浅草店のお客様の7〜8割は、海外からのお客様。ある日スタッフが「どうやってこの店を知ったんですか?」と尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「台湾のレストランでご飯を食べていたら、友達が『日本に牛たんの檸檬っていう、すごくいい店があるよ』って教えてくれて」
海を越えて、口コミで人が来る店。その現場を率いる浅草店の店長に、チームづくりの裏側を聞きました。
◆師匠の一言から始まった
店長のキャリアは、焼肉店で10年。そこで出会った"師匠"にあたる方が先に牛たんの檸檬へ移り、連絡を取り合っていました。前職を辞める相談をしたとき、返ってきたのが「じゃあ、うちで一緒にやらないか」という言葉。それがこの店との出会いでした。
◆朝礼と昼礼で、とにかく褒める
浅草店の1日は朝礼で始まり、営業の合間に昼礼を挟みます。そこで必ずやると決めていることが、ひとつあります。
「スタッフを褒めること。前日の出来事をしっかり振り返って、良かったところをとにかく褒めよう、と。朝礼も昼礼も、それを軸に進めています」
店長の仕事とは何か、という問いへの答えも明快でした。
「会社やお店が求めることを、明確に、具体的に、噛み砕いて伝えること。スタッフが何をすべきか、どう動けばいいか分かるように、レールを引いてあげるのが店長の仕事だと思っています」
◆花火大会の夜、少ない人数で最高売上
一番大変だった日を聞くと、返ってきたのは隅田川花火大会の夜の話でした。
浅草の街は、お祭りや花火大会のたびに人であふれます。その日はかなりの集客が見込まれるのに、出勤できるスタッフは少ない。それでも「チームで乗り越えよう」と一致団結し、全員がお互いをフォローしながら走り切った結果──その日、店舗の過去最高売上を記録しました。
◆「ありがとう」は、恥ずかしいから形にする
浅草店では今年から、良い行動を称賛し合う「サンクスポイント」が動き始めました。称賛されるのは、特別なことばかりではありません。
「みんなが嫌がる場所の掃除を率先してやってくれた。お客様をすごく笑顔にしてくれた。体調不良で欠員が出たとき、『自分が出ます』と手を挙げてくれた。そういう大なり小なりのことへの感謝を、形にするんです。普段、面と向かって『ありがとう』って言うのは照れくさかったりするので。それをちゃんと形に表そう、という仕組みです」
こうした文化の中で、アルバイトから社員への道を選ぶスタッフも生まれています。大阪店では、オープニングから働いてきたアルバイトスタッフが、今月から社員としてスタートを切りました。
◆旅の思い出の、ひとつになりたい
インバウンドのお客様に対して、浅草店が大切にしている合言葉があります。「牛たんの檸檬が、旅の思い出のひとつになってほしい」。
アルバイトスタッフが中心になって、伝票にお客様の母国語で挨拶や「ありがとうございます」を書く。ときには、お客様が着ている服のアニメキャラクターをおしぼりに描いてお渡しすることも。その一枚が、海外のレビューに写真付きで載ることもあります。
◆売上よりも、大事なもの
なぜこの会社で働き続けるのか。店長は、創業者の言葉を挙げました。
「うちが一番大事にしているのは、『全従業員の幸せを真摯に追求する』こと。愛着のあるサービスとうまい料理でお客様を感動させて、会社を大きくして、それをスタッフに還元して、みんなで幸せになろう──この創業者の思いが、自分にはすごく響いたんです。売上よりも大事なものを一番に置いている会社って、そんなに多くない。だから惹かれたし、今も働いています」
浅草店には、さまざまな国籍のスタッフが働いています。世界一を目指す店だからこそ、店の中にすでに"世界"がある。
「東南アジアにとどまらず、世界各国の方、もちろん国内の方とも、いろんな人とコミュニケーションが取れる場がここにはあります。いろんな国の文化を学べる場でもある。働いたら、楽しいですよ」
◆最後に、店長の素顔
休日は、都内の美味しい店を探して食べ歩き。「飲食店の勉強の一環として」と言いつつ、お酒と美味しい料理で過ごすのが定番だそうです。
人と話すのが好きな人、世界中のお客様と関わってみたい人。浅草店で、お待ちしています。