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今更聞けない「エンゲージメントってなに?」

昨今、エンゲージメントという言葉が当たり前のように耳に入ってきます。経営者の方と会話をしていても、「エンゲージメントを重視している」とお聞きすることも少なくありません。 一方で人によって、「結局どういうことなの?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 私たちEPLGAはクライアント様の経営をご支援する中で、エンゲージメントに関する課題をしばしば取り扱います。今回は企業経営の実態に即したエンゲージメントについてご紹介いたしますので、エンゲージメントの理解と実践にお役立ていただければ幸いです。

エンゲージメントとは何か

エンゲージメントと調べると、「婚約」「誓約」「約束」「契約」といった言葉が出てきますが、ビジネスシーンでは ①会社と従業員、②会社と顧客の2つの関係において語られます。この記事ではとりわけ①についてお話いたします。
エンゲージメントとは、一言で表現すると会社と従業員の「相互的関係、つながり」のことです。 これだけ見ても本質的なところはつかみにくいので、時代背景をさかのぼってエンゲージメントの正体を考えていきましょう。



従業員満足度 / モチベーション

1990年代、多くの企業が口を揃えて「従業員満足度を上げるんだ!」と取り組んでいました。従業員満足度(ES:Employee satisfaction)に関しては説明するまでもないですが、給与や休暇、福利厚生、人間関係などが主に満足度を左右する要因とされていました。すなわち、「会社が従業員に何を与えられるか?」で企業間競争が行われていた時代です。
その後2000年代に入り、従業員満足度と共に「モチベーション」という概念が浸透していきます。やる気や意欲を指し示すこの言葉が重要視されたことで、従業員満足のために与えられていた給与や休暇といった外発的動機付けのみならず、いかに内発的動機付けをするか?が焦点となっていきます。具体的には主体性・成長・目的といった言葉に関連するような、従業員の内から湧き上がる欲求を刺激することが大切だという考えのもと、有能な人材の確保のために企業はこぞってアピールします。
こうした価値観の変遷をたどってみると、企業が与える代わりに従業員が尽くすという図式から、従業員の個人的欲求を満たすために企業が環境を用意するというステージに徐々に移り変わったという見方ができます。

そして時代はモチベーションからエンゲージメントという価値観へとさらにシフトしていきます。


エンゲージメントの時代

「従業員満足」から「モチベーション」、そして「エンゲージメント」と会社と従業員の間に求められる価値観が変化してきました。
すなわち、物質的な充足から、より高度で精神的な充足への変化です。

それを裏付ける1つのデータが、世界の時価総額ランキング。 1990年には、TOP20のうち実に14社もの企業が日本の企業でした。名の知れた大企業たちが緻密な管理型組織をつくり、従業員満足度を向上させることで高い生産性を誇りました。 ところが2021年、TOP20に日本の企業は1社もランクインすることはありませんでした。名を連ねるのはGAFAに代表されるようなアメリカの企業です。

彼らの多くはエンゲージメント経営を実践していると言われています。会社が与えるでもなく、従業員が要求するでもなく、双方が信頼の上に密接に結びつくつながりを持った関係です。

世界トップ企業のエンゲージメント施策

よりイメージを深めるために、Googleが実践している有名な事例をご紹介します。彼らはエンゲージメントを「情報の透明性」によって手にしようとしています。企業の重要な情報、目的や目標、組織情報など、従業員を対等な関係として多くの情報を意図的に開示、共有しています。

そのため全社ミーティングを毎週開催し、経営状態や今後の動向、開発中の製品の共有をトップメッセージとして発信したり、どのメンバーからの質疑にも回答します。また世界中の社員に対するサーベイを行い、結果や課題、改善方法を公開するといった取り組みも行います。

ご紹介したのはごく一部の事例ですが、Googleは少なくとも情報格差を解消することがエンゲージメントを高める方法であると考えていると推察できます。


従業員満足度とエンゲージメントの決定的な違い

エンゲージメントとは具体的に何なのかを考えることで少しずつエンゲージメントの実体が浮かび上がってきたのではないでしょうか。重要なポイントは、従業員満足度は「報酬」「待遇」「環境」といった与えられるモノの上に成立するものに対し、エンゲージメントは企業と従業員の「信頼関係」が全ての土台になっているということです。Googleが社員を対等な関係として情報を透明にしていることも、まさに信頼関係の表れとも言えます。


エンゲージメントを高めることのご利益

エンゲージメントが高まることで得られる効果は、離職率が下がるだけではありません。実は、生産性も向上するというのが世界的な常識になっています。

エンゲージメントが高い従業員は低い従業員と比べ、 離職率が 87 % 低い。
 ーCorporate Leadership Council

従業エンゲージメントが 5%向上すると、 営業利益は 7 % 増加する。
ーTowers Perrin European Talent Survey

エンゲージメントの高い会社は、低い会社に比べ、 収益率が 22 % 高い。
-Gallup:「State of the Global Workplace Report」

さいごに

どのようにして自社のエンゲージメントを高めることができるのか?の解は企業によって異なります。「Googleがやっているからウチも情報を開示しよう!」と取り組んでも上手くいかないケースがほとんどです。まずは自社の組織状態を正確に把握し、有効な打ち手を適切なタイミングで実施する必要があります。

EPLGAでは組織のエンゲージメントを診断する「BOND」というツールを提供しています。単なるサーベイではなく、組織を改革するための実践的なご支援が可能になっております。

このような企業のエンゲージメントや人材育成をサポートすることに興味のある方はぜひ、「話を聞きに行きたい」よりご連絡ください。

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