令和6年度 上期全社キックオフを実施しました!|株式会社FoundingBase
多くの自治体の皆様に恵まれ、今年2月に創立10周年を迎えたFoundingBase。11期目となる令和6年度のスタートにあたり、上期全社キックオフをオンラインで実施いたしました。 昨年度下期の全社キックオフにて令和6年度から8年度までの中期計画を発表し、今年度は計画実現に向けた1年目となります。 ▽昨年度下期全社合宿 ...
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FoundingBaseでは半期に一度の全社合宿の中で、「高めあい、分かちあう場」として表彰式を実施しております。
2023年度下半期の BestProject賞を獲得したのは「海士町TADAYOIチーム」。本記事では、2023年度下半期Best VALUE賞を受賞した海士町TADAYOIチームにインタビューを実施!
海士町は島根県の本土からフェリーで3時間、島根県の北に浮かぶ隠岐諸島の中に位置しており、様々なまちづくりの先進的な取り組みをしている地域として有名な町です。
島の食材や文化に触れるきっかけを創りながら、海士町ならではの観光体験・感動体験を共に創りたいという想いを元に、海士町とFoundingBaseが共創し、2023年5月にグランピング施設「TADAYOI 海士グランピング」がオープンしました。本島から遠く離れた離島ということもあり、海や風といった自然が要因でのイレギュラーも発生しやすく、オープン当初から多くの困難も多かったにも関わらず、常に非常に士気の高いチームであり、目標も通年達成している社内でも注目度の高い拠点でした。
今回は、海士町のTADAYOIをここまで拡大させた、TADAYOIメンバーに取り組み内容や苦労、今後の抱負を伺いました。
▽受賞者(TADAYOI運営チーム)
▽インタビュアー
【百瀬】
改めて、Best Project賞の受賞おめでとうございます!
2023年度下期の中で、最もMVVを体現していたプロジェクトが選ばれるこの賞ですが、受賞された際の感想を教えてください!
【夏川戸】
ほんとにこの賞を取れると考えていなかったので、頭真っ白になってしまいました。目標売上も通期で毎月達成することもできたし、それに対して行動もみんな伴っていたし、できることも間違いなく増えていました。ただ、それでも、僕がやるべきことであった海士町の中でさらに事業を増やすことができなかったので、拠点として大きな成果を出している一方で、個人としては悔しかった気持ちも持っていました。ただ、賞を取れた時はホッとしたし、立ち上げから1から作ってきたので、色々思い出して感無量でしたね。
【米澤】
本当に一番最初は驚きしかなかったです!
上期も受賞を狙っていて、取れなかった時は本当に悔しかったです。
事業や地域が異なる他拠点もそれぞれで大変だというのはわかっていました。ただ一緒に隣で働いていない分、解像度としては高くなかったので、もっとプレゼンスを上げることをやっておけばとも反省していたくらいだったんですが、その中でも賞をもらえたので、驚きと共に、一年間の経験や苦悩が他プロジェクトとも比較しても評価されていることは、心の底から嬉しかったですね。
【土井】
隠岐の人に知ってもらうということで言えば、僕個人としてもできたことはあったと思います。ただ、チームとしては、本当に皆さんが用意してくれたものになんとかしがみついて、ここまでやらせてもらったなと感じています。
【小池】
BestProject賞の前に、米澤さんがBestValue賞にノミネートされたことで祝勝ムードになっていたところで、全く想定していなかったプロジェクト賞受賞で全員が実感が湧かなかったです。
TADAYOIが一番売上として盛り上がっていたのが、夏休みシーズンの上半期だったんですね。そこから下期になって集客が落ちてしまう上に、離島っていう天候が不安定な中で安定して施設を稼働させることに注力していた下期だったので、本当に驚きましたね。
やはり現場メンバーとして、海士町の人たちに事業価値を提供できているのかどうかっていうのは日々の活動で見えづらい部分があったので、改めて、今回TADAYOIの事業評価として、町からお言葉をもらえたこともあったので、自分たちの事業が町の評価の向上につながっていると実感することもできて、素直に嬉しかったです。
【百瀬】
個人的にはここまで成果を出しながら、みなさんが、本当に今回の受賞を想定していなかったことには驚きました!
売上のインパクトもそうですが、オペレーションを構築するのが難しい離島という立地の中、天候と物流との戦いながら、顧客満足度を担保しつつ仕組み化をどんどん進めていったことが、今回の表彰の大きな要因になっていったんですね!
TADAYOI グランピング風景
【夏川戸】
チームが受賞したこと自体への感想もそうなんですが、個人的な話もありまして・・。
3年前、自分は当時マネージャーだったのですが、力不足もあり一度降格することになりました。その際に、片岡さん(CEO)から「表彰されるくらいの結果を残して、もう一度マネージャーに戻ってこいよ」と言われたことがありまして、ちょうどオンラインの画面で片岡さんが映ったこともあって、いろんな感情が湧いてきてしまいました。
【百瀬】
そんな経緯もあり、今までの数年を思い返して、男泣きをしてしまったんですね。夏川戸さんの成長が著しいというのはよく社内でも耳にしていました。心折れずに著しく成長しながら、確実に成果を出していきながら、期待通り、24年度の新体制ではマネージャーとして選任されたことは本当にすごいことですね。
【百瀬】
改めての質問になってしまうのですが、まちづくりの認知度としては全国有数の海士町の中で、なぜ、FoundingBaseが観光事業に取り組むことになったのでしょうか?
【夏川戸】
海士町は自然豊かでそれが売りな上に、地元の人も自然の中で遊んで育つ町です。ただ、それを観光客が体験できる場所がなかったので、それを創っていきたいという町長の想いがことの発端ですね。FoundingBaseが参画する前にも、他の大手企業も調査事業とかをやっていたようなんですが、この立地で事業構築が難しくて撤退していたようでした。そういった中で、町に移住して活動するFoundingBaseに声がかかってきました。
【百瀬】
地方で経済性・社会性のどちらも高めて事業展開していくFoundingBaseの強みと、海士町の抱えている課題がマッチしたできたことが大きかったんですね。そうなると、海士町の方やFoundingBase社内からも相当期待値も高く、かなりプレッシャーがあったんじゃないですか・・?どう乗り越えられたんですか?
【夏川戸】
それでいうと、本当にプレッシャーはいろんなところから感じていました。
ただ、それは1人じゃどうしても乗り越えられなかったと思います。最初は1人拠点の時期もありましたが、その時は未来で共に働くメンバーが一緒に乗り越えてくれるはずだと考えて、耐えていきましたね。
【百瀬】
自分だけのモチベーションや気持ちじゃなくて、周りの人、特FoundingBaseのメンバーに支えられてきたってことなんですね。実際、立ち上げ当初から4名メンバーが参加していきましたが、当時考えていたようなメンバーが参入してくれましたか?
【夏川戸】
自分が考えていたよりも良い人たちが入社してくれて、
プレッシャーもタスクも何もかも、期待以上に一緒に背負ってくれています。本当に良いメンバーです、ありがとうございます・・。
【米澤】
小池さんが23年2月に入社、私が23年4月に入社だったんですが、それまで約1年間、1人で倒れそうな環境で一人相当な重圧とプレッシャーに責任感を抱えてたんだと思います。
【百瀬】
売上も確実に達成し、拠点人数も順当に増えているように見えていたので、
拠点として順調に成長していると感じていましたが、裏側で多くの修羅場があったんですね。
火を囲いながら話す夜(マネージャー 夏川戸 / リーダー 小池)
【百瀬】
やはり数字は順調でも色々ハプニングや悩みとかもあったと思いますが、
何か思い出に残っていることや、忘れられないことはありましたか?
【米澤】
いっぱいありました!なかなか言えないことも多いのですが、オープン当初とかだと、50人くらいのBBQの案件を引き受けたのですが、そもそも3人しかメンバーがいない状況かつ、オペレーションも決まっていなかったので、
その現場を回していたのは、今思い出しても修羅場だったと思います!
【小池】
当然離島なのでフェリーを使わないと上陸できないんですが、当日になってみないと欠航するかどうかって決まらないことが大半なんですよ。
そのため、お客様からすると、フェリーが欠航になったので宿泊もキャンセルせざるを得ない状況もあったんですね。その場合、会社の元々作っていたキャンセル規定を元に、キャンセル料は徴収するという判断になりました。ただ、どうしても個人的には腑に落ちなくて、どこまでお客様目線で真摯に向き合うかが次の集客につながるかということを、部長とも話して、キャンセル規定を変えていったことですね。実際にそういった対応をした場合、お客様の満足度の向上も高くなっていますし、その場ですぐに次回の予約を入れてくれる事もあるので、前例を崩してでも戦ってよかったなって思えることですね。
【土井】
お客様の長期的な満足度を優先したい、と何度も意見をぶつけたことですね。入社当初、売上や短期的な満足度を上げるために、継続性の高くないであろう取り組みをいくつか取り組んでいるように見えました。
短期的には工数を割いてなんとかできるのですが、2年後・3年後を考えた時に、サービスが提供できなくなる可能性があって、そうなると客離れが発生してしまうと感じて、色々チームの目的もある中で、自分の考えを当てていったことは向き合ったことだと思います。
【百瀬】
お客様対応から、チーム内での衝突、また会社の方針とのすり合わせなど、
いろんなハプニングや課題が発生し続けていたんですね!そういう経験が多くあってこそ、今の強いTADAYOIチームが形成されていったのですね。
【百瀬】
改めて、まちづくりという観点では、既に全国的に有名なまちだと思います。そんな海士町の中で、TADAYOIが生まれたことで、どんな価値がまちにプラスされたと感じますか?
【夏川戸】
TADAYOIを立ち上げることになった経緯として、自然を楽しんで欲しいという意図がありました。海士町で育った人は自然の中で生まれ育っているけれど、観光で来た人はそれを体験する機会がなかったんです。そんな中で、TADAYOIができてサービス化されたことで、海士町の自然の良さを誰しもが楽しめる場所になったと感じますし、来島が少なかった家族連れや若者グループという新たな顧客層が開拓されたと思います!
また、元々これまでは観光客とは観光事業者しか関わりが無かったまちだったのですが、海士町の中にもっと入り込んでほしいという想いから、観光とは関係のなかった事業者とも連携してTADAYOIの外に出ていくようなサービスも作っていきました。その結果、まち全体として観光客を迎え入れていくような、観光を軸としたまちづくりの始まりが見えたというところも生み出せた大きな価値だと思います。
【百瀬】
なるほど!こうした価値をまちに着実に積み重ねたことで、お客様の満足度に還元されて、売上増加に繋がっていったんですね!そんなまちの価値を共創していくような事業活動を行なっていく中で、実際、自分達の肌でまちの変化を感じたこともあったんじゃないですか?
【米澤】
私にはいきつけのお好み焼き屋さんがあるんですが、そこの店主さんが昨年度から議員さんになられたんですよ。そのお店はTADAYOIから近い飲食店なので、お客様もよく利用してくださっていて、そこでお客様がTADAYOIの接客態度を褒めてくださったんですね。結果、そのお店の店主さんが議会にその声を持っていってくださったり、地元の人に対してTADAYOIのことを伝えてくれてました。対お客様に対して自分たちが行っている接客を通して、TADAYOIは接客が良いんだと認識してもらえて、地域の方々お知り合いに勧めてもらえるような状況になっているのは、真っ当に誠実にお客様に向き合った結果だったと思う。
【小池】
僕は最初は海士町に縁もゆかりもない状況でした。
どこにいっても、「夏川戸さんのところの人ですよね?」と言われている状況でした。そこからどこにいっても、挨拶をして世間話をすることを心がけてました。今となっては、名前も覚えてもらったり、世間話の中から、「息子家族が予約を取りたいって言っているのだけどどうすればいい?」なんて相談ももらえるようになったことですかね。あとは、お世話になっている事業者との関係性の構築作りをやっていきながら、どんどん双方共に助け合えるような関係値を作っていけていることも、海士町の人たちにとってのTADAYOIや僕自身の捉え方や関わり方が変化した結果なんだと感じています。
【土井】
僕自身隠岐は8年くらい住んでいるのですが、着任当初、TADAYOIって何?っていうところから、1年経ってくると、隠岐諸島内での認知もかなり広まっていってるんですね。また役場の方達も率先して、紹介していただけるような状況が出来上がっていきました。そういった結果、「知り合いの紹介で来ました」という方が多い施設になりました。さらに隠岐諸島や海士町内からの宿泊者も増えているので、地域の方達に愛されている施設になってきているのだと実感ができています。
【百瀬】
1年のTADAYOIの運営を経て、小さな変化から大きな変化まで起こし続けているんですね。それも海士町だけでなく、隠岐諸島の中でも目立つ存在になってきているのには驚きました!
最後になりますが、そんなTADAYOI擁する海士町拠点ですが、今後の個人視点でも事業視点でも展望を伺えますか?
【夏川戸】
TADAYOIとしては、稼働率が常に高い水準を保っている状況なので、増築をしてさらに施設のキャパシティを増やすことができないか、と考えています!さらに、海士町拠点としては、TADAYOIの成果もあり、信頼度がまちの中でも上がってきている状態なので、まちとしての観光の役割をさらに拡大するために、観光協会にも携わっていければと思っています。
【米澤】
TADAYOIだけではなく、様々な取り組みを経て、今後は海士町や隠岐諸島全体のエリア価値向上に取り組んでいきたいですね!
【小池】
FoundingBaseという企業が海士町に進出してくれてよかったよね、信頼できる企業だよねと、海士町内でさらに感じてもらい、TADAYOIだけじゃなく、観光全体に関わるような事業拡大に長期的に携わっていきたいですね。
【土井】
やはり交流人口を増やしていきながらも、町に愛される施設にしたい。
色々イベントの話やイベントの手伝いをさせてもらっているので、閑散期にイベントもやっていきながら、TADAYOIは海士町の施設だよね、とさらに多くの町民の方に感じてもらえる施設にしていきたいです。
【百瀬】
まずは地元の方達からさらに愛されていく施設に成長していきながら、
TADAYOIという施設の運営だけではなく、海士町の観光全体を担っていくことが今後の展望なんですね。さらにその先に、他の領域にも拡大していきそうで目が離せませんね!