【IT企業で働く私の記録 #4】実際のところフルリモート勤務ってどうなのか?メリット/デメリットについて
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読了まで約5分
この記事では、フルリモート勤務の働き方についてメリットとデメリットについて深掘りしていきます。
こんにちは、システム開発部の秦です。
転職を考えている方の中には、フルリモート勤務が気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
PROOFは一部ハイブリッド勤務の案件もありますが、基本的にはフルリモート勤務です。
私が転職するにあたり重視したポイントの1つが、「フルリモート勤務ができるかどうか」です。
前職は通勤が大変な時期がありましたし、現在は未就学児がいるため、できれば家庭(主に子供)と仕事が両立できそうな環境で働きたかったからです。
フルリモート勤務の働き方に関する記事は検索してもたくさん出てきますが、フルリモート勤務のプラス面にフォーカスしたものが多いように見受けられます。
本記事では、実際にフルリモート勤務で働いてみて感じたことも交えて、考えられる4つのメリット・デメリット、そしてデメリットに対する行動指針を4点ずつ記載していきます。
目次
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フルリモート勤務のメリット
①通勤がない
②全国どこからでも働ける
③気に入った環境で仕事ができる
④子供の発熱などの呼び出し時にかけつけやすい、中抜けして参観日に行きやすい
フルリモート勤務のデメリット
①コミュニケーションが希薄になりがち
②質問したい場合等、コミュニケーションコストがかかる
③誘惑が多いフルリモート環境、自分を律する必要がある
④運動不足になりがち
デメリット4点に対する行動指針
①自ら発信することを心がけ、他者からの発信に対しても積極的に反応する
②意図が正確に相手に伝わるよう、質問、背景、やりたいことを簡潔に説明するよう心掛ける
③出社時と同じような振る舞いをする
④意識的に運動する機会を作る、食べ過ぎない
フルリモート勤務のメリット
①通勤がない
通勤がないという理由でフルリモート勤務を選ぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
公共交通機関で通勤ならば発車時間に合わせてバタバタ準備が必要です。女性なら身支度に時間がかかる方もいらっしゃると思います(私も前職はそうでした)。
そして何より、渋滞や天候によって遅延が発生することも多々あります。お客様の元へ朝イチの訪問予定であれば、「間に合わないかも・・!」とヒヤヒヤしますよね。早めに家を出ても間に合わないこともあって、大きなため息をついたことがあります。
また、満員電車・バスに乗ることが苦痛な方もいらっしゃると思います。夏場の弱冷車は地獄でした。(笑)
②全国どこからでも働ける
通勤がない、すなわちどこからでも働ける。。これはフルリモートの最大のメリットとも言えます。
例えば、「家庭の事情で地元に戻らなければいけなくなった」「都会生活に嫌気がさして田舎に引っ越したい」「気に入った土地で子育てがしたい」等、住まいを変えたいタイミングが訪れるとします。
出社必須の会社にお勤めですと、まずは転職を考えなければなりません。転居先に自分の希望とマッチする企業があるのか?働き方は?給料面は?・・と、リサーチが必要です。
私個人的な考えですが、転居が必要な状況に今後なったとしても「仕事どうしよう。。」と考えなくてもいいというのは心理的安全につながると思います。
③気に入った環境で仕事ができる
自宅が仕事場になりますから、お気に入りのアイテムに囲まれて仕事ができます。
デスクを昇降デスクにする、疲れにくい良いチェアを買ってみる、推しのグッズを飾ってみる。。など環境を自由にカスタマイズできます。リラックスして仕事に取り組めることも、大きなメリットかと思います。
④子供の発熱などの呼び出し時にかけつけやすい、中抜けして参観日に行きやすい
お子さんがいらっしゃる方、介護をしている方に該当するメリットだと思います。
急な呼び出し時にすぐ対応できるので、本当に助かっています。私の場合ですが前職では通勤に2時間半かかっていた時期があり、その時に保育園から電話がかかってきていたら大変だっただろうな。。と思います。
参観日についてはもちろん事前の調整が必要かとは思いますが、近隣の教育機関に通っていれば比較的行事に参加しやすいです。参観日のために1日休みを取りづらい場合でも、中抜けであれば参加ハードルも下がると思います。
フルリモート勤務のデメリット
①コミュニケーションが希薄になりがち
フルリモートですと、どうしてもコミュニケーションが希薄になりがちです。
ミーティングがあったとしても、タスクに関連する話だけで終わってしまうこともあります。
出社すれば他愛のない話をすることも、一緒にランチをしながら楽しく話す機会があります。
フルリモート企業ですと、孤独にならないように昼休憩時に雑談会が定期的に開催されたり好きな話題を書き込めるようなチャットチャンネルが設けられていることが大半だと思います(PROOFにもそういった機会を定期的に設けています)。
それでも誰とも会話することなく1日を終えることもありますので、「誰かと話したい」「人と会いたい」方にはフルリモートは不向きと思います。
②質問したい場合等、コミュニケーションコストがかかる
タスクに関する不明点や質問をしたい時はメッセージを送るか、オンラインミーティングを組む必要があります。
テキスト上でのやり取りの場合、質問の意図が相手に正確に伝わるよう工夫が必要ですし、1度で伝わらない場合は何度もやり取りが生じます(もちろん質問者の意図と相手の意図がズレたまま話が進むことが一番よくないため、やり取りの回数が重なったとしても正確な情報を相手に伝えることがベストです)。
正直、対面であればすぐに解決する内容でもチャット上だと解決まで何倍も時間がかかることもあります。
そして、急いでる時でもすぐに回答が得られるとも限りません。相手がチャットを見ていなかったら、会議中かつ会議後もチャットに気づかなければ、、、なかなか返答は得られません。
複数質問した場合、例えば3つ質問をしていても相手が3つ目を見落として2つ目までしか回答しなかった場合、またチャット上でのやりとりが発生します。
オンラインミーティングを設定する場合、テキストベースでのやり取りと比べスムーズに問題を解決することができますが、ミーティングを組むために時間を合わせる手間が生じます。こちらは対面でも、事前に時間を取ってもらう場合と同じことが言えます。
③誘惑が多いフルリモート環境、自分を律する必要がある
フルリモート勤務の場合、自宅で勤務する方が多いと思います。
「自分以外は誰もいないため誰も見ていない」「少し動けば布団もある」「あの漫画、続き読もうと思ってたんだよなあ。。」
とにかく誘惑が多いです。メリット③「気に入った環境で仕事ができる」は自分次第でメリットにもデメリットにもなり得ます。
そんな誘惑に囲まれた環境で、自分は仕事に集中できるのか?は一度考えたほうがいいです。
誘惑に負け続けた結果、任されたタスクが全く進んでいない→周りに迷惑をかける状況になる、なんてことも十分にあり得ます。
オン/オフの切り替えが難しいフルリモート環境ですので、何か工夫が必要だと思います。
私の知人に、コロナ禍がきっかけでフルリモート勤務が始まった方がいます。突然環境が変わり戸惑ったそうです。
彼女がとったフルリモート勤務で仕事に集中する方法は
"仕事部屋を作り、毎日スーツを着て身支度を整えて仕事をすること"です。
「堅苦しいスーツを毎日自宅で・・?!」と思いましたが、
「ここまでしないと、仕事モードに切り替えられないから」だそうです。スーツは定期的にクリーニングに出し、そのまま出社しても常に問題ない装いで勤務しているそうです。
自分に合った切り替え方法を取り入れて、仕事に集中できる環境づくりが必要不可欠です。
④運動不足になりがち
フルリモート勤務になってから太ったという方を数名知っています。。!
仕事中は基本座りっぱなしで動くことはほとんどありませんから、運動する意識を持ったり食事に気を付けないと本当に太ります。
通勤って運動ではないように見えて立派な運動だったんだなあと感じます。エネルギー使いますしね。
デメリット4点に対する行動指針
「思ったよりデメリット多いな」と感じた方もいらっしゃると思います。
これらのデメリットをそのまま受け入れるのではなく、何か工夫をすれば快適なフルリモート勤務が可能です。実際に何をするかは人それぞれですが、参考までに私が行っている工夫点をご紹介します。
①自ら発信することを心がけ、他者からの発信に対しても積極的に反応する
デメリット①の通り、フルリモート勤務はコミュニケーションが希薄になりがちです。
他のウェブサイトにも書いてあることが多いですが、孤独を強く感じることも。。
そうならないためにも、私は自ら発信し、なおかつ他者からの発信にもアクションするようにしています。
誰かひとりでも発信をすれば、後から他の人も加わってチャットが活性化することが大半です。
肝心の発信内容ですが、「何か有益なことを発信しないと。。」など気負う必要はなくオフィスで会話するのと変わらない内容でいいと思います。
実際にPROOFで上がった雑談チャンネルでの発信内容をいくつか例に挙げてみます。
- 眼鏡を新調しました
- 詐欺の電話がかかってきました。みなさんも気を付けて!
- おススメのモニターがあれば教えてください
- 過去Salesforceに障害が起こった際の情報共有
- 最近あったいいことを教えてください
- Salesforceの資格試験に合格しました!
- 便利だった拡張機能のサービスが完全終了しちゃいましたね。。。 など
他にも、ナレッジチャンネルでは新しいナレッジ記事を更新したお知らせや、QAチャンネルでは質問に対する解決方法をみんなで考え、方法を出し合ったりしています。
②意図が正確に相手に伝わるよう、質問、背景、やりたいことを簡潔に説明するよう心掛ける
デメリット②の通り、質問時は対面よりもコミュニケーションコストがかかります。
質問はテキストベースで基本やり取りを行うためコミュニケーションコストがかかり、忙しい相手に対し時間を取らせてしまい申し訳なく思ったことも多々あります。
そこで以下のような定型文に不明点を当てはめて質問をするようにしたところ、大幅にやり取りが減りました。
例)
現在担当している○○株式会社の保守案件のタスクについて質問させてください。
【やりたいこと】
取引先オブジェクトのカスタム項目「今年度商談合計金額」に今年度成立した商談の合計金額を反映させたいです。
【質問内容】
以下のフローを作成しデバッグしたところ、フローがトリガーされません。開始条件のどこが誤っているかご教示いただけますと幸いです。
以下のスクリーンショットを添付
・フロー全体像
・デバッグ画面
・開始条件のスクリーンショット
※場合によってはスクリーンショットに直接説明書きを入れる
デバッグした結果エラーが出た場合、デバッグ結果に目を通しエラー内容も共有する。
こちらはあくまで簡単な一例です。
タスクのことをよく知らない人(社内の別案件に入っている人)に質問をしたい場合は背景も併せて伝えると尚良いです。
タスク管理ツールがあれば進捗管理ページのURLを貼り付けるなど、相手がタスクの状況をすぐに理解できるような情報を提供することも重要です。
簡潔に正確な情報を伝えることができれば、相手の時間をたくさんいただくこともありませんし「この人と仕事をしたいな」と思ってもらえることもあると思います。
最初は難しいかもしれませんが、何度も繰り返していくと上達します。
ぜひともこれらを意識して質問してみてください。
③出社時と同じような振る舞いをする
フルリモート勤務だと周りから自分の行動が見えにくくなります。
こちらをデメリットと捉えるかメリットと捉えるかはその人次第ではありますが。。
見えにくいからこそ、積極的に自分から行動していく必要があります。
私が書いた前回記事【IT業界で働く私の記録 #3】入社当初より心掛けている3つのことでは、会社のために貢献できるよう心掛けている3つのことをご紹介してします。
「会社のために」とありますが、勤怠管理や報連相など、結果的には全て「自分のために」なることでもあります。
自分に対して甘くなりがちなフルリモート勤務だからこそ、当たり前と思われがちな3つのことを実践し、周りに自分のことを知ってもらえるかつ自らを律することができるような行動や意識が必要です。
私が実践している行動は以下の通りです
- 振られたタスクは期限を守る。守れなそうなら早めに相談する。
- 年末調整の書類など、提出物には期限を決めて厳守する
- すぐに回答できるもの(確認後、Slack上でリアクションボタン押す等)は後回しにせず即時回答する
- 勤怠管理は確実に行い、やむを得ず遅刻してしまった・遅刻しそうな場合は即連絡する(下手な言い訳はしない)
- 周りに気を配った発言をする
自分の中でルールを作って実行するだけです。毎日10km走るとか、疲労を伴うものではないので簡単だと思います。少しの意識で評価が大きく変わります。私としては、こんなにコスパがいいものって無いんじゃないかと思います。ぜひ実践してみてください!
④意識的に運動する機会を作る、食べ過ぎない
ある意味、自分を律することに繋がっている気がしますが。。以下の対策が考えられます。
- 座りっぱなしにならないよう、定期的に席を立つ
- 昇降デスクを導入して立って仕事をする時間を作る
- 休み時間に5分ほど筋トレする(負荷が大きいと続かない場合があります)
- 昼休憩時、ランチを歩いて買いに行く
- お菓子など休憩時につまめるものをストックしない
実際に私は休み時間に筋トレをする、ランチをコンビニまで買いに行く、お菓子をストックしない、の3つを実践しています。このレベルでは太りはしませんが痩せもしません。(笑)
一番効果的だなと感じているのは「お菓子をストックしない」です。
家の中にサッと食べられるものがあると、人間食べちゃうんですよね。。家の中から存在を消すことで食べ過ぎないように努めています。
いかがでしょうか?
フルリモート勤務には出社に比べてメリットが大きいと思われがちですが、実際そんなことはありません。フルリモート勤務にもデメリットは当然あります。
そのデメリットも意識や行動を少し変えるだけでカバーできますし、より快適なフルリモート環境を作ることができます。
私自身、フルリモート勤務である今の働き方がとても気に入っています。
退勤後は保育園へ子供のお迎え、帰宅後もバタバタですが昼休憩時に昼食の用意をしたり掃除をしたりなど、家庭を回す時間が取れるのは本当にありがたいです。
フルリモート勤務への転職を考えている方は、メリットだけでなくデメリットにもフォーカスし、本当にこの働き方が自分に合っているのか一度立ち止まって考えてみることをお勧めします。
本記事が、転職時の参考になりますと幸いです。