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コネヒトは技術コミュニティになくてはならない開発組織を目指すために「ス・マイル制度」をはじめました!

こんにちは!CTOの伊藤です。いきなりですが、今日はコネヒトで新たに発足した「ス・マイル制度」のお披露目をしたいと思います!

【概要】

  • ス・マイル制度という新しい取り組みをはじめました!
  • 目的は…
    • 技術コミュニティに貢献したい
    • そのためにコネヒトらしい手法でアウトプットの支援を実現したい
  • コネヒトらしい手法とは…
    • アウトプットに対して、マイルという報酬を個人ではなくチームに発生させる
    • マイルはチームの共有資産として誰でも自由に使うことが出来る
    • マイルをどう活用すれば、チームが成長するかを全員で議論する

ス・マイル制度とは?

一言で言うと、アウトプット支援的な制度なのですが、従来のアウトプット支援制度と違うのはアウトプットに対して、直接インセンティブを払うのではなく、一度「マイル」という形で開発部*1に貯金される点です。そして、ス・マイル制度ではその貯めたマイルを誰でも自己研鑽のために自由に使うことが出来ます。

例えば、あるエンジニアがOSSにコントリビュートをすると一定のマイルが貯まります。そうすると別のエンジニアはそのマイルを利用して、海外のカンファレンスのチケットを買うことが出来るようになります。


ス・マイル制度で実現したいこと

このス・マイル制度は、僕がCTOに就任する少し前*2から構想を練り始めた制度です。コネヒトは以前からアウトプットを推奨しており、KotlinやCakePHPのコントリビューターが在籍しています。しかし、推奨はしていたものの、特に会社として目に見える形で支援していたわけではありませんでした。ですので、CTOになったタイミングで会社としてちゃんとアウトプットを支援・評価したいと思ったのが、ス・マイル制度を立ち上げたきっかけです。

また、これまでコネヒトは多くのOSSの恩恵を受けたり、他社の事例を参考にしたりすることで、サービスを成長させてこれたと言っても過言ではありません。ですので、技術コミュニティや他社に「恩返し」したいと強く思いました。そして、コネヒトが得たものを技術コミュニティに還元出来れば、それをもとに技術コミュニティが発展し、技術コミュニティが発展すれば、それにより更にコネヒトも成長するという、Win-Winのループをつくることが出来るのではないか?と考えました。

コネヒトは「人の生活になくてはならないものをつくる」というミッションを掲げています。その中で、開発組織としても技術コミュニティや他社になくてはならない開発組織をつくることがス・マイル制度のゴールになります。


制度設計時に気をつけたこと

順番が逆

ス・マイル制度で意識したことはコネヒトらしさです。そのために制度は一人で考えず、メンバー全員の意見を聞くようにしました。*3その中で、当初ス・マイル制度は、アウトプットに対して直接金銭的なインセンティブを払うというシンプルなものを考えていました。しかし、何人かのメンバーから「アウトプットを支援すること自体は良いがインセンティブの順番が逆ではないか?」という意見をもらいました。

これはどういうことかと言うと、技術コミュニティに貢献するためには、何らかのアウトプットが必要になります。そして、アウトプットをするためには、学習=インプットが必要になります。しかし、(ものにもよりますが)インプットには一定お金がかかる場合があります。ですので、アウトプット後にお金があるのではなく、アウトプットする前(=インプットをしたい時)にお金があるべきではないかというわけです。

お金のモチベーションは長続きしない

また、ほとんどのメンバーから金銭的なインセンティブは大きなモチベーションにはならないという意見も貰い、確かにダニエル・ピンクのモチベーション3.0ではないですが、お金のモチベーションは長続きしないと考え、最終的に「マイル」という形で、マイルをみんなの共有資産とすることで、お互いを支え合いながら、必要な時に必要な支援が受けられるように設計しました。

更にアウトプットの価値や、組織として何に投資するべきかを全員で議論するために、アウトプットは申請制にし、そもそもアウトプットとして認められるか?認められる場合、どれぐらいの価値があるか?というのをメンバーが承認する形にしています。*4

インプットについては、他薦を認めつつ、こちらもメンバーの申請制にしており、申請すれば自由に使える純粋な福利厚生ではなく、そのインプットによって、期待される成果やアウトプットなどを約束するようにし、その使途を議論出来るようにしました。

こうして、最終的にとてもコネヒトらしい制度が出来たと自負していますが、このような制度をつくる時は、他社の制度やHowをそのまま輸入するのではなく、自分たちのカルチャーにアジャストした形にしないと上手くワークしないということを改めて学びました。

早速盛り上がっているよ!

ス・マイル制度運用を開始してから、1ヶ月弱が立ちましたが早速多くのアウトプットが申請〜承認されています。ちなみに、管理ツールは内製しているのですが、この管理ツールは先日HPのブログで紹介した「社内ツールをCakePHP4でつくりました」ツールになります。

ス・マイル制度は制度をつくることがゴールではなく、運用を開始してからが本番だと思います。ですので、運用ルール自体も今後継続的に改善していく必要があると考えています。そのため、運用に関しても僕一人ではなく、コアとなる運用メンバーを中心に開発部全体で行っています。ス・マイル制度の本当の評価や価値は今後生まれてくるものだと思いますので、また時々進捗などをお知らせ出来ればと考えています。


最後に

現代のソフトウェア開発がOSSや技術コミュニティと切っても切り離せない関係にある中で、企業が金銭的な見返りや打算抜きに技術コミュニティと手を取り合っていくことの重要性はこれからますます高まっていくと僕は考えています。というわけで、ス・マイル制度が、企業と技術コミュニティをお互い持続可能な形で支え合う取り組みに出来るようこれから大切に育てていきたいと思います。そして、コネヒトを技術コミュニティになくてはならない笑顔があふれる*5開発組織にしていくぞ!

*1:開発部はコネヒトでエンジニアとデザイナーが所属する組織です。

*2:CTOに就任したのは2019年の6月。

*3:多数決で決めれば良いものではないので、最終的な意思決定はCTOの僕が行っています。

*4:もちろん、最初は判断基準がないと困ると考えたので、例えば、広報立ち会いの登壇は50000マイルというようなベースとなる基準表を用意しています。

*5:ちなみに、ス・マイルのスにはスペイン語で「あなたの」という意味も込めています。

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