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キャリア採用|02|女性特有の社会課題を解決するサービスデザイナーに

いろんな経験や思いの先でコンセントと出会い、ここでデザインに取り組むことを決めたメンバーたちを紹介する「キャリア採用」シリーズ。
今回は、コンサルタントや海外への留学を経て中途入社したサービスデザイナーの大川友里恵に、これまでのあゆみと現在の仕事、そしてこれからについて話を聞きました。

/登場人物:株式会社コンセント|サービスデザイナー 大川友里恵
大手IT企業のコンサルタントとしてキャリアをスタートさせ、その後ニューヨークのデザインスクールへ留学。帰国後、外資系ブランディング会社を経て、2020年コンセントに入社。女性の課題解決にフォーカスしたサービスデザイナーを目指している。

社会課題を解決する、国際的な人材になりたい

—コンセントに入社するまでの経歴を教えてください。

学生時代は東京の大学に通っていて、国際関係を学んでいました。もともと女性特有の社会課題というテーマに興味があって、将来的にはUN Women(国連女性機関)であったり、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)であったり、そのような国連機関で働きたいと考えていました。

大学卒業後は、女性学か国際関係のどちらかで、大学院留学をしたいと考えていましたが、両親から「一度社会人経験をしてから大学院に進んだ方がいい」というアドバイスをもらいまして。ちょうどその頃は楽天がグローバル事業に力を入れようとしている時期で、社内の公用語も英語になったタイミング。「国際的に活躍できる人材になりたい」という思いがずっとあったので、楽天グループへの入社を決め、2014年から旅行業を手掛ける企業でコンサルタントとして働き出しました。ただ、結果として希望していた「英語を使った仕事」に就くことはできず、1年目から仙台で働くことになりました。

—東北でのお仕事はどうでしたか。

実は、楽しかったんです(笑)。東北6県の文化に触れることができましたし、観光業を通じて「3.11の復興をどうやっていくのか」というお仕事にも携わることができたのも大きかったです。

また、主に「楽天経由の宿泊流通を伸ばす」仕事をやっていて、その中で「クリエイティビティを使うことで流通枠を伸ばすことができる」ことを知りました。今でいうUX/UIです。このときはそういう概念があるのを知らなかったんですけれども、そのようなジャンルの仕事に触れるうちに「専門的に勉強したいな」と思うようになりました。

サービスデザインに出会ったのも、ちょうどその頃です。UX/UIに興味をもって自分で情報収集していた時期ですね。昔から「社会課題を解決しようとするとき、何を使って解決するのか」を考えていて、「私は人間の創造性やデザインの力を使ってアプローチしていきたい」ということを考えるようになりました。その点、サービスデザインは広いアプローチができるので、理想を叶える手段として一番しっくり来る感じがしたんです。でも、サービスデザインを学べる学校を探してみると、当時の日本では見つからない。そうやっていろいろ検索していると、やっぱりアメリカやヨーロッパの方が強いということを知って…。

一方、東北に配属されたとき、会社に対して「1年で結果が出たら、東京に戻れるようにしてほしい」というお願いをしていたんです。でも、すぐに戻れるような状況ではなかった。そこで思い切って海外のデザイン系の大学院を受験したら、たまたま受かってしまって、楽天を退職することを決意しました。

自分の夢に到達するために最短のルートを選択する

—最初の留学先はロンドンの美大だったと聞きました。

そうですね。ただ、その大学院では、志望していたビジネス的なアプローチの学びがあまりできなかったんです。そこで、再度受験をし直して半年くらいでニューヨークの大学院に渡ることになりました。ニューヨークは本当に大変でした。現地のデザインファームの中に入ってプロジェクトベースでサービスデザインを学ぶというプログラムだったんですが、英語をそんなにうまく喋れるわけではなかったですし、自己主張しないと生き残っていけない環境だったので。あと、学校で成果を出さないとインターンの切符をもらうことができないシステムだったので、そのことでも苦労しましたね。

その一方で良かったことは、「国連フォーラム」という組織に出会えたことです。現職の国連職員の方であったり、外交官の方であったり、あとは現地の大学で国際平和を学ばれている日本人の有志の方たちが集まって活動している組織なんですが、その中に入ってイベントや勉強会を開くためのお手伝いをすることができたんです。日本では知り合えないであろう人たちとつながりをもてたのは、大きな実りだったと思います。

—その後、東京に戻って外資系の企業に再就職します。そのとき、アメリカの現地に残るという選択肢はなかったのですか?

ニューヨークに残ることも考えたんですが、やはりどうしても言葉のハンディがありますし、物価が高いということもネックだったんです。そこで、「アルバイトに近いような仕事をしながらアメリカに残るよりも、いったん自分の国に帰って国際的な舞台に立って、キャリアを積んでからまた戻ってくるという形でもいいんじゃないか」と考えて。そうやって最短で自分の夢に到達できるルートを選んで、日本に帰国することにしました。

—それで、外資系ブランディング会社に再就職するんですね。

帰国した当初、サービスデザイナーとして働ける就職先を探していたんです。でも、なかなか自分の希望条件と合うところが見つかりませんでした。そんなときに、ブランディングマネージャーを募集している会社を見つけて。サービスデザインをする上で、ブランディングの知見は役立つだろうなと思いましたし、自分の人生において関連性がないことではないとも感じました。はじめから「入社後はグローバルアカウントを担当してもらう」という条件を提示されていたのも大きかったですね。グローバルチームと一緒に仕事ができるし、英語を使って仕事もできるし、自分のやりたいことと業務内容が合致していたので、その会社に入社することを決めました。

私は人とコミュニケーションを取るのが得意なので、当時は自分やチーム全体が仕事をしやすいように積極的に調整を行っていました。あとは、クライアントが望んでいることに対してやりすぎないように意識しながらも、プラスアルファで「こういうことをしたらいいと思う」ということを提案したりして。そういうことを楽しんでやっていたので、本当に「趣味=仕事」のような感じでしたね。本当は良くないですけど、仕事が楽しくて週末もずっとやっていたぐらいでしたから。

日本の生活や文化に向き合うようになっていった

—転機が起きたのは、コロナ禍だったのだとか。

私はそれまでは海外志向だったんですが、コロナの流行を機に海外に出られなくなり、生活環境がガラッと変わったんですよね。そうしているうちに、自然と日本の生活や文化に向き合うようになっていって…。その流れから、だんだんと「内資系でも働いてみたいな」という思いが芽生えるようになっていきました。というのも、「外資系では働いたけど、内資系の働き方はあまりわかっていないな」と思ったんです。国内で使われる日本人向けのサービスや商品の開発にも興味がありましたし、「今までとは真逆のドメスティックなところで働こう」と思ったんです。

—ちなみに、コンセントを知ったのはどのようなタイミングだったんでしょうか。

確か、国内のデザインファームを調べていたときに、コンセントという老舗のデザイン会社があるというのは認知していたと思います。それで、転職のタイミングでエージェントの方から「今、コンセントさんがサービスデザイナーを募集していますよ」と教えていただいて。当時、サービスデザイナーという職種を募集していた会社は本当に限られていたので、それでとりあえず応募したという感じですね。

—サービスデザイナーとしては未経験だったかと思いますが、何か不安などはありませんでしたか。

ありました。なので、面接を受けたときに、前職での働き方やプロジェクトの動かし方などを説明させていただいて、自分がやってきた仕事とコンセントでの仕事に乖離がないかを何度も確認しました。また、サービスデザイナーとして働いたときのイメージのすり合わせも積極的にさせていただきましたね。また、労働環境がしっかり整っているのかどうかということも細かく確認した記憶があります。面接担当の方にはとても丁寧に話を聞いていただいて。「離職率はどれくらいですか?」というようなことを聞いても、すべて教えていただきました。

性別に縛られず、一人ひとりが自分らしく生きていけるように

—入社後は主にどのような業務を担当していますか。

主に長期プロジェクトを担当しています。具体的にはクライアントの新規事業開発や既存事業のユーザーの体験設計、サービスコンセプトの策定などといったデザインプロジェクトの伴走支援ですね。また、3カ月〜半年程度の短いスパンのプロジェクトにも入ることがあります。

—実際にコンセントで働いてみた感想はいかがでしょうか。

まず、コンセントでは従業員が働きすぎたり、特定の人にタスクが集中しすぎないように、ちゃんと隅々まで目を行き届かせるルールというのが設けられています。コンセントの労働環境というのは、大袈裟な表現ではなく従業員の働きやすさを真剣に考えて整備されていると感じます。

あとは、学びの機会がたくさんあることは非常にありがたいですね。例えば、私はウェブ開発などのプロジェクトはほとんどやったことがなかったんですが、そういうものを勉強する機会を会社側がある程度設けてくれるんです。

さらに個人的なことをいえば、周りの人たちに「ジェンダーやフェミニズムの関連分野に興味がある」という話をすると、そういうことを活動の目標に入れて業務を行えるように積極的に応援してくれる。自分の情熱や夢をもちながら仕事ができるので、モチベーションを維持するという意味でも非常に魅力的だと思います。

もう1つ付け加えるとしたら、働き方についてです。実は私、入社直前になって家庭の事情で名古屋に住まなければいけなくなり、しかも短日勤務をせざるを得ない状況になってしまって。そこで、断られることを前提で「遠方地勤務で仕事をすることができないか」と相談をさせてもらったんです。そういう予期せぬことが起きたとしても、ちゃんと話を聞いてサポートしてくれたり、勤務形態にも柔軟に対応してくれるところもコンセントらしい部分だと思いますね。

—大川さんの将来的な目標を聞かせてください。

女性特有の社会課題の解決を専門とするサービスデザイナーになりたいです。日本は、ジェンダーギャップ指数が非常に低いですよね。社会全体で性別に縛られずに、一人ひとりが自分らしく生きていけるように支援を行っていくような事業に携わりたいです。その中で問題解決の実践を積んでいって、その先に「私しかできない特定の何か」が見えてきたらいいなと思っています。

インタビュー/柴崎卓郎 butterflytools
写真/牧野智晃 〔4×5〕

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