昨今、世界的に深刻な問題として注目されている「海洋プラスチックゴミ」。街でのゴミ拾い活動を主戦場とする私たちにとって少し遠い話だと当初は捉えていました。しかし、この問題を学んでいくうちに、海のゴミの8割が街から出たゴミ(街で捨てられたゴミは雨や風に飛ばされ、川を流れてやがて海へ漂着する)という事実、またこのプラゴミに海の生き物たちが苦しんでいる現状を知り、他人事ではないと感じました。そうした中、365日、19年間ゴミを拾い続けてきた私たちに出来ることは何かを考えました。これまでは拾う事が目的であり、回収したとこで活動は終了でした。でも、もしこの皆んなで拾ったゴミが別の何かに生まれ変わったら?拾った「先」に新たな価値を見出せないか?。
こうした疑問から生まれたのがアップサイクルプロジェクト「RETTER」です。プロジェクト名の由来は、ポイ捨てされているゴミを英語で表す「Litter」に「Re=再び」を掛け合わせた造語。このコースターは、回収したゴミを洗浄して汚れや臭いを落とし、工場で粉砕→プレス→加工→成型という過程を経て一つ一つ丁寧に仕上げます。またグリーンバードの特徴である「多様性」を表現すべく敢えてゴミの色は分けず全て混ぜる。どんな色味になるかは回収したゴミの種類によって異なるため、一つとして同じデザインは存在しません。勿論このコースターの売上は私たちの活動資金になります。寄付や協賛金に頼るのではなく、自分たちで活動資金を生み出す。そんな挑戦でもありました。
「ゴミ拾い」という大きな幹を築きながら、少し視点を変えて枝分けをしてみる。このプロジェクトは新型コロナウィルスで長い間、活動休止を余儀なくされた中、試行錯誤しながら生まれたモノです。時代の流れに合わせ、時には時代の先読みをしながら、新しい挑戦をしていく。そんな仲間を探しています。
公式HP → https://retter.jp
特定非営利活動法人 green bird
私たちグリーンバードは、主に"街のゴミ拾いボランティア"をおこなう団体です。 今から遡ること19年前。2002年、東京・原宿表参道で活動をスタートしました。ポイ捨てのない社会の実現するために、ゴミ拾いの概念を「楽しく面白い」といった活動にへ変換し、ゴミ拾いという社会貢献活動に関わる人を増やす事に取り組んでいます。 私たちの活動には、老若男女、多種多様な色んな人が参加します。活動する地域の在住者、在勤者、在学者、その街が好きな人。参加の理由も、新しい事に挑戦したい、社会貢献や環境問題に興味関心がある、学校の宿題で、企業の取組みの一貫でなど様々。そうした普段では出会うことのない人たちが、ごみ拾いを通じて同じ空間に共存しているのです。 SNSが普及し、誰もが気軽に繋がれる世の中になりましたが、こうして、ごみ拾いを通じて人と人が繋がるコミュニティを、グリーンバードの”価値”として19年間、大切に築いてきました。活動の輪は各地に広がり、現在では国内外に約70チーム、参加者数はおよそ年間3万人まで及びます。