。
cat:「ビジネスサイドから『1週間でやりたい』と言われた時は、さすがに笑いましたね。通常なら1,000件以上の銀行リストを正確に組み込み、テストを行うだけで数ヶ月はかかる規模です。でも、これが実現できればどれだけ多くのユーザーが救われるかが見えてきた。そこから、チームのスイッチが入りました」
catさんはマネージャーとして全体戦略を練り、エンジニア、PdM、運用、QAの垣根を消しました。
cat:「Google Meetを繋ぎっぱなしにして、全員でリストを突合し、仕様を詰め切りました。まさに『お祭り』のような一体感です。私はその裏で、リリース数ヶ月後の運用フローまでを見据えた移行戦略を緻密に練り上げました。結果として、1週間の強行軍でありながら、障害ゼロで完遂。残業で解決するのではなく、役割分担の最適化と徹底したコミュニケーションで乗り切った。これこそが、マネージャーとして最も震えた瞬間でした」
freeeではAI活用や大規模アップデートに挑む仲間を募集中!
職能を「混ぜる」ことが、プロダクトを強くする
freeeのエンジニアがこれほど力強く動けるのは、日頃から「何を作るか」の意思決定に深く関わっているからです。そこには、freeeが大切にしている「プロダクト志向」が息づいています。
cat:「エンジニアがユーザーインタビューに同席したり、ビジネスサイドの会議に出たりする『留学』文化が根付いています。PRD(製品要求仕様書)を受け取る際も、『この設計の方が拡張性が高い』『このUIはユーザーが迷うはずだ』と対等に意見を戦わせます。ナンバーレスカードの導入や、入力ミスを防ぐUI改善も、そうした現場の気づきから生まれました」
「言われたものを作る人」ではなく「プロダクトを成功させる人」として、職能を越えて混ざり合う。リスペクトを前提にしながらも、馴れ合いではないプロ同士のぶつかり合いが、プロダクトをより研ぎ澄まされたものにしていきます。
最高の「物づくり」を楽しみたい、あなたへ
「自分はエンジニアだから、仕様の確認は他人の仕事だ」――。そんなふうに線を引いてしまう人は、freeeには向かないかもしれません。
しかし、自分の専門性を軸にしながら、ビジネスやユーザーの課題にまで越境し、仲間と共に「世の中を本質的に変えるプロダクト」を創り上げることに喜びを感じる人にとって、これほど刺激的な環境はありません。
cat:「マネージャーとして期待するのは、自分の得意なことを持ち寄って、物づくりを心から楽しむこと。エンジニアリングの枠に縛られず、価値を最大化することに面白さを見い出す人には、最高の場所です」
技術的負債を仕組みで解き、浮いた時間でビジネスの限界に挑む。
freeeカードという挑戦しがいのあるプロダクトを舞台に、あなたの技術力とプロダクト志向を、存分に発揮してみませんか。
もっと詳しく知りたい方へ
■ 動画で見る「お祭り開発」の熱量
記事では書ききれなかった技術スタックへの想いや、現場の雰囲気はこちらの動画から。
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