株式会社イーシーキューブの若林( @genzouw)です。
会社のブログにエントリを投稿するのは初めてです。
先日開催された「Google Cloud Kubernetes Day」に参加してきました。
当社のエンジニアも登壇しました。
イベントの内容をレポートしたいと思います。
Google Cloud Kubernetes Day
イベント概要
2020-01-30(木)に、東京の渋谷ファーストでGoogle Cloud Japanのカンファレンスイベント「Google Cloud Anthos Day」が開催されました。
コンテナを起点とする技術トレンドや最新の開発事例について触れることができました。
Google Cloud Japan は「Google Cloud Anthos Day(「Google Cloud Kubernetes Day」は、「Google Cloud Anthos Day」に名称を変更いたしました)」を開催いたします。 開発エンジニア、インフラエンジニア、運用エンジニア向けにマイクロサービス、DevOps、コンテナの利用やクラウドネイティブなアプリケーションの先進事例などを提供するイベントです。
実際に Kubernetes 環境でアプリやサービスの開発を実践されている先進的な企業を迎え、それぞれのアプリケーションのモダナイゼーションや、Kubernetes の事例についてお話しいただきます。
また、深い専門知識をもつ Google Cloud のエンジニアが、Google Kubernetes Engine (GKE) やAnthos をはじめとした Google Cloud Platform を利用し、どのようにアプリやサービスのコンテナ化を行うのか、開発、運用の実際について解説します。
Google Cloud Anthos Day から引用
- イベント名 : Google Cloud Anthos Day
- 日程 : 2020 年 1 月 30 日(木)
- 時間 : 13:00 - 18:50 / 受付開始 12:00 ※変更の可能性あり
- 対象 : 開発エンジニア、インフラエンジニア、運用エンジニア
- 定員 : 700 名
- 参加費 : 無料(事前登録制)
- 申込期日 : 2020 年 1 月 21 日(火)※定員になり次第締め切り
- 会場 : ベルサール渋谷ファースト(〒150-0011 東京都渋谷区東1-2-20 住友不動産渋谷ファーストタワー)
もともとは前回までの名称「Google Cloud Kubernetes Day」という名前のカンファレンスでしたが、開催が近くなったタイミングで改名されたようです。
Googleさんとしては Kubernetes の事例を紹介するのはもちろんとして、 Anthos の事例についても多くの人に認知してほしいという思いがあるのでしょう。
事例紹介されていた大手企業
堅実そうな大手企業がKubernetesを導入し始めているようです。
これを聞くと昨今のSIer業界も悪くはないのではないか?と思えてきますね。
- JR東日本
- みんなの銀行(ふくおかファイナンシャルグループ)
- アサヒビールを中心とするアサヒグループ
- NTTドコモ
- 日経新聞
上記の会社様以外にも コロプラ様 、 Karte様 などWeb業界の会社様もお話が有りました。
もちろん当社 イーシーキューブ も登壇してきました。
キーワード
各セッションとも、以下の5つのキーワードが中心となっていました。
- Kubernetes
- コンテナ
- マイクロサービス
- GCP
- Anthos
その他セカンダリキーワードとして以下のようなものもありました。
- CI/CD
- アジャイル開発
- GitOps
- GitLab(事例紹介の多くに登場していた)
これらのキーワードを軸として、事例紹介、関連ツール、関連サービス、トレンドの話を展開されていました。
会場の雰囲気
定員の700名を遥かに超える参加者がいました。
入場制限もされており、開始の13:00時点でも会場に入れずにいる参加者もいらっしゃいました。
そのためか、開始が30分ほど押していた。
セッションのレポート
Googleさんが各セッションのスピーカー、概要に加えて、 講演資料 もWeb上で公開してくれています。
ここからは一部のセッションに関して、僕が聴講して理解したこと、感じたこと、考えたことをまとめていきます。
(何度も言いますがバイアスがかかっているため、実際の内容は上記ページの 講演資料 を参照ください。)
セッション-「なぜ、今クラウドネイティブな開発アプローチが必要なのか?」
デジタルトランスフォーメーション(DX)とディベロッパーエクスペリエンスの「2つのDX」の重要性についてのお話がありましたが、これに関して考えたことが有りました。
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)とは
昨今のビジネスは以下のような背景の上に置かれています。
- 激しいビジネス変化
- ユーザーニーズのパーソナライズ化
- 64歳以下の人口の減少
当然これまでの組織、プロセス、企業文化・風土では対応できません。
組織、システム、企業文化の変化として以下のような点が重要となっていきます。
- アナログよりデジタル(物質世界にとらわれず変化できる)
- 直感、感覚よりデータ(認知心理学にもあるように直感、感覚はときに現実世界を歪める。)
- 少ないリソースで効率の良い開発
このような変化を 「デジタルトランスフォーメーション」 です。
「デジタルトランスフォーメーション」 に伴いITの取り扱いが変化します。
「デジタル・トランスフォーメーションとこれからの営業」 というページから引用させていただき説明します。
従来はITは次のように扱われていました。
- ITは道具(ITは本業を支援)
- ITはコストセンター(コスト削減がミッション)
今後は次のような扱いに変わっていくと予想されます。
- ITは本業(ITは本業の土台)
- ITはプロフィットセンター(利益拡大がミッション)
ディベロッパーエクスペリエンス(Developer Experience)とは
「デジタルトランスフォーメーション」 に定義されるような変化が進むにつれて、ITに関わる人間、さらにはITそのものを開発するディベロッパーがいかに効率よく、自由に、意思決定を行い開発できるかが重要なファクターとなるでしょう。
この「ディベロッパーのLTV」とも言うものが 「ディベロッパーエクスペリエンス」 です。
「ディベロッパーエクスペリエンス」 を分解すれば以下の要素になります。
- 技術的負債の小ささ
- 開発プロセスの継続的改善
- 正しい持続的なマネジメント
- あるシステムを「気持ちよく開発・保守できるかどうか」
- 開発者は開発・保守という行為を通じたシステムのユーザーであり、DXはUXの一種
- DXが良いと「定められたタスク」(=義務)以外のことをする気持ちが生まれやすい
- DXが悪いと「定められたタスク」以外のことをする気持ちが生まれにくい
デジタル化(≒デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが進んでいる企業
IPAの2019年の調査によると、
「デジタル化の取り組みが進んでいる企業」のうち、収益に結びつく成果が出ている企業・出ていない企業は以下のような点に違いがあるようです。
- 社内の風通しがよく積極的な情報共有
- オープンである
- 仕事を楽しむ
- 新しいことにチャレンジする
ディベロッパーエクスペリエンスの向上が企業の強みになる
ディベロッパーエクスペリエンスの向上は、他の優秀なディベロッパーの興味を引き、新しいディベロッパーの獲得にもつながります。
好循環すればDX自体が企業の強みとなると感じました。
さいごに
※思った以上に内容が長くなりましたので、続きは後半にまとめたいと思います。
「Google Cloud Anthos Day」参加レポート 〜 Kubernetesを使った開発事例を学ぶ(後編) に続きます!
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