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2018年仕事始めに代えて、今年の「相続」についての考察

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。三が日も仕事もしていた方も、今日から世の中全体が正月休みから目を覚まし、急に日常感が戻ってくるのでしょう。

さて、FP-MYSから2018年年始のご挨拶に代えて、今年の「相続」がどうなるかの考察を記しました。相続は今後の日本において喫緊性の高い課題です。その前提のもとで、2018年にどのような変化が発生し、これまでの「当たり前」がどのように変わり、実際に相続に困る方々がどうなっていくのかを考えました。3つのテーマに分けてお届けします。

① 2015年に法律が変わって「我が家はどうなっている?」が浸透する

2015年に相続税法が改正され、基礎控除と法定相続分の控除分が変更されました。これにより、これまで相続を「お金持ちの税金」としていた人たちも、「あれ、もしかしたら自分たちも関係ある?」というように意識変更が発生しています。特に相続は資産と異なり、現金を所有していることと、不動産や証券、生命保険を所有していることはまったく意味の異なる状況です。

家計全体の資産額、家族の近年(5年間から10年間前後)の総所得額、そして資産のポートフォリオによって、「自分たちって相続どうなるの?」が浸透する1年になると思います。そして、早め早めの動きが推奨されることになるのではないかと考えます。

50歳を超えた、定年を超えたという当事者ごとから、隣近所で相続が発生した、メディアで大きく取り上げていたという受動的な状況に至るまで、様々なタイミングで「うち、相続って何か進めていたっけ?」という会話が成されるようになるのではと考えています。

② 士業(専門家)と顧客の距離感が「近づく」。

税理士、弁護士、司法書士、FP。相続の知識を持った専門家がいます。彼らは〇〇士という資格から「士業(しぎょう、さむらいぎょう)と呼ばれます。この、知り合いに士業がいる、士業を紹介して貰える環境の人は相談することで、適切なタイミングで相続対策を履行できたり、疑問点の消化したりすることが可能です。その一方で「士業に相談するのってお金もかかりそうだし、これまで対策もしていないし…」という方々も数多くいます。士業に相談すれば(将来の争族リスクが)即効性を持って解決するわけではないので、相談料とのコストパフォーマンスを考えると「明日連絡とってください」というものではなく、タイミングが必要だとは思います。ただ、相談者の家計は「いつ」までに「なにを」すればいいのかは、当事者にはなかなかわかりません。

そのような背景のなかで、2018年は士業と顧客の距離感が「近づく」1年になると考えています。インターネットを活用した士業紹介サイト、士業自身からのフランクな情報発信、問い合わせのし易さなど、大きく環境が変わっています。まずは、インターネット上で評価を得た士業に問い合わせの集中する状況になるのではないかと思っています。また、このようにインターネットを使って疑問点を相談できるのはデジタルリテラシーを満たす「相続人世代」とされてきましたが、現在の日本で数が多く、そもそも被相続人となる可能性が高いのは一世代上です。「おじいちゃんはネット使わない?」と多勢が考えているあいだに、そのネットを介した士業と顧客の距離感づくりがスピード感を持って進むかもしれません。

③ 相続においてAI(人工知能)が注目されるも、年後半には沈静化する

最後はAIについて。いくつかの金融機関と話をすると、「相続×AIで仕組みづくりをしたい」という声を聞きます。当社はこの考え方に対し、半分は賛成、もう半分は懐疑的です。

確かに相続が難しい専門用語も多く、顧客に対しAIを活用できる場面は多いでしょう。ただ、AIを活用して顧客対応の省人化が進む、対応スピードが上がる、といった段階は、もう少し後かな、と考えています。それよりも顧客対応において正確なジャッジをできる専門家がFintech(この場合は煩雑な書類の処理能力や顧客との連絡に要する時間を指す)によって、更に仕事が集中するようになる、これが2018年の傾向なのではないかと考えています。

実体のない省人化ではなく、何が顧客においてベストなイノベーション(革新)なのかを考えていきたいものです。

最後になりますが、FP-MYSはそんな2018年を、「相続を争族にしない」という理念のもと、サービス開発に取り組んで参ります。

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