「なんとなくできそう」が、全然できなかった
「筑波大学の学生だけを集めた就活イベントを、自分たちで企画してみない?」
——3年生に上がる直前の冬、そう声をかけられました。なぜ筑波大生だけに絞ったかというと、僕自身が同じ立場だからです。
説明会に行っても働く人のリアルが見えない、在宅医療ってなんだか難しそう、自分の専攻が活かせるのか不安——そういう感覚は僕にもあった。
だからこそ、同期や先輩に話を聞きにいくような距離感の場をつくりたかった。
でも、動き出してすぐに気づきます。
大学のLINEに告知を流しても反応がない。
Instagram広告、ペライチ、大学近くのスーパー”カスミ”へのチラシ貼りなど、思いつく限りやっても数字が伸びず、ずっとヒリヒリしていました。
「自分のせいで兵藤さんに迷惑をかけたらどうしよう」「後輩にかっこ悪いところは見せられない」。夜になっても集客のことばかり考えて、眠りが浅い日が続きました。
「失敗しても大丈夫だよ」と先に言ってくれる人たち
そんなとき、社員の霜越さんがチラシを貼りに行く僕に、ふっと声をかけてくれたんです。「失敗しても大丈夫だよ」。肩の力が、すっと抜けたのを覚えています。
「この人たちのためにも絶対に成功させたい」という気持ちが、ここから強くなっていきました。
兵藤さんや遠藤さんの話も少しさせてください。
営業マーケの社員のお二人で、柔らかい雰囲気の人たちです。いちばん印象的だったのは、自分の仕事で忙しいときでも、僕らが質問に行くと必ず手を止めて聞いてくれること。見守ってくれるお兄さんみたいな存在です。
「兵藤さんや遠藤さんに迷惑をかけたくない」と思っていたのは、怒られるのが怖いからじゃなくて、この人の信頼を裏切りたくなかったから。
動き方が変わったのはここから。
「集まらない、どうしよう」ではなく「どうすれば来たいと思ってもらえるか」を考える。インターン生それぞれが友人や後輩に直接声をかけ、最終的に25、6人の学生が集まってくれました。
何を話すかよりも、誰と話すか。
迎えた当日。
AGRIEの企業説明を代表である伊藤理事長から学生の皆さんに聞いてもらいました。
その後は、各テーブルごとに質疑応答タイム。あるテーブルでは部活の話で盛り上がり、別のテーブルでは日本の医療や経済の未来について議論が白熱する。
社員の皆さんは学生一人ひとりの関心に合わせて話す内容を自然に変えていて、在宅医療に興味があって来たわけじゃない学生には「人脈の大切さ」から話を始めていました。
そして伊藤理事長は、全テーブルを自分から回って学生と話してくれたのですが、「偉い人が挨拶しに来た」という空気がまったくなくて。そのフラットな姿勢にびっくりしました。中締めの時間が来ても会話が止まらず延長戦に。
「仕事のやりがいや会社のビジョンを直接聞けた」
「医療業界の将来性と若手の成長環境を具体的にイメージできた」
というアンケートの声が並び、”ARGIEがいま、すごくいいフェーズで、若い人の挑戦を求めている”と社員の皆さんが語っていたことが、学生たちにも届いたんだと思います。
「働く」って、たぶんこういうこと。
このイベントを通して、たくさん学びました。
集客の戦略、企画書の書き方、社員さんとの連携の仕方。
でも、一番の学びはもっと内側のことでした。
僕は、自分にも人にも厳しいタイプなんだと、改めて気づいたんです。一緒にやってきたインターン生たちに、ちょっと厳しく当たってしまった場面もあった。
「もっといい伝え方があったよな」「チームで動くって、こういうことじゃないよな」と。成功で終わったからこそ、振り返ったときに見えてきた反省点でした。
これは、社員の皆さんから学んだことでもあります。兵藤さんが手を止めて聞いてくれること。霜越さんが「失敗しても大丈夫だよ」と言ってくれたこと。伊藤理事長が自ら学生のそばに行くこと。人に向き合うときの姿勢を、この会社の人たちは知っている。僕はまだ、それを学んでいる途中です。
最初の僕は、「イベントを企画する」というタスクのことだけを見ていました。でも準備を進めるうちに、タスクの先には必ず誰かがいることに気づきました。就活をしていると、つい「自分に何ができるか」ばかり考えてしまう。僕もそうでした。
でも、この3ヶ月で少しだけ思うのは、働くって「自分が何をするか」だけじゃないのかもしれないということです。
任せてくれた人、協力してくれた人、参加してくれた学生がいて、一人で完結する仕事なんてほとんどなかった。
そしてその感覚は、アグリという会社の在り方そのものに通じている気がします。
在宅医療は、利用者さまやご家族の暮らしを、チームで支える仕事。関わる人が互いに補い合いながら、誰かの日常の安心をつくっていく。部長が手を止めて話を聞いてくれる会社、理事長が自分から学生のそばに来る会社、「失敗しても大丈夫だよ」と先に言ってくれる会社——ここで働いている人たちは、たぶん毎日、こうやって人と向き合っているんだと思います。もし就活で「この会社で働くって、どんな感じなんだろう」と悩んでいる人がいたら、一度、AGRIEの人たちに会ってみてほしい。僕がイベントの夜に感じた「この会社、なんか違うかも」という感覚は、たぶんすぐに伝わると思います。