2019年10月23日・24日、CTIA(シー・ティー・アイ・エー)(本社:シンガポール、CEO:手塚 満)は、ロンドンで開催されたR3社主催のテックカンファレンス『CordaCon London 2019』(コルダコン・ロンドン)に出展し、生産管理システム「TaaS」のデモンストレーションを実施しました。
先日、発表された分散台帳技術による生産管理システム「TaaS:Traceability as a Service」(トレーサビリティ・アズ・ア・サービス)は、CTIAが2019年より開発を進めてきた新規サービスです。
現代の複雑なサプライチェーンにおいて、分散台帳技術が活用されたTaaSを導入することで、生産計画に基づいて実施される各工程の作業記録をスムーズに実行することができ、またサプライチェーンに関わるすべての組織との記録・データ共有をシームレスに行うことができます。
Cordaをベースとした様々な開発が発表される「DevDay」
本イベントの一日目は、「DevDay」と題して、主にCordaの開発状況や進捗報告がR3社より行われました。R3社CEOのDavid E. Rutter氏をはじめ、開発に携わる技術担当者によるCordaシステムのアップデートを紹介するセッションスピーチが会場のメインステージで披露され、会場に訪れた参加者は真剣に耳を傾けて話を聞いていました。
今回、発表された重要なトピックは、マイクロソフト社が開発するクラウドプラットフォームサービスのMicrosoft Azure(マイクロソフト・アジュール)上でCorda Enterprise(コルダ・エンタープライズ)が4.2にアップデートされ実装されたことです。これにより、Cordaの安全性確認や開発環境の利便性を向上することができ、システムの需要拡大が見込まれます。
ブロックチェーン業界のトレンドやCordaの事例紹介が行われる「BizDay」
「DevDay」に引き続き、24日の「BizDay」では、本イベントのメインステージでブロックチェーンに精通する業界リーダーや規制当局担当者によるトークセッションやCordaを活用したシステムの開発担当者によるプロダクトライブデモが行われました。海外でCordaをベースに実用化が進む事例も紹介されており、貿易金融や保険エコシステム、KYC認証、ソフトウェア開発など50以上の多岐にわたるセッションが披露されました。
登壇者たちはCordaをプロジェクトに選んだ理由やプロジェクトで描いている将来のユースケースについて議論し、会場に集まった参加者との質疑応答も繰り広げられ、意義深い時間となりました。
CTIAブースにも続々と参加者が来訪
本イベントでは、Cordaをサポートする18のスポンサー企業が参加して展示ブースを展開しました。各ブースではプロジェクト紹介やサービスのデモンストレーションを観覧することができ、参加者とブース担当者による活発な情報交換が行われました。
CTIAも自身のブースで先日発表されたばかりの新サービス「TaaS:Traceability as a Service」のデモンストレーションを披露しました。
今回のデモンストレーションは、キウイを作る生産側と入荷側の2社の設定で実施され、生産する会社では、キウイの収穫・箱詰めと出荷準備を行い、出荷するまでの工程を実施、そして入荷側の会社では入荷予定をバーコードで照合して入荷作業を実施しました。
ブースには銀行やIT企業などの担当者が訪れ、他のトレーサビリティシステムとの違いやビジネスモデルについての質問があり、回答を交えながら説明を行いました。訪れた参加者からは情報管理と共有が簡単にでき、生産工程の情報が記録できるこんなシステムを探していたなどの感想がありました。
Cordaをベースに開発されたTaaS
CTIAが開発した生産管理システム「TaaS:Traceability as a Service」はR3社が開発・提供する『Corda Enterprise』をベースに開発されています。このシステムを取り入れることで組織間のポリシー保護やセキュリティの高い情報交換を可能にします。
また、CTIAはTaaS開発に伴って『Token Processor』、『Token Register』、『Transaction RAM Protection』の3つの独自技術を開発し、それらを導入しています。これにより、様々な組織の需要に合わせた業務効率の最適化を支援する分散台帳型のビジネスソリューションを構築しました。リアルタイム性の高い革新的なワークフローと精度の高い情報交換の実現を目指しています。