こんにちは。株式会社with /人事担当の松澤です。
現在マッチングアプリ市場は、大きな成長を迎える過渡期にあります。今後はより多くのユーザーにマッチングアプリが浸透していくと予想される中、業界内では後発のプロダクトである『with』には、どのような競合優位性があるのでしょうか。
市場の状態やフェーズの面白さ、withが持つ唯一無二の強みなどについて、執行役員CSO(Chief Strategy Officer)の古守さんに詳しくお伺いしました。
左:執行役員CSO(Chief Strategy Officer)古守 / 右:人事(インタビュアー) 松澤
日本のマッチングアプリの浸透率は現在2割程度
―最初に、古守さんのご経歴について簡単に教えてください。
古守:私は新卒でコンサルティングファームのローランドベルガーに入社しました。同社で4年半様々なプロジェクトに参画した後、日本以外でかつ事業会社で働いてみたい、という経緯から海外の外食企業の社長室の職を得ました。その後に国内の外食企業の海外事業の立ち上げや、デジタルギフトの会社のCoSで新規事業の立ち上げを担当してきました。
現在はwithでCSOに就任し経営企画をはじめ、事業戦略をメインに担当しています。
―早速ですが、マッチングアプリ市場の現状について教えてください。
古守:マッチングアプリの知名度はすでに9割近く、多くの方が存在は知っていただいてる状態です。若い方を中心に「出会うための1つのツール」として当たり前に受け止めていただいている方も増えていると実感をしています。
一方で、マッチングアプリが浸透している米国と比較すると、日本のマッチングアプリの浸透率は半分以下と低く、知ってはいるが使ったことのない方が大半となっていますし、マッチングアプリに関心のある方の中でも実際に利用したことのある方は半分程度と弊社の調査でも出ているので、まだまだ「当たり前」のサービスとはなっていません。
台湾や韓国では4割前後の方が利用したことがあるのと比べても、日本はまだまだ伸び代があると考えています。
テレビCMの解禁が全世代への浸透の鍵
―今後、日本でマッチングアプリがさらに浸透する理由としてはどのような要因が考えられるのでしょうか?
古守:いくつかありますが、まずは世代交代によるものです。若い方はオンラインでの出会いを1つの当たり前の手段だと捉えている方が他の世代よりも多いので、自然に浸透率は一定上がっていきます。さらに現在日本のマッチングアプリはキャズムの壁を越えようとしているフェーズだと考えています。諸外国の浸透率のトレンドをみても、浸透率が20~25%を超えると一気にマジョリティ層にも利用されるようになっているのですが、データを見ていると日本が今その辺りのフェーズに来ています。
また、TVCMの解禁が大きなドライバーになります。現在マッチングアプリ業界としてTVCMは解禁されていないのですが、一定の条件を満たすサービスについてはTVCMを解禁しようという動きが進んでおり、TVCMが解禁された場合は大きく浸透率が伸びると考えています。
―withのメインユーザー層は20代ですが、年齢層的にも伸びしろはあるのでしょうか?
古守:まず恋愛・結婚希望者の最大ボリューム層はwithがメインユーザーとしている20代です。確かに日本は若年層になるに従って人口が減る構造ではありますが、それでも成長の余地は大きく残されています。当社の調査によれば、独身の20〜30代の交際・結婚希望割合は7割近いことがわかっています。一方で、4人に1人はデートを経験したことがないというニュースが話題になりました。「恋愛をしたい」「パートナーが欲しい」と考えている人が大半なのに対し、出会うことや恋愛が簡単なことではない、ということを示していると思います。潜在的な恋愛希望者と彼らの恋愛事情を考えると、現在のマッチングアプリ利用経験者2割は、低すぎる数字です。
安心・安全性を担保し、少子高齢化という社会課題に切り込む
―まだまだ「マッチングアプリは危険」と考える方も多いと思いますが、この点は払拭できるのでしょうか?
古守:まだまだマッチングアプリ=出会い系、という印象を持たれている方が多いのは事実です。
マッチングアプリの主要各社は個社での取り組みはもちろん、業界横断でこの課題に取り組んでいます。業界団体として厳しい自主基準の設定や、安心・安全の基準から第3者評価を受ける認証制度の導入などに取り組んできました。不正ユーザー対策の勉強会も業界として定期的に実施しています。withもこの業界団体の理事として業界の健全性向上に取り組んでいます。
こうした活動を通して、最近では政治家の方からもマッチングアプリをポジティブに表現いただける機会が増えてきましたし、現在は規制されているTVCMについても解禁の動きが始まっています。
―少子高齢化対策という意味では、事業の社会的意義も大きくなりそうです。
古守:そうですね。実際、当社に応募される候補者の方々も、社会課題を意識している方が多い印象です。マッチングアプリが直面している少子化、婚姻数の減少の問題は、日本最大の社会課題の1つと言っても過言ではないと考えています。実は恋愛による婚姻数は長年大きく変わっていません。一方で減っているのはお見合いや会社での出会いを通じた結婚なのです。出会いに積極的になれる方や、たまたま自分のコミュニティで良い方に出会えた方以外にも、「恋愛の機会」を提供できることは大きな意義があると思っています。
また、「誰かと親密な関係を築きたい」という気持ちは人類共通の根源的なニーズで、そのニーズに根ざした事業という意味でも、マッチングアプリが存在する「恋愛・結婚パートナー探しのドメイン」は面白いと思います。何かで遊ぶ、何かを購入するといった行為と比較したとき、「誰かと生きていきたい」「誰かに出会いたい」というニーズは、人間の非常に本質的な部分を捉えています。そこに立脚しているビジネスであること自体が、一つの強みだと考えています。
「価値観」のデータ化により唯一無二の競合優位性を発揮
―成長を続けるマッチングアプリ業界の中で、withが持つ競合優位性とはどのようなものなのでしょうか。
古守:withが他社との差別化として打ち出しているのが、価値観ベースのマッチングです。従来のマッチングアプリは、条件検索、もしくは顔写真での選別が基本でした。年収や年齢、好みの容姿かどうかで相手を判断するわけです。
withはこうした特定の条件で相手を探すだけでなく、お互いの「価値観」を基にマッチングできるようにしようと取り組んでいます。これは、より自然な形で出会いたい、というニーズに応えようとするものでもあります
―「自然な出会い」は、どのようなものだと定義しているのでしょうか?
古守:オフラインでは、相手を多面的に知りながら好きになっていきますよね。例えば相手の人が他人と接しているシーンを見て素敵だなと感じたり違和感を感じたり、その人の価値観や内面に触れる機会――すなわち、「恋に落ちる要素」が多いと思っています。オンラインでもその人の多面性に触れて相手への理解度を高めることで自然な出会いに近づくことができるのではと考えています。
―そのほかに、競合優位性という意味でwithならではの魅力があれば教えてください。
古守:ありがたいことにwithはリリース以降成長し続けています。withは20代の真面目な出会いを求めるユーザーの支持が高いのですが、本命の彼氏や彼女を探す方が日本の場合母数としても多いからだと思っています。そこにポジショニングできていること自体が競合優位性だと考えています。なぜそこにポジショニングできたか、についてはぜひ入社してからお話ししましょう、笑
一方、競合優位性の観点とは少々異なりますが、IPOに対する捉え方も当社の魅力ポイントになるためご案内差し上げます。
私たちは数年後のIPOを目指しています。日本ではマッチングアプリ事業単体でIPOしている企業が現在おらず、我々がマッチングアプリ事業としてIPOすることで、マッチングアプリの信用性を高められると考えています。IPOの他にも日本発のマッチングアプリとして海外進出を目指していますし、新規事業の準備もしています。成長市場でチャレンジングな環境を求めている方にとっては非常に魅力的な現場だと思います。
自分とは違う他者を尊重しながら対話できる人がマッチする
―最後に、withに求める人物像について教えてください。
古守:withは一緒に働きたい人をチームパーソナリティとしてまとめています。その中には「ワクワクし続ける」という項目があるのですが、ワクワク感は人から与えられるものではないので、ワクワクできる力を持っている方には来ていただきたいです。目標数字を達成する、勝負に勝つ、というワクワクももちろんありますが、マッチングアプリが与えうる1人のユーザーの人生や社会へのインパクトや、マッチングアプリを通した恋愛体験を変革することにワクワクできる方は飽きる暇がないと思います。
また、対話が得意な方がいいですね。「おしゃべり好き」「プレゼンが得意」という意味ではなく、「自分とは異なる意見や視点を持つ他者に対して相互に尊重した対話ができる」という意味です。これはwithのカルチャーであり、強みでもあります。異なる意見を聞いた上で、目的に対して何が必要なのかを導き出すことを自然にできるメンバーばかりなので、その姿勢がある方は、大歓迎です。