どうも、株式会社デジタルキューブ、広報のタカバシです。
「デジタルキューブで提供しているサービスは AWS(Amazon Web Services)で動いています」と聞いて、すっきり理解できますでしょうか?
そもそも AWS ってどんなものかご存知ですか? 僕も以前は「クラウドのレンタルサーバ…?」という認識でした。
が、どうやらそれだけでは無いらしい… ちょっと調べてみると、提供しているサービスの中には人工衛星に関するサービスがあったり、JAWS-UG という利用者のコミュニティ(?)があって、かなり頻繁に活動していたり、弊社取締役の立花さんは「AWS ヒーロー」というものに選出されていたり…
ということで、元 AWS のスタッフで Inside Sales、Startup Sales、ISV/SaaS Sales を担当し、現在はデジタルキューブで働く藤田さんに AWS について教えてもらいました。
藤田 和宏(営業企画部)
AWS の進化の過程を知る
━━ AWS ってレンタルサーバの発展型という感じで、以前はどこかのビルにたくさんサーバが並んでいたものが、今は世界中にサーバがあって、さらにそのサーバの中にデータを入れるだけではなくて、いろいろなアプリがあってそれも使えるようなイメージなんですが… 合ってますか?
アプリがあるわけではないですね。まず、基本的にはコンピュータ=サーバと表現しますが、そのサーバの上で実現しようとする目的が、皆さんそれぞれあると思います。
例えば、 Web サービスを作る、溜まっているデータを活用して分析をする、機械学習をする、といった目的に特化したサービスがたくさんある、といった感じです。
━━ それにしてもサービスが多すぎて…
まずは、AWS の進化の過程を知るとわかりやすいかもしれませんね。
元々は、Amazon のジェフ・ベゾスたちが自分たちの EC サイトを運営していく中で、昔ながらのサーバ、データセンターを借りて運用していたんですが、それをベンダーさんに頼むと非常に高価なので、自分たちで用意しようとなりました。
小売業である Amazon は毎年11月と12月、めちゃくちゃアクセスが来る時期を乗り切らないと行けないんですね。ただ、その時期は大量のサーバ群を用意してフル稼働するけど、その他の約10ヶ月間、サーバは暇している事が多いので、これを他社に貸し出したらどうだろう?というようなアイデアから AWS が生まれました。
そこからいろいろなサービスが生まれていくんですが、最初はストレージ、要は画像を保存しておくハードディスクのような領域から始まりました。これは「S3」と言われるものなんですけども、そこからスタートしました。
続いて、月極契約ではなく、好きな時に好きなだけ使えるレンタルサーバのような「EC2」、DB 関連の「RDS」という感じで、お客さんのニーズに合わせてサービスを拡大していきました。
特徴的なのは、電気代のような形で”稼働した時間だけ費用がかかる”従量課金制のような考え方を取り入れた点です。例えば会計ソフトを運用している会社だと、年末調整の時期にはめちゃめちゃアクセスがあるので、その間だけサーバをパワフルにしましょう、ということができるようになっています。
お客様のフィードバックからサービスを進化させていく
━━ このあたりが AWS の第一章という感じで、以降はどんどんサービスが増えていく感じですか?
基本的には、お客さんがサーバで実現したい目的、機能に関してフィードバックをいただいて、それでサービスがどんどん増えていったという感じです。AWS には、お客さんの「こんな目的のためにこういう機能が欲しい」というような声からサービスを進化させていくという発想があります。
例えば「機械学習が目的」というお客さんにもいろいろな段階があって、機械学習をゼロから自分たちでやりたいとなった時には、めちゃくちゃパワーのあるサーバが必要なので、機械学習に特化したサーバを提供します。
もう少しライトに、機械学習に必要なソフトウェアは面倒なので用意してほしい、というお客さん向けには Amazon SageMaker というサービスもあります。
さらに、とにかくすぐに「アプリケーションっぽく機械学習を使ってみたい」というお客さん向けには Amazon Bedrock というようなサービスもあります。
━━ なるほど… OSも入っていないパソコン、とりあえずOSが入っているパソコン、いろいろなソフトも入っているパソコン、くらいにイメージしました。考え方としては、そこに一貫性があって、その結果、人工衛星に関するサービスも出てきた、と言うわけですね?
そうです。「人工衛星を飛ばした後って、こういう事をやりたいですよね」っていうようなことを、AWS がお客さんとしっかり話して、サービスとして立ち上げたという。ただ人工衛星ぐらいの話になると、アメリカの会社で話したものをそのまま日本に持ってこれるかというと、法律の問題で全然使えなかったりするので、サービスメニューに人工衛星って書いてありますけど、そこに超えられない壁っていうのはあります。
以前、僕が人工衛星系のスタートアップ企業に営業に行って「AWS どうですか?」って言ったら、「全然わかってないよ! 日本で使えるんだったらすぐ使いたいけど、今の日本の法律じゃ無理なんだよ」ってめちゃくちゃ怒られたこともあります。
━━ どういう流れでいろんなサービスが生まれるのかは想像はできるようになりました。ところで、AWS のサービスって誰が作っているんですか?
アメリカの AWS のエンジニアが作っています。たまに iRobot 社のように買収が選択肢に入るものもあるかもですが、基本的には各サービスにチームがあり、そこで作っています。
基本的にはエンジニア向けのサービス群
━━ AWS のサービスは100を超えているわけですが、僕がコンピュータを使ってこんなことをしたい、と思った時に、それを実現してくれるサービスの見つけ方ってありますか?
まず、これはあくまで僕の個人的な思いみたいな感じではありますが、新規でサーバを用意して、自分たちでデータベースを入れたりとか、あとはその機械学習っていうような言われるようなものの場合、機械学習の肝である「モデルを作る」だったりとか、そういうようなところっていうのは、”基本的に有識者がやること”という前提です。なので、素人ではできない世界です、というのは入り口としてあると思います。
その有識者たちが、本来は機械学習系のモデルを作ることに集中したいのに、サーバが高価だから買えないとか、サーバは買ったけどメンテナスをやりたいわけじゃない、みたいなところをどんどん無くしていって、本来やりたかったことに集中できるようにしていこう、としているのが AWS なので、基本的にはエンジニア向けなサービスが多いかなと。
今後、 AWS がどこを目指すかはわかりませんが、 Google や Microsoft の方が「エンジニア的な知識がない人でもここまでできる」っていうことがイメージしやすいものになるかもしれません。
━━ となると、Amimoto や Shifter のように、カスタマイズしたり代理でやってあげますよということがビジネスになる、という認識で合ってますか?
その通りです。AWS には AWS Partner Network というものがあって、デジタルキューブもヘプタゴンもパートナー企業として認定されています。パートナーの検索ページで調べると、日本では741件出てきます。(2024年4月16日時点)
これは AWS のパートナーとして、一定の条件を満たしていて、かつ、日本でビジネスを行う会社、ということなので、実際に日本の会社が741社あるわけではないということと、出てくる会社の多くは SIer(システムインテグレーター ※システムを開発する企業)なので、デジタルキューブのようにサービスを持っていて、パートナーとして認定されている会社はまだまだ少ないです。
━━ なるほど、レンタルサーバはサービスのひとつで、それだけではない広がりがたくさんある、ということがわかりました。ありがとうございました!
結論:AWS は「インターネットが絡むいろいろな目的をサポートする機能」をたくさん提供しているサービス
AWS について、最初は「クラウドのレンタルサーバ?」というイメージでしたが、「インターネットが絡むいろいろな目的をサポートする機能をたくさん提供しているサービス」という認識に変わりました。ただ、素人がいじれるものではなく、それなりのスキルが必要だということもわかりました。
ということで、デジタルキューブでは AWSをフル活用して、お客様の課題解決に貢献したいセールスを募集しています! ご興味のある方はぜひ詳細ページもご覧ください。