デザインチームのDIYは「Design It Yourself」。 自社の制作全般を担っているデザインチームのお仕事、初回はweb制作を紹介させていただきましたが、今回はグラフィックデザインをご紹介します。大都はweb制作だけでなく、名刺や封筒などのコーポレート・ステーショナリーや、自社ブランド「DIY FACTORY」のパンフレットやDM、媒体のデザインなども基本的に内製化で制作してきました。DIYの意味としては通常「Do It Yourself(自分でやろう)」なのですが、デザインチームの場合は「Design It Yourself(自分たちでデザインしていこう)」という風に解釈して掲げております。
グラフィックデザインにも様々な種類がありますが、ここでは自社で使用する制作物のみに括って紹介させていただければと思います。
グラフィックデザイン経験が全くなかった状態から統一感を意識したコーポレート・ステーショナリーをつくるまで。 僕が入社したころは名刺や封筒はデザインもカラーもバラバラで、業務に支障のない範囲で使用できればOKみたいな感じで統一感などなく、そもそも統一させるという発想自体がなかったような気がします。そして僕自身もwebデザイナーとして入社したので、グラフィックデザインの知識はほとんどなく、全くの素人といってもいいような状態でした。
▲入社してすぐにもらった名刺。
大都に入社してすぐに名刺をいただきました。この頃は会社のロゴもなくデザインチームという部署もなく、「EC事業部」に配属されていました・・懐かしい。デザインの良し悪しよりもまず名刺を持つということ自体に喜びを感じていました。今となっては当たり前に思っていますが「ああ、社会人になったんだな」と感慨深かったのを覚えています。
ここから事業が変化するごとに名刺のマイナーチェンジがはじまる。 そして翌年、2009年から名刺のデザインを担当することになります。名刺をデザインなどしたことがなかったので縦型がいいのか横型がいいのか、参考になるデザインを探しながら試行錯誤し制作していきました。大都はDIYに必要な工具をたくさん扱っている会社なので、工具をアイコンにして散りばめたこんな名刺も当時持っていました。
▲裏面が英語表記にもなっている名刺デザイン。
この名刺はなかなか他では見かけないユニークさもあり、名刺交換時に先方さまから「素敵な名刺ですねー!」とよく褒められました。個人的にも今でもお気に入りです。用紙も真っ白のものではなく少し歴史を感じるようなものをということでクリーム色がかっている用紙を選んでいたので、それがさらにデザインを引き立てていました。
そして2014年の春にDIYショップ「DIY FACTORY OSAKA」が大阪なんばにできたことをきっかけに記載する情報が多くなったので、さらに名刺デザインを変更しました。載せる情報が多くなる上にアイコンを散りばめているとかなりゴチャゴチャしてしまうので、デザインはシンプルに、縦型でスッキリ見せることを心掛けたデザインにしました。
▲2014年ごろの自社名刺デザイン。
ポップな工具アイコンも少しリアルなオブジェクトに変更。一貫して変わっていないのは入社時にもらった名刺で使われていたカラーであるオレンジを入れているところです。僕の中では「大都のコーポレートカラーはオレンジ」というイメージが今でもずっとあります。そしてこの名刺デザインですが、情報を整理して見せるということを意識しすぎていて、少しユニークさに欠けている・・制作した僕自身もそう感じていました。DIYを文化として広げていく企業としてどんな名刺がふさわしいのか。それは今でも考えているところですが、もう少し伝えようがあるのではないか、そう思っていたときにひとつのアイデアが出ました。
手づくり感を少しでも感じるような用紙で名刺をデザインする。 DIYは基本的に自分の手でするもの。なら、少しでも手づくり感を出せるような、素材感を感じるような用紙のほうがいいのではないか。他の企業と違うDIY LIFESTYLE COMPANYとしてのユニークさも出せるのではないか?そう思い、今までのデザインを根本から見直し提案し、現在は下記の画像のような名刺デザインになりました。
▲現在の自社名刺デザイン。しばらく本社メンバーはこれで統一しています。
印刷のカラーもブラックのみでシンプルに素材の良さを生かし、工具を販売している企業なのでタイポグラフィに工具オブジェクトを入れ、オリジナリティも意識したデザインです。
▲箸のほうに黒い斑点がありますが、それも個人の味と考える。
未晒しのクラフト用紙の表面はよく見ると原材料の繊維が見えていて、それぞれが違う模様のようにも見え、DIYされたものが個人の思いを感じさせるように、同じようで違いも出せる用紙として、クラフト紙は最適だと思いました。(コスト面もいろいろ考慮しました)いろんな紆余曲折を経て、大都らしい名刺がつくれたかなと思います。まだこれからも進化していくとは思いますが・・
名刺の発想を社封筒にも用いて統一感を意識する。 名刺を制作して少ししてから、封筒を作り直そうという話になり、これはチャンスだと思い「名刺と同じようにクラフト用紙の封筒にしませんか?」と提案しました。印刷業者と発注にかかる費用など出して、社長(ジャック)や会社もそれに応えてくれました。
▲3種類の社封筒も未晒しクラフト用紙に統一した。
名刺である程度のデザインがつくれているので、封筒に応用するのも簡単でした。出来上がってきた封筒を見たときワクワクしました・・当時封筒をよく使用していたスタッフも「いまの封筒かわいいから使うの楽しい」と言ってくれたり。うれしかったです。
統一感のあるステーショナリーが完成。 こうして自社のコーポレート・ステーショナリーを一旦完成させることができました。
▲統一感のあるステーショナリーが完成。
あるものを何も考えず使用するより、しっかり考えてデザインに落とし込むからこそ会社としてのインパクトを与えることもでき、もらった人の心を豊かにすることもでき、そこからコミュニケーションも生まれやすいですよね。そして自社で制作し続けるからこそ感じるのことのできる制作の歴史と成長の記録。あなたも大都の制作物に新しいエッセンスを加えてみませんか?
株式会社大都の制作について、さらに詳しく聞きたい方はどんなことでもかまいませんのでぜひお気軽にお問い合わせくださいね。